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荻上直子監督トークイベント

主演:松山ケンイチ、共演にムロツヨシ、満島ひかり、吉岡秀隆、『かもめ食堂』『彼らが本気で編むときは、』の荻上直子監督最新作『川っぺりムコリッタ』が9月16日(金)より全国公開中!!シルバーウィーク後半の三連休初日となった9月23日(金・祝)。東京・立川にあるシネマシティにて『川っぺりムコリッタ』のQ&A付き舞台挨拶が行われ、荻上直子監督が登壇。会場に集まった観客からの質問に次々と答えていった。
荻上直子監督『川っぺりムコリッタ』舞台挨拶
『川っぺりムコリッタ』トークイベント
日程:9月23日(土)
場所:東京・立川 シネマシティ 
登壇:荻上直子監督

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荻上直子監督登壇

「2年前に撮影をして、公開が1年ぐらい延期してしまったのですが、こうして今日皆さんに届けることができてうれしいです」と挨拶をした荻上監督。初めにMCから本作を撮ろうと思ったきっかけを訊ねられると、「NHKの『クローズアップ現代』という番組で“ゼロ葬”という、誰にも見送られない葬儀の話がやっているのを見て、引き取り手のいないご遺骨が役所に並んでいる映像にショックを受けました。この一つ一つの人生はどのようなものだったのだろうと、お骨についての物語を書こうと思いました」と明かす。
荻上直子監督『川っぺりムコリッタ』舞台挨拶
続いて物語を彩るメインキャストについて、「松山さんはいままで会ったことがないような役者さんで、頭で計算してお芝居をするというよりも、すごく大きなところで理解して役に溶け込んでいる方でした。満島さんは動物的で、人の心を読むので怖い女だなと思っていました(笑)。ムロツヨシさんはすごくエンターテイナーで、みんなに気を遣って周りを盛り上げようとする人。すごく努力をして、この島田という役を演じてくれていました」とそれぞれへの感謝を述べる。

Q&A
Q&Aが始まり、観客から最初に寄せられた質問は、やはり荻上監督作品の代名詞ともいえる“美味しい食事”シーンへのこだわりについて。「死をテーマにした作品ですので、その真逆である生を同時に描いていきたかった。とくに山田という主人公にとって、初めての給料で買ったお米はかけがえのないもの。すごく大事に撮りたいと思っていました」と語る荻上監督は、松山が数日間の絶食をして撮影に臨んでいたというエピソードを明かし会場を驚かせた。
荻上直子監督『川っぺりムコリッタ』舞台挨拶
次に寄せられたのは、オリジナル作品を立て続けに作っている荻上監督はいつもどこから物語を着想するのかという質問。「いつも映画を撮りたくて仕方がないので、モチーフとなるものを常に考えています」と答える荻上監督は、毎回脚本を書き始めるきっかけとなるものがあると明かす。「夕焼けの空を見た時に、ふと知久寿焼さんが作詞した『夕暮れ時のさびしさに』のメロディが浮かび、歌詞を調べてみたら不思議な歌詞で。その要素を散りばめてみようと思った時に、脚本がぱっと書けたんです」と、本作の脚本の誕生秘話を明かした。

他にも「役者さんの声が好き」という観客の感想を受け、「普段は役者さんを想定しないで脚本を書くのですが、これは絶対に薬師丸さんだと思って書いていました」と、本作で薬師丸ひろ子が声の出演を果たした経緯を語る荻上監督。また劇中に散りばめられた日本映画の名作へのオマージュについて訊かれると、黒澤明監督の『どですかでん』や今村昌平監督の『うなぎ』のタイトルを挙げていく。

そして「この舞台となった富山という土地はゆったりしていて、気持ち的にもゆったりと映画を撮ることができました。俳優さんたちもきっと自然のなかに包まれていたことでしょう。富山という土地がこの映画を助けてくれました」と、撮影場所である富山県に思いを馳せた荻上監督。
イベントの最後には映画館のスタッフから花束を進呈され顔をほころばせると、「皆さんにこの映画をいっぱい広めていただいて、少しでも長く上映されればうれしいです」と語り、あたたかな拍手に包まれていた。荻上直子監督『川っぺりムコリッタ』舞台挨拶荻上直子監督『川っぺりムコリッタ』舞台挨拶

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『川っぺりムコリッタ』

『かもめ食堂』荻上直子最新作が贈る「おいしい食」と「心をほぐす幸せ」。
松山ケンイチ×ムロツヨシ×満島ひかり×吉岡秀隆、実力派豪華キャストが集結!
荻上監督といえば、日本中でブームとなった『かもめ食堂』の大ヒット以降、2017年、トランスジェンダーの女性が主人公の前作『彼らが本気で編むときは、』が、日本映画初のベルリン国際映画祭テディ審査員特別賞他、多くの国際映画祭受賞を果たしてきました。本作は、そんな国内外で高い評価を受けてきた荻上直子監督による完全オリジナル脚本で贈る、新しい「つながり」の物語です。荻上ワールドおなじみの「おいしい食」と共にある、「ささやかなシアワセ」の瞬間をユーモアいっぱいに描き、誰かとご飯を食べたくなり、“ささやかなシアワセ”をお持ち帰りできるハッピームービーです。
※ムコリッタ(牟呼栗多):仏教の時間の単位のひとつ、1/30日=48分
川っぺりムコリッタ
あらすじ
築50年の「ハイツムコリッタ」で暮らし始めた孤独な山田。
底抜けに明るい住人たちと出会い、ささやかなシアワセに気づき始める・・・。
山田(松山ケンイチ)は、北陸の小さな街で、小さな塩辛工場で働き口を見つけ、社長から紹介された「ハイツムコリッタ」という古い安アパートで暮らし始める。無一文に近い状態でやってきた山田のささやかな楽しみは、風呂上がりの良く冷えた牛乳と、炊き立ての白いごはん。ある日、隣の部屋の住人・島田(ムロツヨシ)が風呂を貸してほしいと上がり込んできた日から、山田の静かな日々は一変する。できるだけ人と関わらず、ひっそりと生きたいと思っていた山田だったが、夫を亡くした大家の南(満島ひかり)、息子と二人暮らしで墓石を販売する溝口(吉岡秀隆)といった、ハイツムコリッタの住人たちと関わりを持ってしまい…。図々しいけど、温かいアパートの住人たちに囲まれて、山田の心は少しずつほぐされていく―。

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松山ケンイチ
ムロツヨシ 満島ひかり 
江口のりこ 黒田大輔 知久寿焼 北村光授 松島羽那
 柄本 佑 田中美佐子 / 薬師丸ひろ子 
 笹野高史 / 緒形直人
吉岡秀隆

監督・脚本:荻上直子
音楽:パスカルズ 原作:荻上直子「川っぺりムコリッタ」(講談社)
製作:堀内大示 五老剛 多湖慎一 中西一雄 益田祐美子 亀山暢央 竹内力 五十嵐淳之 鈴木貴幸 川村岬 中西修 駒澤信雄
企画プロデュース:水上繁雄 飯田雅裕 プロデューサー:野副亮子 永井拓郎 堀慎太郎 共同プロデューサー:成瀬保則 神保友香
撮影監督:安藤広樹 照明:重黒木誠 録音:池田雅樹 美術:富田麻友美 装飾:山﨑悠里 スタイリスト:堀越絹衣 衣裳:村上利香
ヘアメイク:須田理恵 編集:普嶋信一 VFX: 古橋由衣 整音:瀬川徹夫 音響効果:大河原将フードスタイリスト:飯島奈美
スクリプター:天池芳美 助監督:藤森圭太郎 制作担当:鳥越道昭
協賛:キタノ住建 メディアスタッフビジョン 山栄
助成:文化庁文化芸術振興費補助金 (映画創造活動支援事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会
製作幹事:KADOKAWA 朝日新聞社 制作プロダクション:RIKIプロジェクト 宣伝協力:シンカ 配給:KADOKAWA
『川っぺりムコリッタ』製作委員会(KADOKAWA 朝日新聞社 メ~テレ カルチュア・エンタテインメント 平成プロジェクト basil
RIKIプロジェクト ムービーウォーカー Filmarks ねこじゃらし 富山テレビ放送 北日本新聞社)
© 2021「川っぺりムコリッタ」製作委員会

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