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大ヒット御礼トーク・Q&A

 
『ケイコ 目を澄ませて』『夜明けのすべて』など作品を発表するごとに国内映画賞を席巻し、本作で第78回ロカルノ国際映画祭インターナショナル・コンペティション部門にて最高賞である金豹賞&ヤング審査員賞特別賞をW受賞した、日本映画界を代表する存在である三宅唱監督最新作『旅と日々』(原作:つげ義春 『海辺の叙景』『ほんやら洞のべんさん』)が11月7日(金)より全国で公開中です。
『旅と日々』
 
この度11月15日(土)に東京・グランドシネマサンシャイン 池袋にて、『夜明けのすべて』に続き本作に出演している斉藤陽一郎と、三宅唱監督による大ヒット御礼トーク・Q&Aイベントが行われました。
斉藤陽一郎、三宅唱監督
 
大ヒット御礼トーク・Q&A
日程:11月15日(土) 16:50の回 上映後
場所:グランドシネマサンシャイン 池袋
登壇:斉藤陽一郎、三宅唱監督
 

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斉藤陽一郎、三宅唱監督登壇

 
8月にロカルノ国際映画祭でグランプリである金豹賞を受賞した後、釜山国際映画祭、サン・セバスチャン国際映画祭など各国の映画祭での上映を経て、11月7日(金)より全国公開となった本作。映画を観終えたばかりで余韻に浸る観客たちの前に、主人公の李(シム・ウンギョン)が脚本を書いた映画を上映した大学の磯貝准教授を演じた斉藤陽一郎と三宅唱監督が登壇。作中さながらに斉藤が進行するかたちで現れると、観客からは温かい拍手が湧き起こった。
『旅と日々』
■この映画のジャンルは?――「この映画は“エンターテインメント”です」
「前半は年上女性と青年の交流、後半は変なおじさんとのユーモラスなやり取り。この映画のジャンルは何ですか?」という質問に、斉藤は「べん造が“変なおじさん”に見える瞬間あるよね(笑)。李が『大丈夫ですか?』と聞いた時の『大丈夫だあ〜』なんてまさに」と笑いを誘う。三宅監督は「映画1本の中でジャンルが変化していくのは、現代の娯楽映画の形だと思います。海外映画でもジャンルミックスが増えている。この映画のジャンルは……“エンターテインメント”です。ジャンルの切り替わりの戸惑いみたいなものも含めて楽しんでほしい」と語った。さらに斉藤は「李が脚本を書こうとする“最初の間”がもう面白い。始まってすぐ“この映画面白い!”って思いました」と笑顔。監督は「つげ義春さんのマンガも“芸術”と呼ばれることがあるけど、つげさん本人は『マンガだ』と言い切っている。僕も“アート”も“エンタメ”も、どちらもやりたいと思っている」と締めくくった。
『旅と日々』
■夏男の“左右違うサンダル”の理由
夏の海辺で陰のある女・渚に出会う夏男の足元に注目した観客から「夏男のサンダルが左右違うのはなぜ?」という質問に、三宅監督は「ロケハンの時、浜にたくさんサンダルが落ちていて、夏男なら拾うなと思ったんです。互い違いのサンダルを履く“居心地の悪さ”が似合うキャラクター。左右同じサンダルは落ちてないので、彼なりのベストを探し求めたんです」と説明し、斉藤は「健気ですね。彼の佇まいも素晴らしいです」と太鼓判を押した。
さらに、夏男が井伏鱒二を読んでいる理由について監督は、「つげさんが井伏鱒二を好きだったことと、僕自身も好きだったから。『山椒魚』のように、僕たちが生きている場所は、もしかしたら水たまりの中かもしれないじゃないですか。水たまりの外に大きい世界が広がっているかもしれないのに、それに気付いていないかもしれない。その感覚が、この作品に通じている気がしました」と語った。

■「人と違うことは人生の失敗ではない」
李と同じく、故郷を離れて日本に住んでいるという観客から「『故郷を離れてからずっと旅をしている気がする』というセリフに強く共感した。外国人だけでなく、生きていると誰もがどこにも所属せずにずっと浮遊しているような感情を抱くことがあると思うが、なぜ今回そのような感情について表現しようと思ったのか」という質問が寄せられると、三宅監督はある友人の感想を紹介した。
「香港の友達が『stranger(異邦人)であることは、人生の失敗ではない。それは他者と共に生きるための始まりである』という美しい感想を言ってくれて。‟stranger”=“変わり者”とも言えるけれど、人と違うことは失敗ではない。映画館に来ることも、観客が一度“stranger”になる経験。それが映画を観ることだと思うんです」と締めくくり、深い言葉に、会場は静かに聴き入っていた。

最後に斉藤は、「こういう静謐な空気をまとった日本映画は久しぶりだったような気がします。静かな映画だけど情報量はものすごい。観るたびに新しい発見があると思うので、癒されつつも新しい情報を得るために何度でも映画館に足を運んでもらえたら嬉しいです」とメッセージ。三宅監督は、「上映が続く限り、陽一郎さんの“磯貝准教授セット”は5年後も10年後もやりたい(笑)。また2人で並ぶときはぜひ来てください」と呼びかけ、イベントは温かい雰囲気で幕を閉じた。

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『旅と日々』

大ヒット上映中!
 
www.bitters.co.jp/tabitohibi
 
行き詰まった脚本家が旅先での出会いをきっかけにほんの少し歩みを進める――
世界の映画祭が注目する三宅唱監督が贈る、今秋最注目の珠玉のロードムービー
強い日差しが注ぎ込む夏の海。ビーチが似合わない夏男が、影のある女・渚に出会う。何を語るでもなく、なんとなく散策するふたり。翌日、また浜辺で会う。台風が近づき大雨が降りしきる中、ふたりは海で泳ぐのだった……。
『旅と日々』
『旅と日々』
つげ義春の漫画を原作に映画の脚本を書いた李。「私には才能がないな、と思いました」と話す。冬、李はひょんなことから訪れた雪荒ぶ旅先の山奥でおんぼろ宿に迷い込む。雪の重みで今にも落ちてしまいそうな屋根。やる気の感じられない宿主、べん造。暖房もない、まともな食事も出ない、布団も自分で敷く始末。ある夜、べん造は李を夜の雪の原へと連れ出すのだった……。
監督を務めるのは、『ケイコ 目を澄ませて』(22)、『夜明けのすべて』(24)など、作品を発表するごとに国内の賞を席巻し、これまでベルリン国際映画祭に3作が出品されるなど、現代日本映画界を牽引する存在として世界中で注目を集める三宅唱監督。原作であるつげ義春「海辺の叙景」「ほんやら洞のべんさん」を見事な手腕で現代的にアップデートする。 韓国出身ながら日本映画界に不可欠な俳優であるシム・ウンギョンを主演に、べん造役に映画、テレビ、舞台と縦横無尽に活躍する俳優・堤真一、渚役を2024年に数々の映画賞を獲得した河合優実、夏男役を『流浪の月』に出演し注目度の上がっている髙田万作が演じる。さらに、つげ義春作品に欠かせない俳優・佐野史郎がひとり二役で花を添える。
 
『旅と日々』

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シム・ウンギョン
河合優実 髙田万作
斉藤陽一郎 松浦慎一郎 足立智充 梅舟惟永/佐野史郎
堤真一
 
監督・脚本:三宅唱
原作:つげ義春「海辺の叙景」「ほんやら洞のべんさん」
音楽:Hi’Spec
※クレジット掲載の際は上記の改行をそのままご掲載ください。
製作:映画『旅と日々』製作委員会 製作幹事:ビターズ・エンド カルチュア・エンタテインメント 
企画・プロデュース:セディックインターナショナル
制作プロダクション:ザフール 
配給・宣伝:ビターズ・エンド
©2025『旅と日々』製作委員会 
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