映画情報どっとこむ ralph 5月21日より公開となる是枝裕和監督『海よりもまだ深く』が、第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式出品され先程、阿部寛さん、樹木希林さん、真木よう子さん、是枝裕和監督がレッドカーペットを歩き会場入り、世界の観客を前に舞台挨拶をおこない、正式上映が行われました。上映後は、スタンディングオベーションで観客から賞賛を受け、日本のメディアに向けた囲み取材が行われました。
『海よりもまだ深く』カンヌト

第69回カンヌ国際映画祭 『海よりもまだ深く』イベント

参加者:是枝裕和監督、阿部寛、真木よう子、樹木希林
実施日:5月18日(水)
フォトコール
レッドカーペット
場所:PALAIS DES FESTIVALS
正式上映:実施時間=22:15~
(日本時間19日05:15~)
場所=DEBUSSY THEATRE
実施日:5月19日(木)

映画情報どっとこむ ralph フォトコールの模様

爽やかな風が吹き抜けるカンヌの青空の下、是枝監督はじめ、フランスの有名ブランドBerluti(ベルルッティ)に身を包んだ阿部寛さん、グッチのトラッドでキュートなワンピース(靴、バックもグッチ)を纏った真木よう子さん、そして独自のスタイルがひかる樹木希林さんがフォトコールに登場し、世界から集まったスチールカメラマンたちの前で、笑顔でフォトコールに参加しました。
また、直前にフォトコールをおこなっていたアカデミー賞受賞監督であるウィリアム・フリードキン監督(『フレンチ・コネクション』、『エクソシスト』)が、是枝監督に挨拶に来る場面もあるなど、是枝監督の世界からの注目度の高さが感じられる一幕もありました。監督、キャスト達は5月16日(月・現地時間)にカンヌ入り、海外プレスの取材を受けるなど、多忙な時間を過ごしつつ迎えた公式上映日。高まる緊張を抑えながら、レッドカーペットと公式上映にむけて、準備を整えつつ、それぞれにコメントしました。

阿部さん:初めてカンヌに来ましたが、街全体が祭りのような状態で、すごく楽しんでいます。今晩の公式上映でどういう反応が返ってくるかは予想がつきませんが、楽しみたいと思います。

真木さん:前回(『そして父になる』)のときはドシャ降りのカンヌだったので、街を全然歩けなかったのですが、昨日歩くことができて、歴史のある建物がたくさんある街で、とても美しいなという感想を持ちました。街全体がすごく盛り上がっていますし、こんな中で上映されるということにドキドキしていたりもしますが、楽しみにしています。

樹木さん:もう出来上がっていますので、ただみんなと一緒に観ます!

是枝監督:マーケット試写を観てきた記者の方たちと取材のときに話したら、意外とみんなちゃんと笑ってくれているようでした。日本と同じようにクスクス笑いながら、後半はちょっとしんみりとしっとりとそういう展開になってくれればなと思っています。

外のプレスの反応

<女性>
良い作品でした。是枝監督はストーリーテリングが自然だし、俳優たちの演技も素晴らしかった。ファニーな映画だけど、真理がある。主人公が成長しないのがいい!人生そのものね。

<男性>
素晴らしかったよ。是枝監督作品の大ファンなんだ!毎回期待して観るんだけど、毎回その期待を超えてくる。監督の作品はあたたかいところが好きなんだ。正直なところもね。ダメなキャラクターだけど、愛おしいんだよ。

<女性>
すごく感動したわ。是枝監督の作品は何本か見てるの。主演の人も。是枝スタイルの映画ね。今回も感動したわ!是枝作品でこれまで失望させられたことはないわ!

映画情報どっとこむ ralph レッドカーペットの模様:

大勢のマスコミや観客があふれる中、レッドカーペットに登場したのは、是枝監督とベルルッティのタキシードに身を包んだ阿部寛さん、肩と背中を大胆に露出した透け感のあるアルマーニのロングドレスにショパールのダイヤのイヤリングを着用した真木よう子さん、海と鶴の柄をあしらった着物に真っ赤な鯉がデザインされた帯を締め、ならではの貫録で一際目をひいた樹木希林さん。
カンヌ国際映画祭参加は初となる阿部さんは、観客やメディアの声に応え手を振るなどして対応していました。
『海よりもまだ深く』カンヌレッドカーペット

舞台挨拶:
満席の会場でステージに登壇した是枝裕和監督、阿部寛さん、真木よう子さん、樹木希林さんは、それぞれ晴れやかな笑顔で、世界の観客の前で、舞台挨拶をおこないました。阿部さんの「是枝監督作品は2作目ですが、いつか是枝さんの作品でカンヌに来れることを夢見ていました。今日は楽しんでいってください」というコメントには熱い拍手が送られ、さらに樹木さんの「今はゆとりのある顔をしていますが、上映が終わったらすぐに逃げられるように準備しております」という希林節には場内から笑い声もおき、和気あいあいとした雰囲気の中で上映は始まりました。

上映後:
上映中は、阿部さん演じるダメ息子の良多と、樹木さん演じる母・淑子の会話シーンなどで度々笑いがおこるなど、日本の団地を舞台にした家族の物語は、しっかりと世界の観客の心に届いたようで、上映後は是枝監督や出演者たちに向けて、約7分間にもわたるスタンディングオベーションが続き、阿部さんは時々手を振ってそれにこたえるなど、場内はとても温かい空気に包まれました。また場内を出たところでも、海外のファンに囲まれ拍手や賞賛コメントを浴び、好評のうちに公式イベントを終えました。

映画情報どっとこむ ralph 日本メディア向け囲み取材

Q:上映が終わってみていかがですか?
是枝監督:上映が終わった後のお客さんたちの表情がとてもあたたかく優しくて感動しました。

阿部さん:初めて来ましたがこれだけの多くの客さんが拍手をしてくださって、それが鳴り止まなくて、本当に感動しました。

真木さん:今回2度目なんですが、また温かい拍手に包まれて、反応が予想をはるかに超えて良かったので、とても嬉しかったです。

樹木さん:初号試写に続き、作品を観るのは2度目でしたが、監督が何か粉を撒いたんじゃないかと思うくらい、みんな上手に見えました!

Q:レッドカーペットを歩いた感想は?
阿部さん:あの広さはすごい。やっとここに立てたなと思いました。是枝組で立てて本当に嬉しかったです。初めてのカンヌですが、感動しました。

是枝監督:手を振ってあっちを向いたりこっちを向いたりするのは恥ずかしいけれど、あの場は女優さんのためのものだと思うので、みんなのために頑張りました(笑)でもあそこを歩くのはちょっといい経験だなと思います。

Q:カンヌ映画祭自体をどう思いますか?
是枝監督:ここが一番厳しいとおもいます。作品に対しても、セレクションに対しても、審査に対しても、批評に対しても。皆真剣に映画に向き合って2週間を過ごす場所です。これだけ拍手とブーイングが交錯する場は他にはないので、貴重な経験ができます。この緊張に耐えられる作り手でありたいと改めて思える場です。

樹木さん:私はもう外に出て行くような人ではないので、もっと若い人たちに、この映画祭に是非一度は来て欲しいと思います。

真木さん:カンヌにはありがたいことに2回来させてもらっていますが、他の映画祭を知らないので・・・。今回、自分がすごく良い作品だと思っているものを、他の国の皆さんにもあれだけあたたかく受け入れて頂けて、本当に作品をよく見てくださっているんだなと嬉しかったです。

阿部さん:是枝監督が本当にすごく愛されているんだなと痛感する映画祭ですね。今回の作品に出演できて、カンヌで上映していただけたので、これを機会に僕の顔も覚えて頂けたら嬉しいなと思います!

Q:上映後の感想は?
是枝監督:感動したとか、とても良かったとか、温かい言葉をたくさんもらいました。

阿部さん:みなさんの笑顔が素晴らしいので、その笑顔がすごく嬉しかったです。

真木さん:素晴らしい作品だったと言っていただきました。

樹木さん:私の場合、言葉がわからないだろうと思うから、みんな、ただただ「ありがとう」と言われたわ。

Q:上映中、笑い声があがるシーンが多かったですが、いかがでした?
是枝監督:泣かれるより嬉しいです。より登場人物を身近に感じてくれた証拠だと思うので、言葉が悪いけれど、してやったり!と思ってしまいました(苦笑)

樹木さん:それは言葉がダメね。もっと監督は良い言葉を選ばなきゃ。でも伝わったなって思えたわね!

是枝監督:この映画の笑いが伝わるかがずっと気がかりだったので、安心しました。

樹木さん:台本からして台詞がすごく良かったですから、それが伝わったんじゃないかしらね。

Q:カンヌ初参加の阿部さんは、何か初体験はありましたか?
阿部さん:お客さんと一緒に映画を見れたというのが、本当に良い経験でした。受け入れて頂けて嬉しいですね。

樹木さん:じゃあ、この映画をターニングポイントにしてまた変わるわね。成長しちゃうわね。阿部さんは団地より、カンヌの風景の方が似合うわ。ビシーっとハマってたわ。

Q:団地のカンヌデビューでもありますね。日本の団地はどのように伝わっているでしょうか?
樹木さん:うーん、あの狭さはどう思われたのかしらね?

是枝監督:全然大丈夫だったみたいですね。今回は伝わるか伝わらないかをあまり気にせず、狭く深く描いていった作品だったのですが、きちんと描けば必ず伝わると思っていたので、それを今日の上映で実感しました。
郷土愛が強いタイプではないんですが、自分の地元がカンヌで上映されると、さすがにちょっと感慨深かったですね。団地センターとか(笑)

樹木さん:あそこに19年間住んでいたんだから、えらいわよね。

Q:海外のプレスから、あれは一体何なんだ?と聞かれたシーンはありますか?
是枝監督:今のところないんです。カルピスについてとか聞かれるのかなと思ってたんですが、今のところ一つもないです。

Q:狭い団地に、ひときわ大きい阿部さんをキャスティングしたのは、狙い?
是枝監督:団地を前提に阿部さんを選んだわけではないです(笑) でも台に乗らずに天袋を覗けるのは素晴らしいなと思いましたよ。でも、あくまで阿部さんが先です。

映画情報どっとこむ ralph 第69回カンヌ国際映画祭 
開催期間:5月11日(水)~5月22日(日)

公式サイト:
gaga.ne.jp/umiyorim

物語・・・
台風の夜に、偶然ひとつ屋根の下に集まった“元家族”。夢見た未来と、少しちがう今を生きる大人たちへ贈る感動作。
笑ってしまうほどのダメ人生を更新中の中年男、良多(阿部寛)。15年前に文学賞を1度とったきりの自称作家で、今は探偵事務所に勤めているが、周囲にも自分にも「小説のための取材」だと言い訳している。元妻の響子(真木よう子)には愛想を尽かされ、息子・真悟の養育費も満足に払えないくせに、彼女に新恋人ができたことにショックを受けている。そんな良多の頼みの綱は、団地で気楽な独り暮らしを送る母の淑子(樹木希林)だ。ある日、たまたま淑子の家に集まった良多と響子と真悟は、台風のため翌朝まで帰れなくなる。こうして、偶然取り戻した、一夜かぎりの家族の時間が始まるが――。

***********************************

原案・監督・脚本・編集:是枝裕和
(『海街diary』『そして父になる』)  

主題歌:ハナレグミ「深呼吸」(Victor Entertainment / SPEEDSTAR RECORDS)

出演:阿部寛 真木よう子 小林聡美 リリー・フランキー 池松壮亮 吉澤太陽 / 橋爪功 樹木希林
配給:ギャガ   
©2016 フジテレビジョン バンダイビジュアル AOI Pro. ギャガ
   

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