近藤亮太監督の最新作『〇〇式』(読み:まるまるしき)が、本日6月27日(金)より下北沢K2にて先行公開、7月4日(金)より全国順次公開となります。 本作は、近藤監督が『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』で日本ホラー映画大賞を受賞後、満を持して発表する最新作。ジャンルの枠を越境する“ポストホラー”という新たな流れの中で誕生した本作は、観客を“参列者”と見立て、映画という枠を超えた“式”体験を提示します。 監督自身が「映画づくりそのものが“儀式”である」と語る本作では、物語の“何かがおかしい”という違和感が少しずつ蓄積され、観客は静かに、だが確実に不穏の深層へと引き込まれていきます。 主演には九十九黄助、共演に吉田ヤギ、脚本には都市伝説的想像力でZ世代から熱狂的支持を受けるホラー作家・くるむあくむを迎え、映像・音・空気のすべてで“式”を成立させる演出が注目を集めています。 このたび、初日となる6月27日(金)にシモキタ-エキマエシネマK2にて舞台挨拶を実施し、監督・脚本・キャストが登壇して本作に込めた思いや、“式”の裏側について語りました。 公開記念舞台挨拶 日時:6月27日(金) 会場:シモキタ – エキマエ – シネマ K2 登壇:九十九黄助、吉田ヤギ、くるむあくむ(共同脚本)、近藤亮太監督
主演の九十九黄助は、「当時かなりタイトなスケジュールで撮影していましたが、こうして無事に初日を迎えられて嬉しいです」と安堵の笑みを見せた。 一方、同じく主演の吉田ヤギは「初めての主演作品で、こうして公開日を迎えられたことに本当に感謝しています。印象に残っているシーンは、物語の最後に撮った長回しのシーンですね」と振り返った。 互いの第一印象について問われると、九十九は「僕は『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』を観ていたので、“やばい民宿の人やん”と思ってました(笑)。ずっと喋るのが遅かったらどうしようと構えてたけど、衣装合わせで初めて会ったときからすごく話しやすかったです」と明かした。吉田も「すごく緊張していました。読み合わせのとき、“やりづらかったらなんでも言ってください”とお伝えしたのを覚えています」と当時を回想した。 本作で映画脚本に初挑戦したホラー作家・くるむあくむは、「普段は活字を中心にX(旧Twitter)などで活動していますが、初めて劇場映画に、しかも近藤監督の作品で関われたことを光栄に思います」と語る。 実際に撮影現場にも足を運び、「式場でのスチール撮影では、参列者を“写しすぎない”ように意識しました」と、そのこだわりを明かした(当該写真は本作の公式Xにて公開中)。また、共同脚本という形の難しさについても触れ、「誰かと一緒に物語を作るのは初めてだったので、近藤さんの邪魔をしないよう常に緊張していました。“式”というテーマは初期段階から決まっていて、そこからどう膨らませていくかを二人で何度も話し合いました。“式ってなんだっけ?”というところからの出発でした」と語った。 これに対し、近藤監督も「くるむさんは僕にない発想を持っていて、とても刺激的でした。僕一人ではこの作品にはなっていなかったと思います」と強く頷いた。また、物語の結末については「近年ホラー作品を観ていて、“バッドエンド”とされる結末に対して感じることがありました。ハッピーエンドではないにせよ、“バッドエンド”ではない落としどころができないかを模索し、今回は“生きていた人の時間が確かにあった”ということを描きたいと考えました」と作品に込めた想いを明かした。 さらに、主演の二人から見た近藤監督の印象についても語られた。九十九は「YouTubeの番組でご一緒したときは、“ちょっと怖い人かな?”と思ってましたが、話してみると子供みたいにバーっと喋る面白い方でした。前作『ミッシング』も観ていたので、オファーをいただいたときは本当に嬉しかったです」と語り、吉田は「僕は自宅で一人芝居をしているんですが、それを観に来てくれたのがきっかけでした。そんな芝居を観に来る人は変な人に違いないと思ってました(笑)。でも、監督は俳優の芝居を否定しないんです。『いいですね、こういうパターンもどうですか?』といつも提案してくれるので、安心して身体を預けられました」と信頼の深さをにじませた。 最後に近藤監督は、「九十九さんには初日の撮影でいくつか発声パターンをお願いしたんですが、すぐに対応してくれて驚きました。その中のひとつが非常に良くて、作品全体のトーンがそこから定まったと思います」と語り、主演俳優への信頼をにじませた。 舞台挨拶の最後には、観客とともに入場者特典「赤い封筒」を開封。登壇者と観客が一体となり、本作ならではの余韻を静かに、そして確かに共有した。
6月27日(金)下北沢K2先行上映 7月4日(金)全国順次上映 “式”とは。 何者かがいつの間にか始めたもの。 ⼀度始まると、⽌めることはできないもの。 意味が⽣まれる前に、すでにそこに在るもの。 『〇〇式』は、どこかに存在する、とある“式”の話。 それは祝福か、別れの儀式か—— その答えはどこにあるのか。 あらすじ 撮影バイトとして、とある式に足を踏み入れた2人の男。 進行は穏やかで、参列者も静かに座っている。 だが、どこかがおかしい。 進むほどに蓄積していく違和感は、 いつの間にか逃れられない”何か”へと姿を変えるのであったーー。
○×スペシャルトーク映像解禁 《読売文学賞 戯曲・シナリオ賞受賞》の松田正隆による傑作戯曲を気鋭の演出家・玉田真也の監督・脚本で映画化し、オダギリジョーが主演・共同プロデューサーを務める映画『夏の砂の上』(製作幹事:スタイル