舞台挨拶付き完成披露上映会映画『おいしい給食 Road to イカメシ』がいよいよ、5月24日より全国公開となります。 北海道、静岡、名古屋、大阪、兵庫、宮城、栃木、群馬、茨城、千葉、埼玉へ最新作のPR行脚を行ってきた市原隼人、綾部真弥監督、岩淵規プロデューサー。 |
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市原隼人ら登壇
市原をはじめとする登壇陣が、劇場後方の扉から姿を見せ、客席の間を通って舞台に上がると大歓声がわき起こった。 市原は映画を観終えたばかりの観客を前に「この日を本当にずっと楽しみにしていました。足を運んでいただきありがとうございます」と感慨深げに語る。いまの気持ちを問われると市原は「本当に言葉にならないです。何もないところから始まって、(劇場版)第3弾をお届けできる喜びを深く噛みしめています。シーズン1から始まって2、3と恩返しのような、声を枯らして、なお叫び続ける、お客様へのエールのような思いで、ずっと現場に立ち続けてきました。お客様に楽しんでいただくために、必死になって、もがきながらも懸命になることで、目には見えない役者としてのかけがえのない醍醐味を学ばせていただきました。これ以上ない感謝を申し上げます」と客席に向けて深々と頭を下げる。 客席の熱気を受けて、MCが客席に向けて「まだ続きが見たいですよね?」と問いかけると「見たい!」という熱い声が! 劇場版第4弾の可能性を問われると、市原は「体力面が持つかな…?」と笑いつつ「街でたくさん『見てます』という声をいただくんです。こないだも小学3年生の子から『甘利田先生、大好きです』とキラキラした声で言われて、ひとりになった時、涙が止まらなくなりました。『この子の笑顔を守り続けていきたい』と腹から思いました。いままでのシーズン1、2の時は、ハード過ぎて、続きができるとは全く思わなかったんですけど(笑)、そんな笑顔を守り続けたいと思い、これからもお声がかかる限り、その環境が整う限り、シリーズを続けていこうと腹に決めました!」と早々に続編への意欲を口にし、会場は歓喜に包まれた。 綾部監督は「もともとシーズン1、2で終わるつもりで、劇場版第1弾が『Final Battle』、第2弾が『卒業』ですからね(笑)。閉店セール詐欺みたいで…。この『Road to イカメシ』も総決算のつもりだったんですけど」と自虐気味に語りつつ「みなさまが求めてくださる限りはまた立ち上がろうかと思います」と続編への決意を口にする。 シーズン3からの出演となった大原は、市原との共演について「初めて共演させていただきましたが、ご一緒させていただいた時間は財産です」と語り「カチンコが鳴る直前まで甘利田先生としてずっと役と向き合っていらして、ご自分には厳しくストイックだけど、周りには優しい方です。いろいろ相談させていただいても『やりたいようにやればいいよ』と広い心で受け止めてくださって、甘えて飛び込ませていただきました」と市原への感謝を語る。 田澤も「撮影中も休憩中も、ずっと声をかけてくださり、アドバイスをしてくださり、どうすればいいか質問しても、優しくわかりやすく返してくださる、尊敬する一番大好きな俳優さんです!」と市原へのリスペクトを語るが、市原はその言葉に「僕は泰粋には勝てないです。給食のシーンが終わっても、ずっと食べてるんです(笑)。本当に食べることが大好きで、こんな方が粒來ケン役でよかったと思ったし、台本も付箋だらけで本当に真面目で誰よりも一生懸命なんです。大尊敬してます」と最大限の敬意をお返しする。 甘利田の同僚の体育教師・木戸四郎を演じた栄信は、撮影現場での印象深い思い出として「撮影のカットがかかった時、監督から『しょせん木戸』という言葉が出てきまして(笑)。木戸というキャラクターを本当に端的に表現した素晴らしい言葉だなと思いまして、嬉しかったし勇気をもらいました」と語り、会場は笑いに包まれる。 石黒は、甘利田が対峙する町長を演じており、映画を観終えたばかりの観客に「あんまり怖い目で見ないでください(笑)」と懇願。函館での撮影をふり返り「僕の撮影初日が港での演説シーンで、地元の方たちがエキストラで大勢来てくださったんです。寒いし、強風が吹きすさぶ中、朝早くから夜遅くまで、ひとりも嫌な顔をせずに協力をしてくださって、そんなみなさんの顔を見て、この作品がたくさんの方に受け入れられている作品なんだなと初日に感じました」としみじみと語る。 一方、いとうは、甘利田の一番の理解者の“給食のおばさん”としてシリーズ“皆勤賞”だが「(甘利田の)ストーカーなんじゃないかと思われている方もいるかもしれませんが、(私のシーンは)全部こちら(=東京)で撮っていまして…。『いいなぁ、みんな北海道まで行ったんだ…』という疎外感がひとりだけあります」と仲間外れの寂しさを口にする。ちなみに会場には、いとうさん演じる牧野をイメージした給食の白衣のコスプレの熱いファンの姿もあり、いとうさんは「嬉しいです。ありがとうございます!」と感激した様子だった。 そして、この日の舞台挨拶でひときわ存在感を放っていたのが、六平と小堺のコンビ。六平が最初の挨拶でなぜか「栄信くんはヌートバーと同じ身長なんです。それだけをみなさんに伝えたくて」と関係ない話題で客席の笑いをさらえば、小堺は、六平と共に髪の薄くなった額に手をやり「僕ら2人で現場を明るく照らしていました!」と語り、これには客席のみならず登壇陣も爆笑。 さらに六平は「市原隼人の芝居、すごくない? いま一番新しい芝居だよ。普通のヤツは普通の芝居しかしないけど、(市原は)動きもセリフもすごい!」と市原を称えるが、勢い余って(?)「CMに出ても、相手よりこっち(=市原)のほうがいい。名前は言わないけど…」と語り、慌てて市原が止めに入る。さらに「この現場は楽しくて、全然飽きなかった。飽きちゃう現場もあるからね。『こんな役者とやるのかよ…』っていう…」と言いたい放題で共演陣もMCもヒヤヒヤ…。 一方、小堺は以前から本作のファンだったことを明かし「見ていて『なんだこれ? すごいドラマだ』と思っていました。だって、先生があんなにアクロバティックなことをしてるのに、生徒は誰も先生を見ていないで給食食べてるんだもん(笑)。欽ちゃんに『すごいドラマができましたよ』と言いましたら『気が付かないって一番面白いんだよ。お客さんが自分だけ気が付いてると思うから』と言ってまして、『(本作を)見たことあるんですか?』と聞いたら『ない』って(笑)」と師と仰ぐ萩本欽一さんとのやり取りを明かし、本作の魅力を熱く語ってくれた。 綾部監督は、本作がここまで多くのファンの支持を得たことについて「不思議な気分です。シーズン1がスタートした時は、オリジナル企画なので誰も知ってる人いないんです。『何それ?』というところからの船出でした。それが5年が経って、行く映画館で全てソールドアウトに…。初めて市原くんと会った時、『この作品は、給食しか愛せない孤独な男のロマンだね』という話をしたんです。恋人も友達もいないけど、ひとつ何か愛するものがあれば充実した人生を送れる、そんな男のロマンをやろうと。でも気づいたら、みなさんに支えていただいて、実は孤独ではないんだなと。ひとりで作ってる気になっていたけど、みなさんに支えられて、共に歩んでいる――みなさんは“給食道”の同志です」とファンへの思い、絆を口にした。 この日は、登壇陣がそれぞれ、自身が考える理想の給食について発表! 市原はシーズン1の時から変わらず「きな粉パン」、大原は「週1揚げパン」と書かれたフリップを掲げる。ちなみに、小堺は「あげパン、けんちん汁、フルーツポンチ」、六平は「あげぱん、ワカメ味のみそ汁、コーヒー牛乳」と世代を超えての揚げパン愛が発覚! さらに六平と小堺はここでもコーヒー牛乳や脱脂粉乳など、数十年前の給食の思い出を巡って熱いトークを展開し、市原はそんな2人のやりとりを「最高ですよね。ずっと聞いていたいです」と満面の笑みを浮かべて見守る。 栄信は「バーベキュー」という給食らしからぬメニューを書いたが「校庭でみんなでバーベキューとかできたら良いなと思って」と理想を明かす。麺類で重なったのは石黒、いとうさん、田澤で、石黒さんは「ソフト麺」、いとうは「ソフト麺カレー」、そして田澤は、イマドキの若者らしく「つけ麺」と回答。田澤は「(つけ麺が)出たわけじゃないんですけど、うどんやラーメンが好きなので、こういう麺類が出たらいいなと思って」と語ったが、すかさず六平さんから「家で食えよ」とツッコミが飛ぶ。それぞれが思い思いに給食への愛着や思い出を語り、会場は笑いと共感に包まれていた。 舞台挨拶の最後に市原は「続編を作るにあたって存在意義を探しました。甘利田がどう変化し、進化・成長していくべきか? と考えたんですが、いつまでも変わらぬ甘利田でいることが答えでした。シーズン1からメッセージは変わりません。どんなに滑稽で笑われても、好きなものは好きと人生を謳歌する――そんな甘利田先生を見ていただき、みなさんにも人生を楽しんでいただきたいです」と呼びかける。 さらに「1980年代が舞台ですから、いま日本人が忘れかけているわびさび、古き良き心や糧となる言葉があふれています」と語り、シーズ1から変わらず、大好きだという松本大輝による主題歌「君の花」の歌詞を引用。「上手くいかないこともたくさんあると思います。悲しみに打ちひしがれて、膝を抱えて泣いた夜は僕もたくさんあるし、これからもみなさんにもたくさんあると思います。誰かが決めたルールやしがらみに縛られてどうしようもなくなったときは、ご自身を信じてご自身の道を歩いてください。こけて涙で前がぼやけてしまったら、立ち上がるまで『おいしい給食』という作品と我々が、精一杯の思いで、いつもどんな時も応援していますので、見守っているということを忘れないでください」と語る。 そして「この『おいしい給食』のもうひとつのテーマが“全員が主役”です。我々全員、お客様も含めてみなさんが主役なので、ぜひみなさんが主役の人生を精一杯楽しんでください。その中に『おいしい給食』という作品を入れていただけるように、これからも奮闘しようと思います。やっぱり、お客様のために作品はつくるものだと改めて感じさせていただいています。これからも精進してまいります。短い時間ですがありがとうございました」と熱い思いを伝えました。 |
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『おいしい給食 Road to イカメシ』2024年5月24日全国公開 給食をこよなく愛する中学教師、甘利田幸男。自由奔放な発想で独自の給食道を歩む生徒、粒來ケン。平成に突入しても二人の闘いは続く。天上天下唯我独尊・ブレない男、甘利田幸男を演じるのは、言わずと知れた主演・市原隼人。甘利田が教育係を務める女教師に大原優乃。甘利田を完膚なきまでに打ちのめす食のライバル生徒を演じるのは田澤泰粋。他に栄信、いとうまい子、六平直政、高畑淳子、小堺一機らお馴染みのレギュラー陣が勢揃いするほか、新たに石黒賢が参戦!泣いて笑って、おなかがすいて、老若男女が楽しめる、極上の給食スペクタクルコメディがここに誕生!! |
監督:綾部真弥
企画・脚本:永森裕二
プロデューサー:岩淵規
出演:市原隼人 大原優乃 田澤泰粋 栄信 石黒賢 いとうまい子 六平直政 高畑淳子 小堺一機
©2024「おいしい給食」製作委員会