映画情報どっとこむ ralph

公開記念舞台挨拶

直木賞作家・井上荒野による、父である作家・井上光晴と母、そして瀬戸内寂聴をモデルに男女3人の<特別な関係>を描いた傑作小説「あちらにいる鬼」が、この度主演・寺島しのぶ、豊川悦司、共演に広末涼子を迎え、廣木隆一監督・荒井晴彦脚本にて映画化、11月11日から全国公開となりました。

そして、この度、主演の寺島しのぶ、豊川悦司、共演の広末涼子、廣木隆一監督が登壇しての公開記念舞台挨拶を行いました。
『あちらにいる鬼』公開記念舞台挨拶
映画『あちらにいる鬼』公開記念舞台挨拶
日時:11月12日(土)
会場:新宿ピカデリー
登壇:寺島しのぶ、豊川悦司、広末涼子、廣木隆一監督

映画情報どっとこむ ralph

寺島しのぶ、豊川悦司ら登壇

コロナ禍の影響で延期されていた撮影が今年5月にようやく開始し、昨日念願の公開初日を迎えた。文学に導かれ求め合う主人公・長内みはる(のちの寂光)役の寺島は「この映画を観終わって、人と人との縁(えにし)や出会った人たちが死ぬまで絡んでいくということは尊くて愛おしいものだと思った」と感想を述べ寺島しのぶ『あちらにいる鬼』公開記念舞台挨拶「この映画がもっと広がってほしいと思うし、廣木監督とはまた映画でご一緒したいので、そのためにはお客さんが入ってもらわないと大人の映画は廃れてしまうので、是非とも応援宜しくお願いいたします」と満席の客席に向けて呼び掛けた。

妻・笙子がいながらもみはるに惹かれる白木篤郎役を演じた豊川は「コロナ禍もありクランクインまでには時間がかかりましたが、普通の映画で考えると撮影から公開まで早いスピードで皆さんにお届けすることができた」と封切りを喜び、豊川悦司『あちらにいる鬼』公開記念舞台挨拶「普通だったらほかの作品を2本くらい挟んでいるので、撮影当時の状況はまったく覚えていなくてデタラメを言ったりする自分がいますが、この映画の場合は撮影の日々をしっかりと記憶することができています。とても充実した撮影期間でした」とジョークを交えて報告。

篤郎の妻・笙子役の広末は「皆さんが阿吽の呼吸で芝居をされていて、安心感のある現場でした。私はそこにいればいいだけで、廣木監督が引っ張り出してくれた感覚があります」と実感。広末涼子『あちらにいる鬼』公開記念舞台挨拶

廣木監督は「3人の芝居が面白くて、僕は現場で見ているだけだった。その面白さを取りこぼすことなく直ぐに撮らなければと、一生懸命でした」と納得のキャスティングだったとコメントした。廣木隆一監督『あちらにいる鬼』公開記念舞台挨拶

出家シーンでは実際に剃髪をして挑んだ寺島。
剃髪に触れて「廣木監督とやるからには廣木さんのために剃るかと…。監督も剃髪をしているようなものなので、『僕もいるから』みたいな感じで励ましてくださいました」と笑わせ「豊川さんは『剃った後の頭に呪文が書いてあったら面白いね』とピリピリしている中でも柔らかい言葉をかけてくださって、広末さんは剃った後の頭をクリクリと触ってくれたりして楽しかった。実際に剃ったことでより心の動きを感じ取ることができて、剃って良かったと思います」と納得の表情だった。

すると豊川は「絶対彼女だったらやるだろうと思った。とても男前の人なので。ウジウジと言っていた時期もありましたが、そう言いながらも結局はやるだろうなと」と確信を込めて、廣木監督も「絶対やるだろうとみんなが思っていた」と明かすと、当の寺島は「それがもうプレッシャーでしかなかったんですよ!」とツッコんだ。広末には「良い頭の形をしていて、気持ち良くて…!精神的にも肉体的にも大変な役だったと思いますが、剃髪後のみはるはまるで少女のようでした」と好評だった。

豊川演じる白木篤郎は、2人の女性の間を行き来するキャラクター。豊川は「撮影でもふたりの間を行き来していたので、今日はどっちだっけ?と思ったりして…。“あちらにいる女優”じゃないけれど、そういうことは今まで経験したことがなかったので、必然的に白木篤郎という人の気分になっていましたね」と設定を通して役柄を理解していったと語った。寺島は「映画での豊川さんは白木篤郎にしか見えず。豊川さんでなければ誰ができるの?というくらいに凄いと思った」と絶賛で、広末も「カットがかかった後に豊川さんは『ごめんね』と仰ってくれて。白木篤郎とはこんなに違う人なのに、役だとそのものの雰囲気を出せるのかと…。不思議な経験をさせていただきました」と成り切りぶりに舌を巻いていた。

公開の直前の11月9日は瀬戸内寂聴さんの1回忌だった。なんと、同じ墓地に眠っているという井上夫妻と寂聴さん。天国にいる3人に向けて広末は「きっと笑いながらこの映画を観てくれていると思う」と期待し、豊川も「懐かしく思って観てくださっていると思う」としみじみ。主演の寺島も「3人同じ場所でお酒を飲みながらワイワイ楽しく観てくださっていたら嬉しい」と思いを馳せながら「“あちらにいる鬼”というタイトルに込められた想いは作品を観てそれぞれが考えていただけたら。この映画が長く上映されるように、宣伝のほど宜しくお願いします!」と観客にアピールしイベントを締めくくった。

映画情報どっとこむ ralph

「あちらにいる鬼」

11月11日(金) 全国ロードショー

昨年11月、満99歳で波乱の人生を全うした作家・僧侶の瀬戸内寂聴。1960年代から人気作家・瀬戸内晴美として活躍した彼女が出家した背景には、同業者で妻子ある井上光晴との恋があった。出会うべくして出会い、互いにのめり込んでいくふたりと、全てを承知しながら心を乱すことのない男の妻。「あちらにいる鬼」は、同志にも共犯にも似た不思議な3人の関係を、光晴の長女、井上荒野が書き上げたセンセーショナルな物語だ。
文学に導かれ、求め合う主人公・長内みはる、のちの寂光に寺島しのぶ、井上光晴をモデルとした白木篤郎に豊川悦司、白木の妻・笙子を広末涼子が演じる。寺島と豊川は、本作のメガホンを取った廣木隆一監督・荒井晴彦脚本の『やわらかい生活』(06)で初共演を果たして以降、『愛の流刑地』(07)、『劇場版 アーヤと魔女 』(21)など何度も共演。また、主要3俳優に加え、高良健吾、村上淳、蓮佛美沙子、佐野岳、宇野洋平、丘みつ子など、実力派俳優たちが顔を揃えた。
日本を代表する俳優・スタッフが集結し、情愛を超えたその先の境地に迫る、濃密な人間ドラマが完成した。
あちらにいる鬼
物語
「髪を洗ってやるよ」。
それは、男と女でいられる最後の夜のことだった。
1966年、講演旅行をきっかけに出会った長内みはると白木篤郎は、それぞれに妻子やパートナーがありながら男女の仲となる。もうすぐ第二子が誕生するという時にもみはるの元へ通う篤郎だが、自宅では幼い娘を可愛がり、妻・笙子の手料理を絶賛する。奔放で嘘つきな篤郎にのめり込むみはる、全てを承知しながらも心乱すことのない笙子。緊張をはらむ共犯とも連帯ともいうべき3人の関係性が生まれる中、みはるが突然、篤郎に告げた。 「わたし、出家しようと思うの」。

【瀬戸内寂聴(晴美)プロフィール】
1922年5月15日、徳島県生れ。2021年11月9日に99歳で逝去した。
1957年「女子大生・曲愛玲」で新潮社同人雑誌賞、1961年「田村俊子」で田村俊子賞、1963年「夏の終り」で女流文学賞を受賞、作家としての地位を築く。
1973年11月14日平泉中尊寺で得度。その後も執筆活動が続き、著書に1992年「花に問え」(谷崎潤一郎賞)、1996年「白道」(芸術選奨文部大臣賞)、2001年「場所」(野間文芸賞)、2011年に「風景」(泉鏡花文学賞)などがある。2006年に文化勲章を受章。

***********************************

出演:寺島しのぶ 豊川悦司/広末涼子
監督:廣木隆一
脚本:荒井晴彦
原作:井上荒野「あちらにいる鬼」(朝日文庫)
製作:「あちらにいる鬼」製作委員会 
製作幹事:カルチュア・エンタテインメント
企画・制作:ホリプロ
配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ
©2022「あちらにいる鬼」製作委員会 R15+ 
関連記事:




良かったらランキングUPにご協力ください。
  にほんブログ村 映画ブログ 映画情報へ    にほんブログ村 アニメブログ アニメ情報へ