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公開記念舞台挨拶

9歳で失明、18歳で聴力を失いながらも世界で初めて盲ろう者の大学教授となり、現在は東京大学先端科学技術研究センターバリアフリー分野教授を務める福島智(ふくしまさとし)と母・令子の実話をもとづく、真摯で温かな人間賛歌映画『桜色の風が咲く』がついに11月4日公開しました!

この度、11月5日(土)にシネスイッチ銀座にて公開記念舞台挨拶を実施!12年ぶり映画主演を務めた小雪(福島令子役)、田中偉登(福島智役)、吉沢悠(福島正美役)、本作モデルとなった東京大学先端科学技術研究センターバリアフリー分野教授 福島智教授、松本准平監督、結城崇史プロデューサーが登壇し、コロナ禍を経て無事初日を迎えた想いなどを大いに語りました。また福島教授からの熱いご要望で、小雪さんと田中さんによる“指点字”のデモンストレーションも行われました!
『桜色の風が咲く』 公開記念舞台挨拶
『桜色の風が咲く』公開記念舞台挨拶
日時:11月5日(土)
場所:シネスイッチ銀座
登壇:小雪、田中偉登、吉沢悠、福島智教授、松本准平監督、結城崇史プロデューサー
MC:秋沢淳子

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小雪、田中偉登ら登壇

本作は、9歳で失明し、18歳で聴力を失いながら、やがて盲ろう者として世界で初めて大学教授になった東京大学先端科学技術研究センターバリアフリー分野教授・福島智とその母・令子の物語。

上映後、満員の観客からの大きな拍手に迎えられ、結城プロデューサーは「コロナの影響もあって撮影が中断したこともあったけれど、無事に皆さんに作品をお届けすることができて嬉しい」と封切りに感慨。『桜色の風が咲く』 公開記念舞台挨拶福島教授との対談を通して福島教授の半生に興味を抱いたという松本監督は、観客に感謝を述べつつ「福島さんはどのような方なのかと、その人生に興味が湧いて、福島さんなりの人生の苦しみへの向き合い方に触れてみたいと思った」と企画参加の理由を熱く説明。『桜色の風が咲く』 公開記念舞台挨拶

福島令子さん役の小雪は12年ぶりの映画主演。
本作への参加に「凄く幸せだと感じる」と感慨無量で「心の中で“この作品は世に伝えていかなければならないものだ”という使命のようなものを感じて、その想いに突き動かされて参加させていただきました」と心境を明かした。撮影中は「想像を絶する苦労の末に、福島先生は新しい世界への道を切り拓いて希望を与えてくれた。そのエネルギーの欠片を感じながら撮影に臨んでいました」と回想し「作品を通して、先生の力強いエネルギーを感じていただけたら」と観客に呼び掛けていた。『桜色の風が咲く』 公開記念舞台挨拶

福島智さん役の田中は「タイトルにちなんで…今日は髪の毛にちょっと桜色を入れてきました!」と短髪を桜色に染めたことを報告しながら「目が見えなくなり、耳が聞こえなくなる孤独感と絶望だけではなく、楽しかったことやご家族との会話など、福島先生が感じたとおりのことを一滴も溢すことなく伝えることが僕の使命だと思っていました」と演じる上での心構え振り返っていた。『桜色の風が咲く』 公開記念舞台挨拶

父・福島正美さん役の吉沢は「福島家のみなさんの感じたことを俳優として疑似体験をさせていただきました。指点字を生み出した令子さんと智さん親子だけではなく、家族も一緒に戦っていたのではないか?という思いで演じていました。福島さんからは、実際のお父さんよりもマイルドだったと言われましたが、でも大丈夫だと…。ホッとしています」とお墨付きに安堵していた。『桜色の風が咲く』 公開記念舞台挨拶

本作のモデルである福島教授は「自分の人生が映画になるのは不思議な感じ」と驚きつつ、母・令子さんご本人の反応については「美人過ぎる小雪さんが自分を演じるなんて気恥ずかしいと、配役に疑問を呈していました」と報告して温かい笑いを生んでいた。

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指点字のデモンストレーション

今回特別に、壇上で小雪と田中による指点字のデモンストレーションが行われた。
『桜色の風が咲く』 公開記念舞台挨拶まずは小雪から、役作りのために取得した指点字で福島教授の指に「智(さとし)先生ありがとう」と言葉を伝えるも、本人は「間違えたっ!」と照れ笑い。しかし福島教授にはしっかりと伝わっており、「いつのまにかおふくろの背が伸びたのかと思った」とジョーク交じりに太鼓判を押していた。
『桜色の風が咲く』 公開記念舞台挨拶続いては田中。指点字で「僕が智(さとし)やで」と思いを込めるも、福島教授からは「何を打ったのかさっぱりわかりません!」というまさかの返答が。もちろんこれは福島教授のユーモアで、メッセージはしっかりと伝わった模様。それでも「もうちょっとスムーズにやれるように頑張ってほしいなあ」と福島教授から今後に期待するアドバイスも受けていた。
そして福島教授は小雪と田中にメッセージ。福島教授は小雪に「おふくろ、いつまでも元気で!自分らしい生き方で人生を切り拓いていってくれよな!」とエール。田中には「俺は40年後のお前だ!コーラやビールを飲み過ぎるな!たとえ20代でも腹が出るぞ!そしてもう一つ、女性に気をつけろ!男と言うのは単純でバカ。それに対して女性は複雑で賢い。くれぐれも女性には気をつけるように」と笑い交じりの人生訓を送り、その言葉に温かな笑顔が広がった。

最後に主演の小雪は「指点字の世界がもっと広がってほしいと思います。私たちが指点字をできるようになったら、諦めていた世界が広がるはず。この映画は一つの試みの第一歩なので、この波紋が世界中に広がっていけばと願っています」と大ヒット&大反響を祈願していた。

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【指点字とは】

日本の盲ろう者(視覚と聴覚の重複障害者)はおよそ1万5千人。世界では1千万人以上と言われる人が暗闇と無音の世界で生活上の不便と戦っています。視覚障害者には声での会話が、聴覚障害者には手話や筆談などがありますが、盲ろう者ではコミュニケーションにさまざまな困難があり、いかにコミュニケーションをとるのかが、大きな課題です。そのコミュニケーションの手段の一つとして、「指点字」が用いられています。
その「指点字」とは、福島智さんの母・令子さんが、盲ろう者となった息子と言葉を交わしたい一心で、ふとしたことから考案した新しいコミュニケーション手段なのです。それはリアルタイムで息子の指に自分の指を重ね、点字を打つことで言葉を伝えることのできるコミュニケーション方法でした。福島智さんと令子さんの考案がきっかけとなり、指点字は多くの盲ろう者の方に希望を与えることとなりました。桜色の風が咲く

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『桜色の風が咲く』

英題:A Mother’s Touch

全国順次公開中!

HP:
@sakurairo

Twitter:
@sakurairo114

STORY
見えない。聞こえない。でも僕は“考える”ことができる――。
母と息子が見出していく希望に満ちた未来。

教師の夫、三人の息子とともに関西の町で暮らす令子。末っ子の智は幼少時に視力を失いながらも、家族の愛に包まれて天真爛漫に育つ。やがて令子の心配をよそに東京の盲学校で高校生活を謳歌。だが18歳のときに聴力も失う・・・。暗闇と無音の宇宙空間に放り出されたような孤独にある息子に立ち上がるきっかけを与えたのは、令子が彼との日常から見出した、“指点字”という新たなコミュニケーションの“手段”だった。勇気をもって困難を乗り越えていく母子の行く手には、希望に満ちた未来が広がっていく・・・。桜色の風が咲く

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小雪
田中偉登 吉沢悠 吉田美佳子 山崎竜太郎 札内幸太 井上肇 朝倉あき / リリー・フランキー 
製作総指揮・プロデューサー:結城崇史
監督:松本准平
脚本:横幕智裕
音楽:小瀬村晶
協力:福島令子 福島智
エンディング曲:辻井伸行「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第8番 ハ短調 作品13 《悲愴》 II. ADAGIO CANTABILE」
製作:スローネ、キャラバンピクチャーズ 制作:THRONE INC./KARAVAN PICTURES PTE LTD
助成:文化庁文化芸術振興費補助金  文部科学省選定(青年・成人向き)(令和4年10月19日選定)
©THRONE / KARAVAN Pictures
製作国:日本/日本語/2022/ビスタ/5.1Ch/113分
配給:ギャガ 
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