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原爆投下直後の長崎

 
1945年、夏。
原爆投下直後の長崎を舞台に、被爆者救護にあたった若き看護学生の少女たちの“青春”を描く映画『長崎―閃光の影で―』が、8月1日(金)に全国公開となります (7月25日(金)長崎先行公開)。
 
この度、本作の初お披露目の場となるワールドプレミアを実施しました。映画の舞台であり、被爆から80年を迎えた長崎の地から世界に向けて平和を発信するイベントとして、菊池日菜子、小野花梨、川床明日香、松本准平監督の4名が登壇し、舞台挨拶を行いました。
長崎―閃光の影で―
 
ワールドプレミア in HAPPINESS ARENA
日程: 7月6日(日)
会場:HAPPINESS ARENA
登壇:菊池日菜子、小野花梨、川床明日香、松本准平監督

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キャスト&監督登壇

 
イベントの冒頭、亡き祖父から譲り受けたというジャケットを着用して登壇した松本准平監督は、「僕はあの長崎の時津町の出身で、亡くなった祖父が被爆者でした。映画を始めた時に、いつか長崎原爆のことを描きたい、それを通して祖父のことを描きたいというふうに思って、今日この場に今日立つことができています、 ありがとうございます。今日着ているこのジャケットは夏物ではないんですが、これは祖父から譲り受けた形見です。今日は祖父と一緒に、この場を見届けられればと思って着てきました」と感慨深げに挨拶した。
長崎―閃光の影で―
 
MCによる質問では、キャストたちが“役とどう向き合ったか”について語る時間が設けられた。菊池は「撮影期間中は、体も心も一度も休まることがなかった」と当時を振り返り、「1945年にたどり着けない不安、田中スミに近づけない感覚にさいなまれた」と語った。
長崎―閃光の影で―
そのうえで、「自分ができる最大限の努力は、当時を想像し続けること。思考を止めないことだった」と真摯な姿勢をのぞかせた。
小野は「役を通して何かの“光”になれるなら」という思いを抱いていたと語り、「全員が心を一つにして、日々撮影に向き合っていた」とチームの結束の強さを感じさせるエピソードを披露。
長崎―閃光の影で―小野花梨
川床も「80年前という時間の隔たりを埋めるには、自分一人の想像力だけでは足りなかった」と葛藤を吐露しつつ、「仲間と信頼し合いながら、丁寧に一つ一つのシーンに向き合った」と誠実に取り組んだ様子を明かした。
 
イベント前日には、出演者らが実際の被爆者と面会する機会もあったという。その中で、キャスト陣が受け取った“記憶のバトン”についても、それぞれが思いを語った。菊池は「これまでは爆心地周辺の惨禍ばかりに目を向けていたけれど、被害は“あの瞬間”だけではなく、今も続いていると気づかされた」と深く感銘を受けた様子で語り、「平和を願い、考え続ける責任が自分にもあると感じた」と決意を新たにした。
小野は、90歳の被爆者から聞いた「つらかろうが事実を伝え続けなければならない」という言葉にハッとさせられたと言い、「受け取ったものをしっかりと届けていかなければならない」という覚悟を語った。長崎―閃光の影で―川床も「“平和の種を植え続ける”とおっしゃっていて、これから自分たちが受け継いでいかないといけないな」と、胸の内を語った。
 
本作の制作背景についても、松本監督自らが言及。
 
1988年に黒木和雄監督が手がけた『TOMORROW 明日』の“原爆投下前夜”を描いた作品に触れつつ、「今回は“その後”を描くことを託された」と語った。実在の看護学生の手記をもとに構成されたストーリーは、「すべてを破壊する原爆の下で、人間の命を救おうとした人々を描くことは重要なことだと思った」という強い思いから生まれたという。
また、この日、会場ロビーには、島原出身の彫刻家・小鉢公史氏が本作に共鳴して制作した、一本のクスノキから作り出された看護婦の木造が展示された。監督は「こうして人の思いが共鳴し、つながっていくのが映画の力」と語りかけ、観客の心を温かく揺さぶった。
そして、印象的だったのはイベント前に訪れた“被爆クスノキ”に関するエピソード。菊池は「木漏れ日の美しさに、生きていることのありがたさを痛感した」と話し、小野は「土地と人に共通するような温かさと力強さを感じた」と語った。川床も「これまでも、そしてこれからも、長崎を守ってくれる存在だと思えた」と言い、松本監督は「クスノキも一人の“被爆者”だと思う」と述べ、長崎の地に根差す“命”へのリスペクトをにじませた。
後半には、大石賢吾長崎県知事、鈴木史朗長崎市長が、花束プレゼンターとして登場し、4人に熱いメッセージを送った。
 
イベントの締めくくりには、菊池日菜子が改めて観客への感謝を述べた。
長崎―閃光の影で―
「本日は足を運んでいただき、本当にありがとうございます。この映画『長崎-閃光の影で-』は、今日登壇している私たち4人だけでなく、多くのキャスト・スタッフ、そして制作にご協力くださった方々の支えによって完成した作品です」と語り、「私の見た限り、誰一人として1945年の夏を妥協せず、心から真摯に向き合い続けていた」と、作品に込めた全員の思いを代表して伝えた。
さらに、「このあと上映される109分間、そしてエンドロールの最後までじっくり観ていただけたら嬉しいです。その時間が、ここにいる皆さん、そして世界にとって、実りある時間になることを心から願っています」と言葉を結び、万感の思いを込めて舞台を後にした。
 

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『長崎―閃光の影で―』

 
2025年7月25日(金)長崎先行公開 / 8月1日(金)全国公開
 
公式サイト:
https://nagasaki-senkou-movie.jp
 
公式X:
@nagasaki_senkou
 
太平洋戦争末期の1945年、日本赤十字社の看護学校に通う17歳のスミ、アツ子、ミサヲは、空襲による休校のため長崎へ帰郷し、家族や友人との平穏な時間を過ごしていた。しかし、8月9日11時2分、長崎市に原爆が落とされたことで、彼女たちの日常は一変。街は廃墟と化し、彼女たちは未熟ながらも看護学生として負傷者の救護に奔走する。救える命よりも多くの命を葬り去らなければならないという非常な現実の中で、彼女たちは命の尊さ、そして生きる意味を問い続ける—。
 
原爆被爆者を救護した日本赤十字社の看護師たちが被爆から35年後にまとめた手記「閃光の影で-原爆被爆者救護 赤十字看護婦の手記-」を基に脚本が執筆された本作。菊池日菜子、小野花梨、川床明日香といったフレッシュな新鋭が3人の看護学生の少女を演じ、自身も長崎出身の被爆三世である松本准平が監督を務めました。
 
あらすじ・・・
1945年、長崎。看護学生の田中スミ、大野アツ子、岩永ミサヲの3人は、空襲による休校を機に帰郷し、家族や友人との平穏な時間を過ごしていた。しかし、8月9日午前11時2分、長崎市上空で原子爆弾がさく裂し、その日常は一瞬にして崩れ去る。街は廃墟と化し、彼女たちは未熟ながらも看護学生として負傷者の救護に奔走する。救える命よりも多くの命を葬らなければならないという非情な現実の中で、彼女たちは命の尊さ、そして生きる意味を問い続ける――
 

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菊池日菜子
小野花梨 川床明日香
水崎綾女 渡辺大 田中偉登 加藤雅也 有森也実 萩原聖人 利重剛 / 池田秀一 山下フジヱ
南果歩  美輪明宏(語り)
 
原案:「閃光の影で―原爆被爆者救護 赤十字看護婦の手記―」(日本赤十字社長崎県支部)
監督:松本准平   脚本:松本准平 保木本佳子
主題歌:「クスノキ ―閃光の影で―」(アミューズ/Polydor Records)
作詞・作曲:福山雅治   編曲:福山雅治/井上鑑   歌唱:スミ(菊池日菜子)/アツ子(小野花梨)/ミサヲ(川床明日香) 
製作:岩本炯沢 荒木宏幸 吉田尚剛 髙田旭人 関顕嗣 川村英己 川畑年弘 福山雅治
企画:中村佳代   プロデュース:鍋島壽夫 マーク服部   プロデューサー:関顕嗣   ラインプロデューサー:木村和弘
撮影:灰原隆裕   照明:川井稔   録音:紫藤佑弥 大竹修二  音楽:小野川浩幸
制作プロダクション:SKY CASTLE FILM ふればり   配給:アークエンタテインメント
推薦:日本カトリック司教協議会
後援:長崎県 長崎市 公益財団法人 長崎平和推進協会 ©2025「長崎―閃光の影で―」製作委員会
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