映画情報どっとこむ ralph

『MIRRORLIAR FILMS Season2』公開初日舞台挨拶開催

伊藤主税(and pictures)、阿部進之介、山田孝之らが「だれでも映画を 撮れる時代」に、自由で新しい映画製作の実現を目指して、年齢や性別、職業、若手とベテラン、メジャー とインディーズの垣根を越え、切磋琢磨しながら映画を作り上げる短編映画制作プロジェクト「MIRRORLIAR FILMS(ミラーライアーフィルムズ)」。そのシーズン2の2月18日(金) 渋谷ユーロスペースで公開初日舞台挨拶が行われ、Azumi Hasegawa監督、駒谷揚監督、志尊淳監督、柴咲コウ監督、柴田有磨監督、山田佳奈監督、そして本作プロデューサーで、紀里谷和明監督作「The Little Star」主演の山田孝之が登壇しました。
MIRRORLIAR-FILMS-Season2
日程: 2022年2月18日(金)
場所:渋谷ユーロスペース
登壇:Azumi Hasegawa、駒谷揚、志尊淳、柴咲コウ、柴田有磨、山田佳奈、山田孝之
司会:伊藤さとり

映画情報どっとこむ ralph

第1部舞台挨拶

感染対策の都合上、前半と後半に分けての実施となった今回の舞台挨拶。第1部は、Azumi、志尊、柴田、山田の4監督が登壇しました。

ヨーロッパ企画の永野宗典、藤谷理子共演の「適度なふたり」を監督した柴田は、本作の着想について「ヨーロッパ企画さんとは10年以上お付き合いさせていただいていて、永野宗典さん、藤谷理子さんにはぜひ出ていただきたいと思っていました。(暑がりと寒がりの夫婦の話を描くにあたって)撮影が冬だったんですが、永野さんが汗をかかなきゃいけないシーンでご苦労をかけてしまった」と苦労話を披露。

ニューヨークを舞台にした「Denture Adventure」を監督したAzumiは、「コロナ禍でロケ場所を提供してくれる先が見つからず、自分の家を改造して撮影場所にした。パンデミックで旅行に行けない中、ニューヨークの雰囲気が伝わると嬉しい」と挨拶。金歯をモチーフにしたストーリーについては「私の祖父が亡くなった時に、あったはずの金歯が火葬場で見当たらなかったんです。“あの金歯はどこにいったんだろう?”という疑問から今回の物語が生まれました」と明かします。

「愛を、撒き散らせ」を監督した志尊は、本作で監督に初挑戦。「一度は撮ってみたいという思いがありながら、それが具体的に進むことはなかったんですけど、今回企画をいただいて、何を描きたいかと明確なものがあるわけではなかったんですけど、自分がやりたいことをやろうと思ってやってみました」と挨拶。さらに「僕ら俳優はいつも脚本をいただくところから仕事が始まる。今回監督業に初挑戦し、ゼロから作品を作ることの大変さを感じましたし、作品作りとは、こんなにもいろいろな人の力が合わさってできているのだと気づかれました」と話し、意識したことについては「先入観や偏った意見を投影したくはなかった。フラットに観て欲しいと思い、作為的なものをなるべくなくすようにしました」と語り、主演の板谷由夏については「僕は板谷さんのことが、女優さんとしても人間としても大好き。演出はほとんどしていません。板谷さんが演じてくださるありのままを切り取れればと思いました」と絶大な信頼を寄せます。そして気になる今後の監督業については「今回、15分間の作品に1年以上かけました。いま簡単に『やりたいです!』とは言えないですが、興味はありますし、機会があるなら俳優をやりながらではなく、監督としての時間で向き合いたいと思います」と意欲をのぞかせました。

「煌々 go n a picnic」を監督した山田は、「MIRRORLIAR FILMSのテーマが“変化。お話の内容もしかりですが、2019年に映画『タイトル、拒絶』で長編デビューした自分自身の”監督としての変化”ということも考えながら挑戦しました」とコメント。「うちの組は2日間の撮影で、夜のシーンがなかったので日のあるうちに撮り切らなければいけない。予算と時間との戦いでした」と述懐し、主演の片岡礼子については「馬力のある方。ある時は『セリフがうまく馴染まないからちょっと走ってくる!』と言っていて。体育会系ですね」と意外な一面を明かしました。

映画情報どっとこむ ralph

第2部舞台挨拶

続けて第2部は柴咲、駒谷、そして山田プロデューサーが登壇。

「巫.KANNAGI」を監督した柴咲は、志尊と同じく監督に初挑戦。司会から“監督”と呼ばれると満面の笑顔に。「成人式を2回行うこの歳で初体験できたのはめちゃくちゃ嬉しい。20年以上お芝居をしてきて、いろいろな監督の手腕や撮り方を見ていたのに、『あれ、なんで今まで監督に挑戦していなかったんだっけ?』と思いました」。ストーリーの着想については「自分が世の中を生きる中で感じる疑問や矛盾……私の人生においては関係ないことかもしれないけど、同じ時を生きて、いろいろな壁にぶち当たっている人っているよなぁと感じています。自分以外の人に思いを馳せることって、一生懸命生きれば生きるほど難しい。でもそんな疑問や矛盾を他人事で済ますのではなく、きちんと1本の作品にしようと思いました。どう解釈されるのか楽しみです」とコメント。初めての撮影現場についても「予算など色々な制約があるのは大変だけど、工夫してやるのが楽しいし、それって人生と同じだなと思いました。スタッフとの出会いなど一つの縁を繋いでいくこと、自分の頭の中の景色やアイデアを言語化していくことの難しさも知りました」と振り返りました。

家族で作ったゾンビエンターテインメント「King & Queen」を監督した駒谷は、「2020年の自粛期間中で、たやすく外にロケに出られる状況ではなかったので、家の中で撮ろうと。会話劇だけだとつまらないので、“ゾンビ一択”だなと思いました。(今回の公開が決まり)家族はずっとウキウキしていますね」と挨拶。続けて「MIRRORLIAR FILMSのコンセプトは“誰でも映画を撮れる時代”ですが、周りにいる人をつかまえて、スマホで撮る映画ももっとあっていい。僕の作品はそんな時代のサンプル的な作品として楽しんでもらえたら」と抱負を述べます。これに対し、応募総数419作品の中から本作を選定した山田曰く「審査員全員が監督のお母さまのお芝居を見て『完全に助演女優賞だよね!』と盛り上がって(笑)。大阪のイベントでご一緒した佐藤浩市さんも『一般人なの?』と驚いていた」のだそう。

紀里谷和明監督作『The Little Star』に主演した山田は、「紀里谷さんはアクションマストなので、いやだなと思ってたんですが……大変だったけど、楽しかったですよ」と撮影を述懐。そしてプロデューサーとしての総括を求められると、「みなさん、『監督をやってよかった!』と言ってくださるのが嬉しい。監督って、明確なものじゃないのに『ここに恐らくあるから、皆さん、付いてきてください。大丈夫ですよ』と言わなきゃいけない。そんなことをあまり言えないんですよ、私は。『合っています』とか『ちょっとこっちかもしれない』とか言って、プロデューサーとしてみんなを支える方がまだ向いていると思うんです」と吐露。

そして、早くもSeason3の公開が5月に決定。山田プロデューサーは「9作品の監督は今後発表していきますので、忘れずに注目してもらえたら。映像は、言葉では伝えられないことを“表現”として伝えることができる。僕たちは作って終わりじゃない。誰かが観てくれること、受け取ってくれることで、我々表現者たちがその作品を生み出したことに意味が生まれる。これからも応援してください」と締め括りました。

映画情報どっとこむ ralph

『MIRRORLIAR FILMS Season2』

MIRRORLIAR FILMS Season2
伊藤主税(and pictures)、阿部進之介、山田孝之らが「だれでも映画を撮れる時代」に、自由で新しい映画製作の実現を目指して、年齢や性別、職業、若手とベテラン、メジャーとインディーズの垣根を越え、切磋琢磨しながら映画を作り上げる短編映画制作プロジェクト「MIRRORLIAR FILMS(ミラーライアーフィルムズ)」。 “変化”をテーマに、俳優、映画監督、漫画家、ミュージシャンなど総勢36名が監督した短編映画をオムニバス形式で4シーズンに分けて公開。Season1は、北京国際映画祭でのワールドプレミア、金沢でのジャパンプレミアを経て2021年9月17日より劇場公開。

9日間連続で日替わりゲストによる舞台挨拶を実施するなど1年間にわたるプロジェクトが華々しくスタートしました。 2022年公開のSeason2は、初監督組を含め9人の監督が参加。本プロジェクトの発起人の一人でもあり、『デイアンドナイト』では主演を務めた他、企画にも携わるなど俳優だけに留まらない活躍をみせる阿部進之介 、『ラスト・ナイツ』(15)でハリウッド進出を果たした他、天童荒太の小説「悼む人」のハリウッドでの実写版映画の撮影を控えている映画監督・紀里谷和明、大河ドラマ「青天を衝け」に出演するなど若手実力派俳優として活躍が目覚ましい志尊 淳 、俳優のみならず、昨今はレトロワグラース代表としての顔も持ち活動の場を広げている柴咲コウ、 『幼な子われらに生まれ』(17)で第 41 回モントリオール世界映画祭で審査員特別大賞など多数受賞した映画監督・三島有紀子、2010年より劇団「□字ック」主宰、脚本家として「全裸監督」、映画監督として『タイトル、拒絶』(20)でデビューした山田佳奈。参加者の内、阿部進之介、志尊 淳、柴咲コウは監督初挑戦となります。さらに“選定クリエイター枠”として、419作品の応募の中から選ばれたAzumi Hasegawa、柴田有麿、駒谷揚の3名も参戦。

15分以内という限られた時間の中で、現代社会の問題を提起する作品、人と人とのつながりの尊さを描いた作品、自身の思い出の場所を記録した作品、初期衝動を爆発させた作品など、監督それぞれのメッセージが色濃く刻まれた個性豊かな9作品が集まりました。

***********************************
関連記事:




良かったらランキングUPにご協力ください。
  にほんブログ村 映画ブログ 映画情報へ    にほんブログ村 アニメブログ アニメ情報へ