想像を絶する3日間― 2005年アフガニスタンでの実話、胸に刻まれたレッド・ウィング作戦の顛末を映画化 映画『ローン・サバイバー』 |
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本作は、全米で大ベストセラーとなった実話の小説「アフガン、たった一人の生還」を原作に、『キングダム/見えざる敵』『バトルシップ』のピーター・バーグが監督を務め、観る者を緊張の最前線へと送り込むリアルなアクション・エンターテインメント。
そして、この度、映画の原作者であり、本作で描かれる“レッド・ウィング作戦”で唯一の生還者であるマーカス・ラトレルさんが緊急来日し、トークショーイベントを行いました。 ナビゲーターとして別所哲也さんをお迎えし、マーカスさんに事件当時の様子、今思うことを赤裸々に語りました。 別所哲也×マーカス・ラトレル トークショーイベント【日時】2月27日(木) |
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別所さん:こんばんは、別所哲也です。今日はナビゲーターを務めさせて頂きます。
みなさん、『ローン・サバイバー』をご覧頂きありがとうございました。 元ネイビーシールズ(アメリカ海軍の特殊部隊)で原作者、マーカス・ラトレルさんです。 ようこそ、マーカスさん、今日はよろしくお願いします。 まずは会場のみなさんへ一言お願いします。 マーカスさん:本日は、ご来場いただきありがとうございます。 別所さん:素晴らしい作品でしたが、マーカスさんには、つらい体験でした。 マーカスさん:原作本を出版した時、ハリウッドから映画化のオファーをたくさんもらいました。この話は自分が体験したことなので、(製作には)関わりたいと思いました。またこの映画は、戦争を正当化したり、軍への勧誘メッセージが込められているわけでは全くありません。 本作は、同胞愛・兄弟愛(Brotherhood)、ネイビーシールズのメンバーたちとの絆を描いています。 |
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別所さん:やり直しはききませんが、あのアフガニスタンの山の中で出会ったヤギ飼いたちを解放した、ものすごい「決断」でした。あの決断について、今は何か思う所はありますか?
マーカスさん:自分は現実主義者で、あの瞬間に戻れないことは分かっています。軍では決断しないことが一番良くないこととされています。何も決断せずに待っていてはいけないんです。 僕たちは、短時間で迫りくる脅威に対してどんなシナリオがあるかを話し合って、あの決断に至りました。僕たちは、その決断が良かったとしても悪かったとしても、一度決めた決断は全うします。 もともと自分が、子供を殺すことを良いとは思っていません。そしてあの時、老人もいました。様々な条件、状況を考えた時、僕たちの中で民間人を殺す選択ではなく、200人のタリバンを相手にすることを選びました。 |
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別所さん:今、マーカスさんは、ご遺族の方とお話をされたり、財団を作ったりされていると伺いました。彼らを誇りに思う気持ちを持ち続けていきたい、またその気持ちを色々な人たちと分かち合いたいという事でしょうか?また具体的に財団はどんな活動をしているのでしょうか?
マーカスさん:退役軍人の方たちは、病院で回復しても精神的に追い詰められてしまうことが非常に多いです。 自分の体験談を話したり、またテキサスにある自分の農場を開放して、患者の家族も含め数日間、滞在してもらいます。そこで過ごすことで、普段、病院では味わえない体験がたくさんできますし、物の見方も変わっていき、だんだんと(精神的な部分が)回復できる方が多いです。 いわゆるPTSD(外傷後ストレス障害)や性的な攻撃を受けた人が主となっていますが、実際にいるスタッフたちとコミュニケーションをとったり、いろいろな体験をすることによって多くの人たちが回復していきました。ある患者は、病院で何度も自殺をしようとしていましたが、 このプログラムを受けた後、全く自殺をしようとしなったそうです。 別所さん:ありがとうございます。 |
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別所さん:さてせっかくですから、今日は会場にいらした皆さんからもマーカスさんにこれだけは聞いておきたい!という質問があれば頂きましょうか?
質問1 マーカスさん:村人たちとはまだ交流をしていて、中でも特に2人と親交があって アメリカで本作が公開された時、グーラーブさんを招いて数ヶ月間一緒に過ごしました。 別所さん:素敵な質問をありがとうございます。 質問2: マーカスさん:いいえ、していません。 逆に言うと彼らは軍人として誇りある死を遂げました。誇りある死とは、銃を持ち、ブーツを履いて仲間と一緒に戦い死ぬことなんです。 僕はあの決断をしたことで、後悔にさいなまれたり、不眠になったりはしていません。例えば、将来同じ状況に立たされた時、同じ決断をするかと言われたら毎回、少しずつ状況が変わるのでわかりません。黒白はっきり分けられない、グレーゾーンで戦うのが戦争なんだと思います。 |
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別所さん:辛い質問だと思うのですが、誠実に答えていただきありがとうございます。それでは時間も迫ってきましたので最後にマーカスさんから、 皆さんへのメッセージをいただきましょう。 マーカスさん:今日は映画をご覧いただき、ありがとうございました!この映画は宗教的なことであったり、軍への勧誘といった意図はありません。 戦場で若い男性が命を落とすという物語をストレートに描いています。ご覧になった方々はそれぞれ感じ方、響くところが違うと思います。 先程も言いましたが、僕は昔から本当に日本に来たかったので初来日ができて嬉しいです。温かく迎えてくださってありがとうございました。短い滞在で明日帰らなくてはいけないのですが、楽しい時間を過ごすことができました。渡航時間がもっと短かったら頻繁に来られるのにとても残念です。 アリガトウ(日本語) 別所さん:ありがとうございました。皆さんも今日はありがとうございました。 それでは、マーカスさん、ありがとうございました! |
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戦争を知らない世代に向けて、マーカスさんは辛い体験にも関わらず事件について誠実に語りました。 ナビゲーターの別所さんはじめ、会場のお客さんは、マイケル・サンデル教授も取り上げた”決断”にまつわるエピソードとしても知られる彼の壮絶な体験談に耳を傾けていました。 『ローン・サバイバー』(原題:LONE SURVIVOR) |
『ローン・サバイバー』(原題:LONE SURVIVOR)
【作品情報】
想像を絶する3日間―――2005年6月レッド・ウィング作戦始動
作戦に参加した4人のシールズは、アフガンの山岳地帯での偵察任務中、
ある「決断」により200人超のタリバン兵の攻撃にさらされる。
それは世界一の戦闘能力を誇る隊員にとり死を覚悟する絶望的な状況だった。
しかし、あるひとりの兵士がその極限状況を生き延び、奇跡の生還を果たす。
いったい彼は、どうやって4人対200人超の過酷な戦場をサバイバルすることができたのか?
決断と覚悟の連続、そして真実。
攻撃を浴び、崖から転がり落ちる4人。全身傷だらけになりながら絶対にあきらめない戦いの中、
一秒ごとに命がけの決断を下すことを仕事に選んだ男たちの覚悟の瞬間の数々。
アフガニスタンの民間人を殺すか解放するか?通信のために山頂をめざすか、隠れ場所を探すか?
救いの手を差し伸べてくる相手を信じるか拒むか?すさまじい緊張感の中で男たちは瞬時に決断し、
自分と仲間を信じて行動する。
そして「仲間を生きて帰すこと」こそが戦いの目的であると訴えかけてくる本作は、
戦場のリアルな恐怖と、命を託しあった者同士の絆の美しさを同時に感じさせる。
そしてラストでは、主人公を生き残らせた「驚愕の真実」が明かされる。
これが実話だと知らされなければ信じられないそのエピソードには、
誰もが深い感慨を覚えずにいられないだろう。
監督・脚本・製作:ピーター・バーグ 『キングダム/見えざる敵』『ハンコック』『バトルシップ』
原作:「アフガン、たった一人の生還」マーカス・ラトレル&パトリック・ロビンソン著(亜紀書房刊)
出演:マーク・ウォールバーグ『テッド』『ディパーテッド』、
テイラー・キッチュ『バトルシップ』『ジョン・カーター』、
エミール・ハーシュ『イントゥ・ザ・ワイルド』、ベン・フォスター『メッセンジャー』、
エリック・バナ『ミュンヘン』
配給:ポニーキャニオン/東宝東和
(c)2013 Universal Pictures PG12
※TOHOシネマズ 日本橋は、2014年3月20日(木)に日本橋初となる9スクリーン、約1800席のシネマコンプレックスとして「COREDO室町2」内にグランドオープン予定。
※特別先行公開としてTOHOシネマズ 日本橋のみ、3月20日(木)公開。