この度、3月13日(金)東劇(東京)他全国順次公開『シラノ・ド・ベルジュラック」より、2月25日(火)J-WAVE J-me SPECIAL PREVIEW「シラノ・ド・ベルジュラック」を行いました。
今回のイベントは試写会付きトークショー。 |
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場内は、本編やトークショーを心待ちにする期待を感じる雰囲気が漂いつつ、MCのサッシャの呼び込みで中井智彦の入場で、盛大な拍手が沸き起こった。 二人は初対面とのことですが、事前の打ち合わせでは、このまま本番のトークショーが始まらないのではないかと思うほど、すっかり意気投合されたとの、登場からなごやかな雰囲気のなかトークショーが始まりました。
MCのサッシャから、作品の感想を問われると、中井は「最終的に涙で前が見えなくなった。眼鏡をはずして、吹いて、を何度も繰り返しても、涙が止まらなかった。そして、ケヴィン・クラインの舞台をとても観たかった憧れの俳優で、名演に心を打たれた 」と答えた。MCからこの作品は2007年のものであるが、どう思うかと聞かれたところ、「僕は実は昨日ロンドンから帰ってきたばかりだが、その時のキャスティングでなければ、成立しない舞台というのがある。 デヴィッド・ルヴォー演出で、ケヴィン・クライン、ジェニファー・ガーナー、ダニエル・サンジャタという2007年のこの時でしか成立しない、舞台。この舞台の映像化が映画で今、観られる、最高のものが観られる。」と本作を絶賛。 |
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その後、MCのサッシャから中井へ数々の質問が。
「ケヴィン・クラインの演技について」 中井「僕はオペラ座の怪人で500回以上、ラウルという役を演じていた。どれ一つとして、同じものはない。脚本の中に生き方が載っていると思っています。ケヴィン・クラインはシラノという役を抱きしめている。」MCのサッシャから「言葉の海に、放り込まれたみたいに寄せてくる波が次から次へとやってくるようだ」と話すと、中井は「ストレートプレイだから、言葉の波に溺れる幸福感を感じます。コンプレックスのある人間は少なくないが、そのコンプレックスを知的な言葉で埋め尽くす。これもキャスティングの妙で、イケメンなら美しい言葉はいらないが、この物語は、コンプレックスあっての美しい言葉が生きる。」またジェニファー・ガーナーが演じたロクサーヌやクリスチャンを演じたダニエル・サンジャタの演技にも注目。ロクサーヌは美しさを兼ね備えて理想を追い求める女性を、クリスチャンは、イケメンであって、いかに頭が足りないように演じることで、さらにシラノを魅力的に魅せていると舞台人の中井ならではの発言も飛び出した。シラノについては「美しい女性ロクサーヌは、理想を求め続け、それにシラノはさらに美しい言葉で毎日をうめつくしてくれる、なんて素敵だと、」うっとりした表情を見せる場面もあった。 「松竹ブロードウェイシネマシリーズで好きな作品は?」 「『レ・ミゼラブル』や『オペラ座の怪人』」といった数々の歴史ある舞台に立つというのは、どんな心境なんでしょう?」 中井は「劇団四季時代に浅利慶太氏から言われたのは、その役を最大限に吸収して、その後、全部捨てろ、と。演じるのでなくてその人になる、役を生きる。 」と答えた。MCのサッシャから「その役として演じるから同じセリフが何回もやる舞台で繰り返されるのではなく、怒りや喜びは、毎回違ってくるのですか?」との質問に中井は「そこが、舞台の面白さ」だと力強く語り、その舞台の面白さをこの2007年のシラノ・ド・ベルジュラックの舞台が推してくれているとも話していた。 最後に中井から「役者の観たいクローズアップの表情も観られるし、舞台は全体を見ることができるのが楽しみのひとつだが、自分の観たいところでカット割りをしてくれて自然に引き込まれる。そしてストレートプレイで 音楽が あまりないが、演技を際立たせる手法として効果的に使われている点にも注目してほしい。 (『シラノ・ド・ベルジュラック』のように、)こんなに芝居の面白さを感じることのできる映画はない。2007年の、この時でしか実現しえなかった舞台を存分に感じていただければと思います。 」と来場の皆さんにメッセージを送った。 イベントは終始和やかに進み、温かい拍手に包まれたまま幕を閉じました。 |
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「シラノ・ド・ベルジュラック」
3月13日(金)より 東劇他全国順次公開
STORY |
配給:松竹
演出:デヴィッド・ルヴォー
原作:エドモン・ロスタン
翻訳・脚色:アントニー・バージェス
出演:ケヴィン・クライン ジェニファー・ガーナー ダニエル・サンジャタ
〈米国/2007/ビスタサイズ/141分/5.1ch〉
日本語字幕スーパー版
©Carol Rosseg