映画情報どっとこむ ralph ストップモーションアニメの最高峰<スタジオライカ>が、日本を舞台に描くストップモーションアニメ『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』。

アカデミー賞やゴールデン・グローブ賞、〝アニメ映画界のアカデミー賞″と称されるアニー賞にノミネートされた他、数々の映画賞を総なめにした本作が、11月18日(土)の全国公開となりますが・・・、第30回東京国際映画祭で特別招待作品として上映されました。

この度、スタジオライカよりCFOのブラッド・ヴァルド氏、アニメーション・スーパーバイザーのブラッド・シフ氏、そして本作のプロダクションコンサルタントとして日本文化指導も務めた後藤太郎氏が、実際に撮影で使用した人形と共に上映後に舞台に登場しての舞台挨拶とQ&Aが行われました。

日程:10月29日(日) 
会場:TOHOシネマズ六本木
登壇:
ブラッド・シフ(スタジオライカ、アニメーション・スーパーバイザー)
ブラッド・ヴァルド(スタジオ・ライカ CFO)
後藤太郎(プロダクション・コンサルタント)
SPゲスト:KUBO

映画情報どっとこむ ralph 日本を舞台にした本作がついに東京の地で初お披露目!ということで、

シフさん:この場にいれて光栄です。クボの母国である日本で公開を迎えることができ、夢のようです。

といった喜びを噛み締めるコメントからスタートした舞台挨拶。早速、職人技ともいえる技術で誰もが心底驚かされる映像を創り出すライカのストップモーションアニメの制作スタイルについて聞かれると、

バルドさん:我々がストップモーションで映画を作り続けるのは“情熱”があるから、という一言でしか語れません。昔ながらの技術と新しい技術を組み合わせて作品を作り上げていて、本物の物体(パペットなど)に本物の光があたって表現される映像に勝る技術はないと思っています。

とあえて、CGアニメーションが全盛の時代の今、このスタイルを貫くことについての想いを吐露しました。

また、アニメーション・スーパーバイザーとして、約30人もいるアニメーターを束ね、監督とともにアニメシーン制作に携わってきたシフさんは、本作を制作する上で

シフさん:各チーム、膨大なリサーチを重ねて本作の制作に臨みました。特に衣装や美術はその中でもかなりの時間をリサーチに費やしています。トラヴィス・ナイト監督は黒澤明監督に影響を受けていますし、自分自身、アクションシーンやパペットを動かす時の物腰など、彼の作品を研究して制作しています。

と制作秘話を明かしてくれました。

映画情報どっとこむ ralph アドバイザーとして制作に携わった後藤太郎さんに、なぜここまで日本文化を表現することができたのか、その秘密を尋ねると

後藤さん:あくまでもファンタジー作品として、違和感のない世界観を作り上げるため、どうしたら失礼のない表現で忠実に日本文化を描くことができるのか、という部分を意識していました。実際に、衣装チームは日本にきて、生地を自分たちの目で確かめていたりしていて。その際に、イッセイミヤケのプリーツの技術を取り入れたりしたようです。

とライカスタッフ一人ひとりの職人魂が伺える驚きの事実を明かしてくれました。

さらに!

今回は主演俳優とも言える“クボ”人形も舞台挨拶に登場!
劇中で使用したパペットとのことで、ライカの職人達が魂を込めて制作した渾身のパペットの一つでもあり、初来日を果たした主演俳優クボさん。


シフさん:1秒間に24コマあるから、24回顔やポーズを変えて少しずつ撮影していったんだ。このパペットは鉄やシリコン、ワイヤーやプラスチックなど様々部品を組み合わせて作っているんだよ。

とパペットについて解説。さらに、

シフさん:ワイヤーが入っているからポーズも動かせるし、顔の表情なんかたくさんある顔のパーツをはめ変えて多くの表情を表現しているんだ。

といって実際に舞台上で実演までしてくれる大サービス!

着物の縫い目や髪の毛といった細かい部分まで作り込まれたかなり繊細なパペットを使っての実演ということで、会場に集まった観客から驚嘆の声が上がるなど会場は大盛り上がり。想像を絶する膨大な時間と労力を本作の制作に費やしてきたという驚愕の制作秘話を明かしてくれました。

映画情報どっとこむ ralph 観客からのQ&Aに

Q:なぜ三味線だったのか?

A:弦が3本あることが大事なんだ。映画を見てくれればわかると思うよ。

Q:折り紙のアイディアはどこから?」といった質問が飛び交い、その都度、
A:コンセプトを聞いた時から折り紙というアイディアはあったんだけど、まだ未熟だったクボが冒険を重ねることでその力をコントロールしていくという様子も映画の中で描くようにしたんだ。

と答えるなど、多くの質問を投げかけられながら丁寧に回答する登壇者たち。

そんな中、まさかの久保さんを名乗る観客から絶賛のコメントが!続けて「サトウやヤマダという数の多い名前ではなく、なぜクボだったのか?」という主人公の名前の由来を聞かれると、

シフさん:実は、この作品のコンセプトは『コララインとボタンの魔女』のキャラクターデザイナーからあがってきたんだ。こんなアイディアがある、という話を聞いた時、彼の友人のニックネームが“クボ”だったから、そこから名前をつけたんだよ。

と気になる名前の元を明かしました。

主人公“クボ”の驚きの名前の由来を久保さんに聞かれる、という珍事件まで。あっという間に舞台挨拶終了の時間となってしまい、最後のフォトセッションのタイミングには、クボ人形を使ってお茶目な仕草をするなど、ユニークな一面も見せてくれました。

映画情報どっとこむ ralph 原題:Kubo and the two strings
公開は11月18日(土)ロードショーです。

三味線の音色で折り紙に命を与え、意のままに操るという不思議な力を持つ少年・クボ。幼い頃、闇の魔力を持つ祖父に狙われ、助けようとした父親は命を落とした。その時片目を奪われたクボは、最果ての地まで逃れ母と暮らしていたが、更なる闇の刺客によって母さえも失くしてしまう。
追手である闇の魔力から逃れながら、父母の仇を討つ準備を進めるクボは、道中出会った面倒見の良いサルと、ノリは軽いが弓の名手のクワガタという仲間を得る。やがて、自身が執拗に狙われる理由が、最愛の母がかつて犯した悲しい罪にあることを知る―。

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監督:トラヴィス・ナイト
声の出演:アート・パーキンソン(クボ)、シャーリーズ・セロンマシュー・マコノヒー(クワガタ)、ルーニー・マーラ(闇の姉妹)、レイフ・ファインズ(月の帝)
矢島晶子(クボ)、田中敦子(サル)、ピエール瀧さん(クワガタ)、川栄李奈(闇の姉妹)、羽佐間道夫(月の帝)
原題:Kubo and the two strings/2016/アメリカ/カラー/シネスコ/5.1chデジタル/字幕翻訳:石田泰子

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