授賞式
12月6日(金) 受賞作品一覧 ■長編コンペティション部門グランプリ:『OKAは手ぶらでやってくる』 監督=牧田敬祐 準グランプリ:『わたしを演じる私たち』 監督=飯田基晴 観客賞:『北鵜島』 監督=ジョン・ウィリアムズ、岩崎祐 ■短編コンペティション部門 グランプリ:『あなたが私のパパですか?』 監督=太田あきの 準グランプリ:『23通のありふれたラブレター』 監督=仲村淳 観客賞:『浮草』 監督=モハネド・ガネム ■人類学・民俗映像部門グランプリ(宮本馨太郎賞):『ターニャの夏と冬』 監督=アレクサンドル・アヴィロフ 準グランプリ:『シカ・スバール』 監督=ディオゴ・ペソア・デ・アンドラーデ 奨励賞:『音、鳴りやまぬ。』 監督=長岡参 観客賞: 『グナワとの遭遇』 監督=栗村実 |
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■長編コンペティション部門
準グランプリの『わたしを演じる私たち』について、小林は「精神疾患と言われている人たちが何十人も出るんだけれど、私自身の苦しみや不安とリンクするところがあった」と普遍性を挙げ、安岡は「演劇という一つのタイムテーブルの中で、幾つもの難問が彼らを襲うけれど、乗り越えるごとに少しずつ表情が変化して行くのがドキュメンタリーならでは」と評した。 観客賞の『北鵜島』については、安岡は、「本作の季節感と画の美しさはこの土地ならではの個性を捉えていたし、そこに暮らす人々がとてもしなやかでおおらか。厳しい自然の中にあるにもかかわらず、たくましさみたいなものを感じた。監督がウェールズご出身で、ナレーションがポエティックで、英語の詩を詠っているかのよう」と評した。 |
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■短編コンペティション部門グランプリの『あなたが私のパパですか?』の授賞理由について、審査員の竹藤佳世は、「“お父さん探し”はある意味定番だけれど、『ああよかった、パパ〜』ではなく、一生に一回しかない感動の瞬間に『絶対カメラを離さない』『絶対切り取ってみせる』という根性を感じた」と評価。 準グランプリの『23通のありふれたラブレター』について、審査員の松崎まことは、「戦争のシーンがあるわけじゃないのだけれど、写真の構成、手紙の朗読、遺族の証言だけで、『日常が壊れて行くというのはこういうこと』という反戦のちゃんとしたドキュメンタリーができるんだ、プロの技量だと感じた。」と授賞理由を説明した。 観客賞は『浮草』が受賞。モハネド・ガネム監督は、「日本で撮った作品なので、日本で賞が獲れて嬉しいです」と日本語で語った。 ■人類学・民俗映像部門人類学・民俗映像部門の審査員の北村皆雄は、一緒に審査をした髙柳俊男がまとめた授賞理由を代読した。 グランプリ(宮本馨太郎賞)を受賞した『ターニャの夏と冬』(監督=アレクサンドル・アヴィロフ)は、「人間にとって生きるとは、家族の絆とは、近代文明とは何かを改めて考えさせる作品」と評された。 審査員の二人は、「海外・日本含めて238本応募がありましたが、その内日本の作品は20本位で、『日本の作家たち頑張れ』という激励の意味を込めて奨励賞というものを今回特別にお願いして作ってもらいました」と奨励賞について説明し、奨励賞を受賞した『音、鳴りやまぬ。』について、「コロナ禍で演じることができない辛さや内面の葛藤、継承の営みなどを丹念に追っていて、見応えがありました」と授賞理由を語った。 観客賞を受賞した『グナワとの遭遇』の栗村実監督は、「大画面で上映していただく機会があっただけでも嬉しかったんですが、観客賞までいただいて、楽しんでいただけてよかったです」と喜びを隠しきれない様子だった。 |
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東京ドキュメンタリー映画祭2024
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