俳人・金子兜太(享年:98歳)を追った『天地悠々 兜太・俳句の一本道』が上映される、特集上映“勇気をくれる伝説の人間記録”の本日初日に、金子兜太氏との共著“金子兜太 いとうせいこうが選んだ「平和の俳句」”や“他流試合――俳句入門真剣勝負!”がある作家/クリエーターのいとうせいこう氏と本作監督の河邑厚徳の上映後トークイベントを開催しました。 トークイベント 日付:9月10日(火) 会場:東京都写真美術館ホール 登壇:いとうせいこう、河邑厚徳監督
監督は、本作のテーマについて、「兜太さんが最後の最後までテーマにしてきた平和を中心に据えたいと思っていた。」と説明。 いとうは、「講談社から文庫本を出した時に、金子兜太がすごい地点にいつの間にか到着していて、『すべての日本語は詩の言葉である』と言い出したんです。それについての評論が本当は俳句の世界から出なくてはならない。この映画が唯一、映しとめていると思いました」と本作を絶賛した。 いとうから、「この映画の中の兜太さんの言葉を広めたい方がまた観に来るとか友達に勧めることはすごく大事なことで、それは俳句を詠むことと同等の価値を持つようなことだと思うんです。詠む人がいないと俳句は成り立たなく、誰もいない砂漠に俳句が置いてあってもしかたがないので、その役を皆さんに担っていただければと思います。」と熱いメッセージが送られた。 「私は、常に時代を見据えて、時代が間違わないようなメッセージだとか発言をしてくださる本物の方達をいつも探してお話を聞いたり、番組を作ってきた」 「戦争体験がベースで戦後を生きてきたということがあるんですが、そういう方が次々といなくなってきた中で、改めて記録というものの重要さを実感します。映画は、機会があるごとに上映され、記録した人たちが亡くなっても、その魂は映像の中で生き続けていくという力がある」 などとコメントが出ました。
公式サイト: https://tota-tenchiyuyu.com/ あらすじ・・・ 世界で最も短い詩「俳句」に人生を懸けた金子兜太。 “詩というものの本当”を目指し、有季定型の伝統にとらわれず、人間と社会の自由な表現に挑んできた俳人・金子兜太。海軍としてトラック諸島で太平洋戦争を体験し、「この人たちに尽くせることをやりたい」と26歳で帰国。以降、びくともしない平和を基礎として、戦後俳句の第一人者として活躍。 春落日しかし日暮れを急がないと「もっと腰を落ち着けて生きていけばいい」と詠んでいた、2012年から2018年に最期を迎える直前まで足かけ7年間のインタビューを織り交ぜ、生涯を追う。
北村匠海 脚本・監督 俳優でありアーティストとしても活動しマルチな才能を発揮する北村匠海が、初めて短編映画の脚本・監督を務めた映画『世界征服やめた』が、2025年2月よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開となります