映画情報どっとこむ ralph

第77回カンヌ国際映画祭で

映画『化け猫あんずちゃん』が2024年7月19日(金)より全国公開となります。

現在フランスで開幕されている第77回カンヌ国際映画祭「監督週間」にて映画『化け猫あんずちゃん』が本日5月21日(火)にワールドプレミアを迎え、久野遥子監督、山下敦弘監督が登壇いたしました。

この日は2回の上映があり、1回目は8:45 ~一般上映および上映後監督のQ&A舞台挨拶、14:45~の公式上映では上映前の舞台挨拶を実施しました。
『化け猫あんずちゃん』atカンヌ

『化け猫あんずちゃん』イベント
日時:5月21日(火)
8:45~ 一般上映(フランス現地時間)上映後Q&A舞台挨拶登壇
14:45~ 公式上映(フランス現地時間)上映前舞台挨拶 (監督も客席にて上映鑑賞)
場所:クロワゼット劇場
登壇:久野遥子(33歳)、山下敦弘(47歳)
ジュリアン・ドゥ・マン(美術監督&色彩設計)

映画情報どっとこむ ralph

ワールドプレミア上映

本日は監督週間のメイン会場であるクロワゼット劇場で2回の上映が行われました。

1回目の上映会

は、約800席が満席に。世界中のプレスや映画ファンが訪れ、注目度の高さが伺える盛り上がり。あんずがバイクでやってくる登場シーンでは場内が笑いに包まれました。登壇を前に久野遥子監督は「日本でもまだお客様には観てもらってないのでどんなリアクションがあるかワクワクしています。」とコメント。山下敦弘監督は「とにかく楽しみ。どんな質問がくるか緊張もしますが難しい映画でもないので(笑)楽しんでもらえていたらいいなと思います」と感想を語りました。

上映後に大きな拍手の中監督が登壇。

俳優による実写からアニメーションを作り出す手法はとても新鮮だったようで司会者からのあんず役・キャスティングについて質問に、山下監督は「森山未來さんは俳優であり、ダンサーでもあるので、身体能力も高い。あんずは、おっさんのダラダラした面もあるが、時に猫らしい動きも表現したくて依頼しました。」とキャスティングについて明かしました。
『化け猫あんずちゃん』atカンヌ
あんずの魅力について聞かれた久野監督は、本作の創作のタイミングで自身も猫を飼い始めたといい、「猫を見ていると人間が気にしてしまうことに対しては雑だったり、それでも必要な時にそばにいてくれることがある。あんずにもそんな魅力があると思います。」と語りました。また客席からは、豊かな色彩について、原作がそもそも色彩豊かな作品なのかという質問が。それに対し久野監督は、「原作はモノクロ漫画な為、映画の色味は美術監督と色彩設計を担当されたジュリアンさんのアイディアから出た色味で、日本の風景を鮮やかに表現してくれました。」と答え、日仏合作で作られた本作ならではの表現について観客も興味深く聞き入る様子がみられました。
舞台挨拶終了後には両監督が沢山のファンに囲まれ、サインにこたえていました。

1回目の舞台挨拶を終え

久野監督は「皆さん熱心に質問してくださったり、とても嬉しかったです。カンヌですがアニメーションに興味がある方も多いのかなと思いました。次の回はお客さんと一緒に観るのでとても楽しみです!(※14:45からの上映では舞台挨拶後に観客と一緒に監督も映画を観る予定)」と感想をのべました。
また山下監督は「みんな真面目に観てくれていて嬉しかったですね。」と語り、またカンヌ初参加について「僕は昔「山田孝之のカンヌ映画祭」というドラマを作っていた身としては、本当は来ちゃいけないんじゃないかと思ったんですけど(笑)。 みんなが憧れるとか、参加した人が興奮したと言うことがよくわかる気がしました。」と、カンヌ初参加について感想を述べました。

2回目の上映

カンヌ国際映画祭「監督週間」にとっても初の試みとしてカンヌの地元の小学生180人を招待。満席で賑わう場内に呼び込まれると会場は大喝采!山下監督、久野監督どちらも「ボンジュール!」と仏語であいさつし、山下監督「呼んでもらえたことに本当に感謝しています。 僕らも一緒に見るので一緒に楽しみましょう。 」、久野監督「日本ではまだ大人の方にしか見てもらっていないので、お子さんたちのリアクションがすごく楽しみです。一緒に楽しみましょう。」と挨拶すると会場はさらに大きな歓声と拍手で応えます。
上映が始まると、あんずの登場にはまたもや場内は笑い声につつまれ、あんずの行動に、そしてカエルちゃんや貧乏神といった個性豊かなキャラクターの登場には沢山の子供達が大ウケ。大人からも時に子供とは違うポイントで笑い声が沸き起こっていました。
『化け猫あんずちゃん』atカンヌ
『化け猫あんずちゃん』atカンヌ
そしてエンドロールが始まると場内はわれんばかりの拍手喝采!4分に及ぶスタンディングオベーションが巻き起こり、監督たちはあんずのぬいぐるみと立ち上がると感激の面持ちで場内全体に手を振り返して、声援にこたえていました。

『化け猫あんずちゃん』atカンヌ

上映後の囲み取材

観客と一緒に観た感想を聞かれると、久野監督は「お客さんと観ること自体が初めてだったので、映画も初めて観るもののようで染み入りました。」、山下監督は「ちょっと緊張しました。ドキドキしながら見たんですけど、途中からは自分も客になって感動してました。よかったです。」と感想を述べました。
また「カンヌでの上映で得た、今後の活動に持ち帰るものは?」という質問に山下監督は「今年48歳なので、これを20代でくらったら人生狂うかもなという感覚ですが、今は数日したら普通の淡々とした日々に戻るだろうなと思いつつ、でもまたカンヌで上映できたらという可能性がお互いにあるので、これからの決心が変わっていくかなと思います。」と回答。久野監督は「私にとっては長編初作品だったので、本当にくらってしまったような気持ちがあります。これはある種ラッキーだと思って、もしこのラッキーが、この景色がまた見れたら嬉しいと思うので、これを糧に頑張りたい」と話し、両監督ともにこのカンヌでの出来事が今後の創作に向けても刺激となった様子。

映画を観た観客たちは・・・

「とても楽しかったです!世界に向けて心を開かせてくれる作品だと思いました。」(フランス人・20代男性)
「美しくて心温まる作品でした。カラフルな映像と人間性豊かなドラマが素晴らしく、とても大きなテーマを描いた作品だと思いました。」(ロシア人・20代男性)
「美しくて、レトロな雰囲気もある作品でした。現代のアニメとは一線を画しており、古い映画のような精神性も感じました。猫の動きなどディテールが素晴らしかったです!とても良い時間を過ごせました。ものすごく素晴らしかったです!」(オランダ人・30代女性)
「とても感動しました!子どもと一緒にみた「となりのトトロ」のような日本のアニメーションの伝統を継承して、ファンタスティックな世界を作り上げていました。」(フランス人・40代女性)
「色彩のクオリティが高く、デッサンも丁寧でとても良かった。日本のアニメの伝統的なテクニックとオリジナリティが共存していて素晴らしかったです。」(フランス人・40代男性)
と興奮冷めやらぬ様子で絶賛の声が続々と!

映画情報どっとこむ ralph

『化け猫あんずちゃん』

7月19日(金)からの日本公開をご期待ください。

公式サイト:
https://ghostcat-anzu.jp

公式X:
@ghostcat_anzu

大盛り上がりとなった『化け猫あんずちゃん』のカンヌでの公式上映。
本作は世界最大規模のアニメーション映画祭であるアヌシー国際映画祭2024のコンペティション部門にもノミネートされており6月に久野監督・山下監督が現地を訪れる予定。

物語・・・
雷の鳴る豪雨の中。お寺の和尚さんは段ボールの中で鳴いている子猫をみつける。その子猫は「あんず」と名付けられ、それは大切に育てられた。
時は流れ、おかしなことにあんずちゃんはいつしか人間の言葉を話し、人間のように暮らす「化け猫」になっていた。
移動手段は原付。お仕事は按摩のアルバイト。現在37歳。そんなあんずちゃんの元へ、親子ゲンカの末ずっと行方知れずだった和尚さんの息子・哲也が11歳の娘「かりん」を連れて帰ってくる。しかしまた和尚さんとケンカし、彼女を置いて去ってしまう。
大人の前ではいつもとっても“いい子”のかりんだが、お世話を頼まれたあんずちゃんは、猫かぶりだと知り、次第にめんどくさくなっていく。
かりんは哲也が別れ際に言った「母さんの命日に戻ってくるから」という言葉を信じて待ち続けるも、一向に帰ってこない。母親のお墓に手を合わせたいというささやかな望みさえ叶わないかりんは、あんずにお願いをする。「母さんに会わせて」
たった一つの願いから、地獄をも巻き込んだ土俵際の逃走劇が始まるんだニャ。

***********************************

監督:久野遥子・山下敦弘
原作:いましろたかし『化け猫あんずちゃん』(講談社 KCデラックス 刊)
キャスト(声・動き):森山未來 五藤希愛
青木崇高 市川実和子 鈴木慶一 水澤紳吾 吉岡睦雄 澤部 渡 宇野祥平
制作プロダクション:シンエイ動画×Miyu Productions
脚本:いまおかしんじ 音楽:鈴木慶一 編集:小島俊彦 
キャラクターデザイン:久野遥子 作画監督:石舘波子 中内友紀恵 
美術監督& 色彩設計:Julien De Man コンポジット開発:Guillaume Cassuto 
撮影監督:牧野真人 CG監督:飯塚智香 音響監督:滝野ますみ
実写制作協力:マッチポイント
撮影:池内義浩 録音:弥栄裕樹 スタイリスト:伊賀大介 
主題歌:「またたび」佐藤千亜妃(A.S.A.B)
プロデューサー:近藤慶一 Emmanuel-Alain Raynal Pierre Baussaron 根岸洋之
製作:化け猫あんずちゃん製作委員会
配給:TOHO NEXT
©️いましろたかし・講談社/化け猫あんずちゃん製作委員会
関連記事:




良かったらランキングUPにご協力ください。
  にほんブログ村 映画ブログ 映画情報へ    にほんブログ村 アニメブログ アニメ情報へ