@AnimeJapan 2024子猫の時に拾われ、10年たっても20年たっても死なず、気が付けば30年以上生き人の言葉も喋れるようになっていた化け猫あんずを主人公にした、熱狂的ファンを持ついましろたかし氏による漫画「化け猫あんずちゃん」がアニメーション映画化!久野遥子・山下敦弘がW監督を務め、俳優の森山未來が声と動きを担当する映画『化け猫あんずちゃん』が2024年7月より全国公開いたします。 |
|
久野遥子監督、 山下敦弘監督、 近藤慶一P登壇いましろたかしによるカルト的人気を誇る漫画「化け猫あんずちゃん」。本作の映画化について「10年ほど前に山下監督の『苦役列車』の助監督をしていて、事務所に『化け猫あんずちゃん』のコミックスが置いてあり、今までに読んだことのない漫画だなと思いました。翌日、なぜ事務所に置いてあったのかを山下監督に聞いたら『誰かの目に止まればいいなと思って僕が置いたんだよ』と言っていて、それ以来、映像化できたら面白いなと漠然に思っていました」と近藤プロデューサーが企画の経緯について解説。もともと原作漫画のファンだという久野監督は、「世の中の塩辛い部分を描いている一方で、弱さそのものは認めて愛おしく思っているような漫画で、そういった塩辛さと優しさが両方ある漫画は珍しいなと思いました。コミックボンボンで連載されていたので、子供向けになっている一方で、厳しい部分もしっかり描かれていて、不思議なバランスがすごく魅力的な漫画だと思っています」とその魅力を語り、山下監督は「いましろたかしさんの大ファンで『ハードコア』も実写化しています。どの漫画も好きなのですが、『化け猫あんずちゃん』に関しては子供向けに描いたというのもあるかもしれないですが、一番映像化しやすい作品だなと思い、ずっと映画化したいなと思っていました」とかねてより映像化を狙っていた思いを明かします。 ロトスコープロトスコープという、実写の映像をもとにアニメ化する手法で作られた『化け猫あんずちゃん』。あんずちゃん役に俳優・森山未來を起用した実写パートの撮影にあたって山下監督は「お芝居をアニメっぽくしようとかは考えていなかったので、通常の実写映画の撮影と基本は変わりませんでした。森山くんは俳優としても素晴らしいのですが、ダンサーとしても素晴らしく、身体能力がすごい方なので、原作にはない猫的な動きを森山くんだったら色々相談できるかなと思っていました」、久野監督は「実写を単純に絵にするだけだと、リアルになりすぎてしまい、大きな表情でもなんとなく小さく感じる表情になってしまったりします。なので、アニメにした時に役者さんの熱量を下げないように、実写と絵のテンションを同じようにすることを一番大事にしました。森山さんは身体能力がすごいので、猫みたいな動き、足で耳を掻く動きとかも実際にやってくださいました」と共に森山を大絶賛!森山の確かな演技力と身体能力がいかにあんずちゃんに活かされているのかへの期待を煽ります。 |
|
日仏合作また、日仏合作となった本作について「フランスのMIYUプロダクションから久野さんへ作品作りのオファーがあり、久野さんが『化け猫あんずちゃん』を作りたいと逆プレゼンをしてくれました。そして改めて僕が企画書をお送りして、この映画を一緒に作ろうとなりました。今回は、色彩周りや背景をフランスの方で作業してもらいました。出資だけではなく、せっかく一緒に作品を作るのならちゃんと大事な部分を担ってもらおうとなりました」と近藤プロデューサーが経緯と役割分担を、「MIYUプロダクションにはカラーボードを作っていただきました。美術監督の方が、ポスト印象派の画家・ボナールの絵がイメージにあると言っていて、絵画的なバランスや、柔らかい感じ、印象派的な光の感じがとてもあんずちゃんの世界にあっていたと思います。紫と黄色が画面のなかで大事にされているようで、それが私としてはフランスっぽい色味に感じられて、日本の風景でありながら、ヨーロッパっぽくなっています。日本には日本の美術の良さがあると思いますが、これはフランスのスタッフにしか出せない世界で、見るたびに楽しくてしょうがなかったです」とフランスらしい独特の色彩で描かれた本作の魅力を久野監督が解説します。 最後に・・・トークセッションの最後には、近藤プロデューサー「久野節、山下節が炸裂している映画ということが伝わったかなと思います。7月の公開を楽しみにしていただければと思います」、山下監督「アニメの監督をするのは初めてで、参加させてもらえてとても良かったと思っているのと、すごい作品ができちゃったなと思っています。一本の映画としての強度がすごく強い作品だと感じているので、大きいスクリーンで観ていただきたいです」、久野監督「普通にアニメを作っていると、どうしても一人の頭の中で考えただけのことに頼らないといけないことがあるのですが、今回は役者さんの息使いがあって、山下さんがそれを撮影し、それが絵になって、そういう多層的というかいろんな色が混ざっていて、本当に見たことが作品になっていると思います」とそれぞれ映画『化け猫あんずちゃん』への期待を魅力をアピールし、イベントは終了となりました。 |
|
『化け猫あんずちゃん』2024年7月 全国公開 公式サイト: 公式X: あんずちゃんの“声”だけでなく“動き”や“表情”も 森山未來が『化け猫』に! 多摩美術大学在学中に制作した短編アニメーション「Airy Me」が第17回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門新人賞を始め多数の受賞、海外映画祭での上映にて一躍注目を集め、岩井俊二監督『花とアリス殺人事件』(15)にて23歳という若さでロトスコープディレクターに抜擢。アニメーション作家として活躍する傍ら、商業アニメーションとしてTVアニメ『宝石の国』、『BEASTARS』、『映画クレヨンしんちゃんシリーズ』などでも頭角を現す。アニメーション・イラストレーター・漫画家と各方面から熱い支持をうける気鋭のクリエイター久野遥子監督。 そして、主役である「あんずちゃん」を演じるのは、『ボクたちはみんな大人になれなかった』(21)、『ほかげ』(23)『シン・仮面ライダー』(23)他、数々の話題作に出演し、俳優だけでなく多岐に渡るジャンルで国内外で唯一無二の活躍を続ける森山未來。日本の芸術分野をけん引する才能が集結し2024年満を持して『化け猫あんずちゃん』をアニメーション映画として世に放つ。 本作では実写で撮影した映像からトレースし、アニメーションにする「ロトスコープ」という手法を採用している。 また、アニメーション制作では『クレヨンしんちゃん』や『ドラえもん』で知られるスタジオである「シンエイ動画」と、カンヌ国際映画祭やアヌシー国際映画祭で数々の賞を受賞し、新進気鋭のフランスのスタジオ「MIYUプロダクション」が長編として初の日仏共同にてアニメーションを制作。シンエイ動画がキャラクターの動きを描き、MIYUプロダクションが背景美術と色彩を担う。
|
監督:久野遥子・山下敦弘
原作:いましろたかし『化け猫あんずちゃん』(講談社 KCデラックス 刊)
脚本:いまおかしんじ
キャスト(声・動き):森山未來 五藤希愛
制作:シンエイ動画×Miyu Productions
製作:化け猫あんずちゃん製作委員会
実写制作協力:マッチポイント
配給:TOHO NEXT
©️いましろたかし・講談社/化け猫あんずちゃん製作委員会