第36回東京国際映画祭 各賞受賞作品・受賞者
コンペティション部門
東京グランプリ/東京都知事賞 『雪豹』(中国)
代理 ジョン・ハオ(エグゼクティブ・プロデューサー) コメント:
非常に残念なことに私たちのペマ・ツェテン監督はここにくることができませんでした。しかしながら、今日こうやっていただいた賞は、私たちに与えてくれた賞だと思います。ペマ・ツェテン監督は、チベット語でチベットの映画を撮る、その開拓者でありました。そして小説家でもあり、この20年来監督は小説を書き続けており世界的にも受け入れられておりました。ペマ・ツェテン監督は初期から晩年にいたるまで様々なスタイルを貫いてチャレンジして撮ってきた監督です。『雪豹』はコロナの期間に準備が始められて2023年に完成したものです。チベットの高原地帯の様々な自然の生態系などをテーマに描きながら、非常に幻想的なところもあるという作風で描いた作品でした。ペマ・ツェテン監督の精神を、意思を継いでこれからも映画を作っていきたいと思います。
ジンパ(俳優)コメント:
監督はもうここにはおられませんですけれども、監督と一緒に映画を撮ってきたものとして心から感謝したいと思います。
ション・ズーチー(俳優)コメント:
この作品に出させていただいたことを嬉しく思っております。今日は感動で胸がいっぱいでございます。ペマ・ツェテン監督が私たちにこういう機会を与えてくれたんだと思います。永遠に彼に感謝したいと思います。
ツェテン・タシ(俳優)コメント:
ペマ・ツェテン先生はここにはおりませんですけれども、私たちといつも一緒にいる気がします。先生ありがとう。
審査員特別賞 『タタミ』(ジョージア/アメリカ)
(ザル・アミール ビデオメッセージ)
世界は燃えています。いたるところで無実の人々が不正により血を流し、私たちが生み出した混乱のなかで無力になっています。しかし、私たちは映画を作りました。この映画は憎しみ合うように育てられた人々の奇跡的な組み合わせにより生まれた物語です。イスラエルとイランの監督が一緒に仕事をするのはとても大変なことです。あらゆる困難を乗り越えて初めて団結し、歴史を作ることになるのです。しかし、映画が公開された時は歴史がこのように動くとは思っていませんでした。この映画にひとつの力があるとすれば、それは闇の時代に光と戯れることでしょう。日本で「柔道」という言葉は柔和な道を意味すると聞きました。それこそが私たちが進みたい道です。未来ある唯一の道です。この映画は、普遍的な問題を語っています。憎しみに向き合い敬意を示す勇気をどう持ちうるかです。
(ガイ・ナッティヴ ビデオメッセージ)
『タタミ』は日本の伝統へのオマージュであり相手を敬うことでもあります。そして、イスラエル人とイラン人の初の共同作業でもありました。私たちは政府が阻止しようとしていたことを実行したのです。兄弟姉妹になるために協力し合いました。そのことを認めてくださり映画を見てくれて、感謝しています。そして困難な状況の中で生きている私たち全員にとって、それがどれほど重要なことなのかを理解してくれたことに感謝します。この映画が暗いトンネルの中の小さな光明となることを願っています。
最優秀監督賞 岸善幸(『正欲』、日本)
岸善幸監督 コメント:
(監督作として)4作品目の作品ですけれども、名誉ある賞をいただけてこれからの映画作りの励みになります。これからも頑張っていこうと思います。この作品が映画いているのは多様性ということの意味を、すべての人が自由で偽らずに生きていける社会とは何かということを問いかけています。世界、日本もそうですけれども中々自分のアイデンティティを確立するのが難しい時代です。この作品をみて多様性の意味というのを皆さんに考えていただけたら本当に嬉しいです。これを励みにこれからもいろんな映画をいろんなテーマで作っていきたいと思います。
最優秀女優賞 ザル・アミール(『タタミ』、ジョージア/アメリカ)
ザル・アミール(監督/俳優) コメント:
(ビデオメッセージ)
大きな驚きとともに受賞を光栄に思います。日本で皆さんと一緒にお祝いしたかったです。これは私にとって特別で大きな意味をもつ受賞です。イラン人アスリートは常にスポーツと国の間に置かれて恐怖を乗り越え尊厳を失わないようにしています。その立場は私も共感できることばかりでした。この作品に登場するマリアムもそうした一人です。彼女は自由を得ながらも大きな代償を払うことになります。最高のパートナーであるアリエンヌ・マンディがいなければこのような作品にはならなかったでしょう。彼女の献身的な仕事に対する私の感謝の気持ちは計り知れません。
最優秀男優賞 ヤスナ・ミルターマスブ(『ロクサナ』、イラン)
ヤスナ・ミルターマスブ(俳優) コメント:
まず、このいただいた賞を監督のパルヴィズ・シャーバズィさんに伝えたいと思います。ムスリムだろうがクリスチャンだろうがユダヤだろうが関係ないと思います。我々の命の中で一番最低なのは、もちろん戦争ですし、子供がその中で亡くなっていくのはやはりいけないことだと思います、戦争を止めましょう。
最優秀芸術貢献賞 『ロングショット』(中国)
観客賞 『正欲』(日本)
岸善幸(監督)コメント:
この作品は、多様性の中“多様性”という言葉に弾かれてしまうようなマイノリティの中のマイノリティ、非常に些細な小さな人間たちを題材にしています。言葉だけでなく、この映画を見てたくさんの人が多様性の本当の意味を感じていただければと思っています。こんな素敵な賞をいただけて幸せです。主演の稲垣さん、新垣さん、磯村さんみなさんに伝えたいと思います。
アジアの未来 作品賞 『マリア』(イラン)
メへディ・アスガリ・アズガディ(監督)(編集:エルナズ・エバドラヒ 代読)コメント
東京映画祭、審査員の方々、この映画をセレクトしてくれた方々、本当に心よりお礼を申し上げます。この賞をいただき、私はもう一回映画でこれから人生を歩んでいけるという力を貰いました。映画に関わったすべての人にこの場を借りて感謝を申し上げたいと思っております。また、私たちのイラン映画の巨匠であるアミール・ナデリ監督にはお礼を申し上げたいと思います。私たちはいただいたこの賞をアミール・ナデリ監督に差し上げたいと思います。
Amazon Prime Video テイクワン賞『Gone with the wind』 ヤン・リーピン(楊 礼平)
Amazon Prime Video 審査委員特別賞 『ビー・プリペアード』 安村栄美
エシカル・フィルム賞 『20000種のハチ(仮題)』(スペイン)
黒澤明賞 グー・シャオガン、モーリー・スリヤ
特別功労賞 チャン・イーモウ
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