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第61回ウィーン国際映画祭SRJA受賞

第80回ヴェネチア国際映画祭にてオリゾンティ・コンペティション部門に正式出品され、日本人初となるNETPAC賞(最優秀アジア映画賞)を受賞するなど海外の映画祭で高い評価を受けている、塚本晋也監督の最新作『ほかげ』が、第61回ウィーン国際映画祭にてStandard Readers’ Jury Awardを受賞したことが現地時間10月31日に発表されました。

ウィーン国際映画祭(Vienna International Film Festival)は、オーストリア最大の都市ウィーンで開催される国際映画の祭典。ドイツ語圏では最も歴史があり、コロナ前には9.2万人を動員、世界中から選び抜かれた約300作品を取り上げてきた。今回も多くの作品が上映され、日本からは宮崎駿監督『君たちはどう生きるか』、是枝裕和監督『怪物』、濱口竜介監督『悪は存在しない』、井上雄彦監督『The First Slam Dunk』、杉田協士監督『彼方のうた』などが出品されている。

この度、『ほかげ』が受賞したStandard Readers’ Jury Awardは、オーストリアの日刊紙であるDER STANDARDの読者審査員が選出する賞。オーストリア配給が決まっておらず、オーストリア公開をお勧めする作品に贈られる。日本人監督、日本映画が受賞するのは今回が初となる。

現地時間10月31日に行われた授賞式では、塚本晋也監督からの喜びのコメント映像が上映され、大きな拍手と歓声が贈られた。

審査員たちからは「塚本晋也監督の「ほかげ」は、戦争の結果が終戦後も影響を及ぼし続ける様子を描き、感銘を与え続ける作品。視覚的な言語と生々しい語り口のスタイルは、過酷な雰囲気と主人公たちの閉塞感を見事に伝えています。『ほかげ』は、戦争が未だに終わっていないことを私たちに思い出させます」と絶賛してます。

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塚本晋也監督 コメント

世界がきな臭くなっていく中、未来の子供たちが、健康で楽しく過ごせるよう祈りを込めて作った作品です。映画は、第二次世界大戦終戦後間もない頃の物語で、闇市と言う違法の店舗の一角を主な舞台にしています。映画の中ではそういう具体的な説明はしていませんので、外国の皆さんにどれくらい理解いただけるか少し心配していましたが、俳優の演技、美術がかもす雰囲気、物語の力で祈りの気持ちが伝わったことを嬉しく思います。

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映画『ほかげ』

11月25(土)よりユーロスペースほか全国順次公開

公式サイト:
https://hokage-movie.com

公式X:
@hokage_movie

#ほかげ

『鉄男』(89)でのセンセーショナルな劇場デビュー以後、世界中に熱狂的ファンを持ち、多くのクリエイターに影響を与えてきた塚本晋也。戦場の極限状況で変貌する人間を描いた『野火』(14)、太平の世が揺らぎ始めた幕末を舞台に生と暴力の本質に迫った『斬、』(18)、本作ではその流れを汲み、戦争を民衆の目線で描き、戦争に近づく現代の世相に問う。

主演は、2023年後期のNHK連続テレビ小説『ブギウギ』のヒロインに抜擢され、今最も活躍が期待されている俳優、趣里。孤独と喪失を纏いながらも、期せずして出会った戦争孤児との関係にほのかな光を見出す様を繊細かつ大胆に演じ、戦争に翻弄されたひとりの女を見事に表現した。片腕が動かない謎の男を演じるのは、映像、舞台、ダンスとジャンルにとらわれない表現者である森山未來。飄々としながらも奥底に蠢く怒りや悲しみを、唯一無二の存在感で示している。主演の趣里が演じる、戦争で家族をなくし、焼け残った居酒屋で体を売って生きている女と交流を深めていく戦争孤児を『ラーゲリより愛を込めて』や大河ドラマ「青天を衝け」に出演している子役・塚尾桜雅。一度見たら忘れられないその瞳で物語をより深く豊かに彩る。復員した若い兵士役に、PFFグランプリ受賞作品『J005311』の監督でもある河野宏紀。そして、映画監督、俳優としても活躍する利重剛、大森立嗣が脇を固める。

あらすじ
女は、半焼けになった小さな居酒屋で1人暮らしている。体を売ることを斡旋され、戦争の絶望から抗うこともできずにその日を過ごしていた。空襲で家族をなくした子供がいる。闇市で食べ物を盗んで暮らしていたが、ある日盗みに入った居酒屋の女を目にしてそこに入り浸るようになり・・・。ほかげ

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出演:趣里/塚尾桜雅 河野宏紀/利重剛 大森立嗣/森山未來
監督/脚本/撮影/編集:塚本晋也
助監督:林啓史 音楽:石川忠 音響演出:北田雅也

製作:海獣シアター 配給:新日本映画社
2023年/日本/95分/ビスタ/5.1ch/カラー
©2023 SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER

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