トークイベント@日本橋高島屋日本橋髙島屋S.C.では本館8階催会場にて10月4日(水)~16日(月)の期間、北海道の美味などを一堂に集めた「第70回 北海道の物産と観光 大北海道展」を開催中。 そして、10月14日(土)には、アイヌ民族の壮絶な史実を基に描かれた物語、映画『カムイのうた』(2024年1月26日(金)公開)のスペシャルトークイベントが開催され、主演の吉田美月喜、共演の加藤雅也が登壇しました。 |
|
吉田美月喜、加藤雅也登壇立ち見客が多数出るほどの盛況を見せたこの日、実在のアイヌ民族・知里幸恵さんをモデルにした主人公・テル役の吉田は「アイヌ文化は調べれば調べるほど興味深い文化。この作品を通してアイヌ文化について勉強ができて良かったし、監督が情熱と覚悟を持って作品に向き合っていたので、北海道の方にもアイヌ民族の方にも納得してもらえるように演じたいと思いました」と熱演を報告した。 実在の人物・金田一京助をモデルにした兼田教授を演じた加藤も「アイヌ文化を調べる中で驚愕的な事実を知って、これはちゃんと映像として残して多くの方々に観ていただく必要があると思った」と全力で撮影に臨んだと口にしていた。 北海道では11月23日から先行公開。吉田は完成作品について「ショッキングさを感じるところが沢山あった。同時にこれは沢山の方々に知っていただかなければいけない事実だとも感じた」といい、加藤も「製作費も潤沢ではないのに、相当なことをやっています。監督は描かなければいけないところをしっかり描いている。本当にこの予算内で撮影したのか?と驚くぐらいの映像が出てくる」と迫力満点の作りに太鼓判を押していた。 中でも目を見張るのが、豪雪シーン。加藤が「冬のシーンは見ていてヤバいと思った」と吉田を労うと、吉田は「寒かったです!もうカッチカチになりながら」と苦笑い。「袴の中に防寒着、防水靴下を履いての藁の靴だったけれど、足先も耳も真っ赤。触ったら痛かった」と吉田はハードな状況を振り返るも「藁靴には雪も水も入ってこなかった。当時の方の知識に驚いた」と先人の知恵と工夫に感心していた。 ロケ地である北海道に吉田は約一か月間滞在。「近所のスーパーで買ったジャガイモが美味しすぎてストックしました」と北の大地の野菜に感動すると、加藤も「水も空気も美味しい。アイヌの方に教えてもらったお店もすべて美味しかった」と北海道ならではのグルメに痺れていた。 吉田はアイヌの伝統的な楽器、ムックリ演奏にも挑戦。撮影に入る前に自主練に励んだそうで「口の中で音を振動させて、息の吹き方や吸い方次第で音が変わる。やればやるほど自分の知らない口の動き方になって知らない音が出てくる。弁を揺らすところから難しくて、力を入れすぎると竹が割れてしまったりするので、家でひたすら飼い犬に聞かせながら練習していました」と振り返った。 テルのモデルである知里幸恵さんは、19 歳でアイヌ民族に伝わるユーカラという叙事詩を日本語に翻訳した。撮影当時19歳だった吉田は「19歳で自分の愛する文化のために命を捧げる覚悟は私にはできないこと」と知里幸恵さんの覚悟をリスペクトしながら「海道登別市にある知里幸恵 銀のしずく記念館に行き、知里幸恵さんとボーイフレンドとのやり取りを聞いたとき、初めて私と同じ19歳の部分もあるんだと安心しました」と等身大の姿に共感を寄せていた。 映画の冒頭では、知里幸恵さんが書いた実際の書籍「アイヌ神謡集」の序文と言われる部分の文章の一部がそのままナレーションとして使用されている。ナレーションで序文を吹き込んだ吉田は「監督にとっても私にとっても知里幸恵さんにとっても大切な部分なのでプレッシャーはありました。北海道の雄大な景色に自分の声が負けそうになったりして、試行錯誤で最終的にいいものができたと思います。私は今20歳ですが、あんなに魂のこもった言葉は自分では書けません」と聴きどころに上げていた。 最後に加藤は「是非とも映画館の暗闇の中で観ていただけると、僕らが伝えたかったことがクリアに伝わるはずです」とアピール。吉田も「私と同世代でアイヌ文化の現実を知らない人も沢山いると思うので、魂を込めてアイヌ文化を守ろうとした人がいて、それが今も続いているということを映画を通して知ってもらえたら嬉しいです」と期待を込めていた。 |
|
『カムイのうた』2023年11月23日(木・祝)より、北海道先行公開 公式サイト: |
出演:吉田美月喜、望月歩、島田歌穂、清水美砂、加藤雅也
監督・脚本 菅原浩志
プロデューサー:作間清子
主題歌:島田歌穂
製作:シネボイス
製作賛助:写真文化首都「写真の町」北海道東川町
配給:トリプルアップ
Ⓒシネボイス 上映時間:125分