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岡田麿里が秩父凱旋

大人も泣けるアニメとして300万人の心を動かし、大ヒットを記録した「あの日見た花の名前を僕達はまだ
知らない。」などアニメに馴染みのない人たちの心も掴む脚本家であり、監督デビュー作となった『さよならの朝に約束の花をかざろう』で国内外から高い評価を得た岡田麿里監督最新作。岡田監督の魅力を200%引き出すMAPPA初のオリジナル劇場アニメーション『アリスとテレスのまぼろし工場』が、全国公開中です!

この度、監督の岡田麿里の故郷・秩父に、岡田麿里(脚本・監督)、平松禎史(副監督)、石井百合子(キャラクターデザイン)、東地和生(美術監督)が集結!武甲山の麓にあるユナイテッド・シネマ ウニクス秩父にて、トークイベントとサイン会が行われました。
岡田麿里が秩父凱旋上映『アリスとテレスのまぼろし工場』

『アリスとテレスのまぼろし工場』トークイベント&サイン会付き特別上映会
日時:10月7日(土)
場所:ユナイテッド・シネマ ウニクス秩父
登壇:岡田麿里(脚本・監督)、平松禎史(副監督)、石井百合子(キャラクターデザイン) 、東地和生(美術監督)

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◆監督&スタッフ登場

現在、全国で上映中の、MAPPA初のオリジナル劇場アニメーション作品となる『アリスとテレスのまぼろし工場』。監督の岡田麿里の故郷である秩父にて、特別上映会を開催。岡田麿里が秩父凱旋上映『アリスとテレスのまぼろし工場』岡田が地元の映画館に登壇ということもあり、チケットは即完売というプレミアイベントに!客席からの温かい拍手に包まれる中、トークイベントがスタートした。

冒頭、MCから観客への質問タイムがあり、中には、10回以上作品を鑑賞したという人もいることが判明。熱量の高い観客が集まった会場を見渡し、4名も笑顔を浮かべた。最初の挨拶で、秩父に来たのはいつ以来かと問われた岡田は、「セメント工場を取材した時、以来でしょうか。そのあとは…今年、お祭りにみんなで行きましたね。」と話し、平松は、「今日、移動の途中で、秩父にいつ来ていたかなと写真を見直していたら、2019年7月の写真がありました。空が曇っていてて、そういえば、武甲山を観たことが無かったなあと思い、今日「これが武甲山か」と、遂に見ることができました。」と、振り返った。

◆MCからの質問に今だから話せるトークが炸裂!会場は大盛り上がり!

『お祭りシーンの屋台囃子は「秩父音頭」のアレンジですか』という質問に、岡田は、「はい、そうなんです。祭囃子と花火について調べていて、秩父の他にも色々なお囃子の音を聞いたんですが、秩父の祭囃子が一番しっくりきて。ペースが速いので、カーチェイスに合うなと思い、カーチェイスのシーンを盛り上げるために使いました。やはり自分は秩父人で、秩父は大きいお祭りが多く、胃にドンドンくる感じというか、嫌が応にも高ぶる感じがありました。」と、秩父人であることを由来したエピソードを明かした。『舞台になった街は実際にある街ですか?モチーフや参考にされた場所があったら教えて欲しい』という質問には、東地が回答。
岡田麿里が秩父凱旋上映『アリスとテレスのまぼろし工場』
「モチーフにした所は、日本全国そこらじゅうにあります。舞台は架空と言えば架空ですが、探す楽しみがなくなってしまうかもしれないけれど、少し明かすと‥池島に行きました。閉じ込めれている話ならば、島がいいのではないかと、3日間くらい取材しましたが、その風景ももちろん入っています。あとは、釜石に行きました。一人で、昔、製鉄所があったところを歩いて距離感をつかんだりしたけれど、撤去されて何も残っていないんですよね。でも想像しながらが楽しい、というか、想像のほうがいいものが描けると思うんです。今回、(その時の)写真のレイアウトも一切使っていないので、同じアングルで同じ画は一枚も撮れないはずです。Xを見ていると、皆さん、色々と探してくださっているんですが、まだ出ていない場所がありますので、それは(探す)楽しみにしてください(笑)」と、鑑賞後の楽しみもしっかり残しつつ、制作秘話を明かしてくれた。
岡田麿里が秩父凱旋上映『アリスとテレスのまぼろし工場』
岡田麿里が秩父凱旋上映『アリスとテレスのまぼろし工場』
『特に“ここが好き”というシーンやキャラクターについて教えてほしい』という質問が出ると、平松は「どこも思い入れがあるので、一つに絞るのが難しいですよね(笑) (作品の為に作った見伏の)地図とにらめっこして想像して作っていたのですが、海沿いの町がああいう感じであることとか、山がこちらに見えているから今このキャラクターはここにいる、といった具合に意識して作れたこと、キャラクターが生きている場所を作れている、ということが今回面白くて好きだったことですね」と、制作過程を振り返った。
『今回、キャラクターをデザインするにあたり、岡田監督とはどんな お話をされたのですか』という質問に、石井は、「まずは、最初の元々の小説を読ませてもらったときに、落書きで、「睦実や五実はこんな感じでしょうか?」と送りました。その上で、岡田さんもひらめいたものがあって、危うい綺麗さがあるものがいいよね、などと話したり、原宿の人形が売っている店に二人で見に行ったりしました。空気感は、人形が展示されている店でも響くものを感じたのですが、人形として描くわけにはいかないので、睦実や五実は自分からでてきたものだったのですが、正宗やそれ以降のキャラクターは、実在した人達の映画や写真を見たりして、ああしようこうしようと、岡田さんと常にディスカッションしていました。生っぽさみたいなのは、そういうやりとりからも生まれたのではないでしょうか。」と、監督の岡田との密なディスカッションが交わされていたことを明かした。

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◆イベント上で、初公開!繋がる私たちの未来〈みんな〉に込めた想いとは!

当日、ステージの上には、この日初公開された、石井と東地が描いた最新のビジュアルのパネルが設置されていた。6週連続入場者プレゼントのラストを飾るプレゼントにも使用されてる、このビジュアルについて聞かれた石井は、「このイラストを描くにあたって、シナリオにラスト、みんなを描いた絵があるスケッチブックというト書きだったり、コンテの中に、五実が列車の先頭で手を振っている絵があったので、自分が一番見たい、みんなが一緒にいて一番いい笑顔を描きたいということで、是非書かせてほしいと(このイラストを)描きました。」と思いを明かした。

その言葉を受けて、東地は、「平松さんがすべてのエピソードを全部絵コンテに起こして、それを一度繋げた時に、2時間20分以上あったんです。そこから今の作品になっているので、零れ落ちたエピソードがいっぱいあるけれど、そこかしこに削いだエピソードの残り香もあると思います。“何か詰まっている”ことを感じていただける作品になっているのではないでしょうか。自分たちでもわからないくらいの熱量が詰まっています。大事なものを伝えることができているのではないか、岡田さんがやりたかったことは全部できているのではないか、まだ途中段階でその答えが出ていないようにも感じていますが、そういう部分も感じ取ってもらえたら、と思います。」と本作に関わった全ての人の気持ちを代弁するかのように、改めて熱量がこもった作品であることを伝えていた。

◆最後に・・・


岡田から、「メインスタッフと一緒にこのような形で話す機会はなかったのですが、仕事場では、いつもこんな風に和やかだったり、そうではなかったり(笑)。熱のある旅の仲間です。いいチームでやることができたこの作品を何回も観ていただいて有難うございます。皆さんのおかげで、作品が色づいているなと思っています。」と挨拶、トークイベントは終了しました。

その後、劇場ロビーに場所を移して、岡田、平松、石井、東地によるサイン会を実施。それぞれサインをしながら、笑顔で観客と会話するなど交流をし、長蛇の列ができ1時間を超える盛況ぶりだったが、最後まで感謝の思いを伝えながらサインを行っていた。

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『アリスとテレスのまぼろし工場』

全国公開中

公式HP:
https://maboroshi.movie

物語・・・
変化を禁じられた世界で、止められない“恋する衝動”を武器に、未来へともがく者たちの物語。

製鉄所の爆発事故により出口を失い、時まで止まってしまった町で暮らす14歳の正宗。いつか元に戻れるようにと、何も変えてはいけないルールができ、鬱屈とした日々を過ごしていた。ある日、気になる存在の謎めいた同級生・睦実に導かれ、製鉄所の第五高炉へと足を踏み入れる。そこにいたのは言葉の話せない、野生の狼のような少女・五実―。
二人の少女との出会いは、世界の均衡が崩れるはじまりだった。
止められない恋の衝動が行き着く未来とは?
アリスとテレスのまぼろし工場

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脚本・監督:岡田麿里

副監督:平松禎史 キャラクターデザイン:石井百合子 演出チーフ:城所聖明
美術監督:東地和生/音楽:横山 克/制作:MAPPA
主題歌:中島みゆき「心音(しんおん)」

出演:榎木淳弥 上田麗奈 久野美咲/八代拓 畠中祐 小林大紀 齋藤彩夏 河瀨茉希
藤井ゆきよ 佐藤せつじ/林遣都 瀬戸康史

配給:ワーナー•ブラザース映画 MAPPA
©新見伏製鐵保存会

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