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公開記念舞台挨拶映画『縁の下のイミグレ』の公開記念舞台挨拶が、7月1日に東京・池袋HUMAXシネマズが行われ、主演のナターシャをはじめ、共演の中村優一、ラサール石井と、監督のなるせゆうせいが登壇した。 |
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キャスト&監督登壇前回の社会派青春映画に続き、今回は社会派ブラックコメディー映画に挑んだなるせ監督。「外国人の労働者のことは、昔から聞いてはいたのですが、なんとなく“他人事”というか、政府が賃上げをしよう・・・と言い始めたとき、そうすると外国人の方とか、最低賃金で働いている方々ってどうなるんだろうと思って調べているうちに矛盾を感じたんです。もうそれ自体がブラックコメディーぽいなと。ワンシチュエーションで描いたらどんな風になるんだろうと考えていたら、そう思っている方々が集まって(映画を)作ってみようかと」と、本作の制作に至るきっかけと経緯を説明した。 実は日本語しか喋れないというナターシャだが、「タガログ語は(フィリピン出身の)両親から教えてもらいました。日本語とタガログ語では怒っているときの表情が違うので、理解するのが難しかったです」と苦労を語り、「その時は、母に怒られたときを思い出しながら母の顔を参考にして演じました(笑)」と身近な存在に助けられた様子。 また、舞台を観ているかのようなセリフの応酬も見どころの一つの本作。「この作品は舞台劇のようなセリフなんです」と、普段から舞台演出を務めているラサールならではの分析も。「逆に、監督があまりセリフだけにならないように動きを作って苦労していましたね」と監督をねぎらいつつ、「あまりにもセリフが多かったけどね」と本音もチラリ。「でも、映画の撮影前に一緒に芝居をしていたマギーもいたのでやりやすかったです」と笑顔を見せた。 舞台らしい演出は他にも。監督が「リハーサルの2~3日前に舞台のような稽古をさせてもらいました。作品が会話劇なのでやっておいたほうがいいかなと思って」と話すと、中村が「なるせさんは舞台の演出もされているので、普通に『じゃあ、今から20ページくらいいっちゃおうか』みたいなノリで始めるので、もう凄かったです」と驚きを隠せない。 怒涛のセリフを放つラサールの演技は圧巻の一言に尽きるが、監督は「管理団体の人の役はあまりいいイメージがなくて叩かれがちなので、ラサールさんがいいんじゃないかなと思って・・・」と会場の笑いを誘うと、ラサールも「普段から自分はSNSなどで、世の中の矛盾したところを言っているので、その批判する向こう側の人を演じるのは面白かったですね。ひどい奴をやればやるほど役者は面白いんです。でも完全に悪者っていないんです」と満足気。 さらに、劇中でハインがまくし立てる印象的なシーンにちなみ、「いま何か吐き出したいことは?」と問われたナターシャは、「いまテスト期間中なので、睡眠時間と好きなことをする時間が削られるんです。そのストレスを吐き出したいです(笑)」と現役高校生ならではのリアルな答えに、会場もほのぼの。 最後に、ナターシャが「この映画を観て初めて知ることもあると思います。ぜひ、この映画を観て家族や友達の皆さんに教えていただけたら嬉しいです」とアピールし、監督は「世の中には他人事と思うことがいっぱいあると思いますが、みんなも関わっていることなんだと、考えるきっかけになればと思いながら作品を作っています。エンタメとしてストーリーにしてお届けすることが何かの力になると思っています。縁の下で支えてくれる方のお話なので、ちょっと立ち止まって考えてもらえたら」と、メッセージを送り、舞台挨拶を締めくくった。 |
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キャスト : ナターシャ / 堀家一希 中村優一 猪俣三四郎 マギー / ラサール石井 他
監督・脚本 : なるせゆうせい
原作・原案 : 「アインが見た、碧い空。あなたの知らないベトナム技能実習生の物語」(学而図書刊/近藤秀将著)
監修 : 近藤秀将
企画 : 縁の下のイミグレ製作委員会
制作プロダクション : パーフェクトワールド株式会社
制作協力 : 株式会社オフィス・インベーダー
配給 : 株式会社トリプルアップ
製作 : 株式会社らくがきエンターテイメント