石原さとみも登壇『NO LIMIT,YOUR LIFE』ALS啓発音楽フェス

ALS啓発音楽フェス「MOVE FES. 2023」

ALS（筋萎縮性側索硬化症）を患った武藤将胤（むとうまさたね）と、発病を知った上で結婚した妻・木綿子（ゆうこ）。愛と科学で病に立ち向かう二人の姿を描くヒューマンドキュメンタリー『NO LIMIT,YOUR LIFE　ノー リミット,ユア ライフ』が、6月23日（金）より、T・ジョイPRINCE品川、T・ジョイ梅田ほか全国順次公開となります。

この度、映画に出演したALS患者でありながらクリエイター・アーティストとして活動を続ける武藤将胤が、自身で企画・演出を務めたイベント「MOVE FES.」が行われた。「MOVE FES.」は、ALSの啓発とボーダレスなエンターテインメント体験の創出を目的に、2016年に始まった音楽イベント。今年はサプライズゲストとして、武藤夫婦のかねてからの友人で映画のナレーションも担当した石原さとみさんが登場しました。

映画『NO LIMIT,YOUR LIFE　ノー リミット,ユア ライフ』
ALS啓発音楽フェス「MOVE FES. 2023」
日時：6月18日（日）
場所：EX THEATER ROPPONGI
登壇：武藤将胤、武藤木綿子、石原さとみ、ほかコラボアーティスト
内澤崇仁(androp)、清春、KURO(HOME MADE 家族)、NOBU、田川ヒロアキ、M PLUS PLUS、平野裕加里、吉藤オリィ、荻野幹人、黒川久里子、せきぐちあいみ

イベントでは、視線入力でDJ・VJをプレイするアーティスト「EYE VDJ MASA」としての武藤のパフォーマンスに加え、光を操るクリエイティブチームMPLUSPLUSとコラボレーションし、光るダンスパフォーマンスやLEDパネルなどを駆使した新たな表現方法にも挑戦し、さらにコラボステージではVRアーティストせきぐちあいみがステージ上でアートパフォーマンスを実施し、会場スクリーンとメタバース空間上でライブペイントを披露した。武藤の歌詞や花火のVJに合わせて、花を咲かせたり不死鳥をペイントしながらつくり上げられていくコラボレーションVRアートに、メタバース会場も大盛り上がりだった。

イベント終盤には武藤の口から「今夜は最後に皆様に重大発表があるんです」と告げられ、映画の告知映像が会場に映し出された。妻の木綿子も登壇し、「2017年くらいから密着していただいて、いつかこれを映画にしたいなというのが私たちの夢だったのでそれが本当に皆様のおかげで叶いました。ありがとうございました」と、涙ぐみながら感謝を述べた。武藤も「実は僕はアメリカのハリウッドの近くで生まれたこともあり、小さいころから大の映画好きで、映画小僧でした。そんな僕にとって、自分の映画を作ることが長年の大きな夢でした。この映画には僕らの挑戦の軌跡とALSとのこれまでのリアルな闘病の様子が記録されています。世界中でALSをはじめ、様々な障害や困難と闘っている皆様に、この映画が明日を生きる希望になってくれることを願っています」と付け加え、製作に携わった監督・スタッフ・関係者への御礼を述べた。

その後、「そして、なんと今夜はこの映画制作に携わってくれた仲間のスペシャルゲストが駆けつけてくれています。大切な友人、石原さとみちゃんに登場してもらいましょう」と武藤の紹介で石原さとみが登場。友人の紹介で知り合い、武藤夫婦とは6年ほど前から友人だという石原は、武藤夫婦の密着取材も知っていて、いつか形になるときにはぜひ自分も関わらせてほしいと熱望していたことを明かし、「私の知らない二人のプライベートな姿が詰まった映画が公開されます。本当に素晴らしい映画です。私は二人が人として好きで、がむしゃらに生きるのではなく、的確に目標をもってちゃんと掴みにいっている姿があって、そこには人間として一番大事な根本的な思いやりだったり、相手の立場になって考える優しさだったり、そういうものを一番よくわかってくれていて。私もオリパラの聖火リレーで悩んでいた時、ずっと二人に悩み相談しながら支えてもらったりして。人として、友達として、ずっと一緒に過ごしてきて、二人の集大成ともいえる映画にナレーションという形で参加できて本当に嬉しいです」と気持ちを吐露すると、武藤は「本当にありがとうね」と嬉しそうに答えた。

さらに石原は「二人のことは知っているけれど、夫婦の愛だったり、人としての素晴らしさ、そして一緒に過ごしててわかるんですけど、二人を取り巻く仲間たちが本当に好きなんです。本当に二人のことを愛して止まない人たちが集まってて、みんななんていい人たちなんだろうと思いました」と映画の見どころを語りつつ、「悲しいとか寂しいとかそういう映画ではないです。使命を自覚した人はこんなに強くなれるんだって、感動だけじゃなくて背中を押される映画なので、ぜひ皆さん足を運んでください」とアピールした。

最後にイベントを企画した武藤が「1年半の時間をかけてこのイベントを作り上げてきたので、今は本当に感無量です。こうやってALS支援の輪が広がっていくことで今はまだUNREALでもいつか不治の病ALSも治せる未来が来ることを信じています。どうかこれからも僕らWITH ALSの挑戦を応援どうぞよろしくお願いいたします。いつかきっと一緒にUNREALな未来を切り開きましょう」と呼び掛け、イベントは大盛況のなか幕を閉じた。

6月23日（金）より、T・ジョイPRINCE品川、T・ジョイ梅田にて先行公開。

物語・・・
全身の筋肉が徐々に動かせなくなる難病ALSと闘うクリエイターの武藤将胤さん。妻・木綿子さんに支えられながら数々の困難を乗り越え、病気の啓発やアパレル、そして仲間とともに「目」で音楽と映像を同時に操るシステム開発や「脳波」で意志を伝える研究など最新テクノロジーを使った活動に挑戦。不足する介護人材の育成にも力を入れる。さらに病気が進んで声を失ってもAIによる合成音声や「目」でコミュニケーションが取れる装置を駆使して、その活動は限界を超えて加速していく。ハンディキャップを抱えていても、誰もが自由に表現し、生きることができる社会を目指して。そして、難病ALSが治せる日が来ると信じて…