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ndjc短編映画4作品公開

特定非営利活動法人映像産業振興機構(略称:VIPO)が、日本における商業映画監督の育成への取り組みとして、2006年度より企画・運営する、文化庁委託事業「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2022」。

今年度の製作実地研修で完成した短編映画4作品が、2月17日(金)~2月23日(木・祝)まで角川シネマ有楽町にて1週間限定上映、その後、名古屋、大阪でも上映となります。2月17日(金)に角川シネマ有楽町にて、岡本昌也監督、成瀬都香監督、藤本楓監督、牧大我監督による初日舞台挨拶が行われました。
ndjc初日舞台挨拶

初日舞台挨拶

日時:2月17日(金)
場所:角川シネマ有楽町
登壇:岡本昌也監督、成瀬都香監督、藤本楓監督、牧大我監督

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舞台挨拶

今年度製作実地研修で完成した短編映画4作品は、ワークショップから選出され、製作実地研修に進んだ4人の若手監督が、講師による脚本指導を経て、各制作プロダクション協力のもと、プロのスタッフ・キャストと共に撮影・編集した25分~30分の短編映画。

1本目の『うつぶせのまま踊りたい』の岡本昌也監督は、「こんなに沢山の方に観ていただけると思わなかったので感無量です。ぜひ明日以降もリピートしに来てください」と場内を埋め尽くした観客の多さに驚きつつも嬉しそうな表情を見せた。「今、28歳なんですけど、社会性を獲得していくにつれ、だんだんと子供の頃の衝動や怒り、社会に対しての不満みたいなものが消えていっていることに気付いて、そういったものを無かったことにしたくないなとおもって、自分の中の子供みたいなところを描きたくてこの脚本を書きました」と、先の読めない独創的な脚本が出来上がった理由を自己分析した。さらに「その曖昧な人生の夕焼けみたいな時期を、詩という曖昧なものを表現する媒体で描けるのではないかと思った」と、詩を題材にした話となった理由を語った。

続く2本目『ラ・マヒ』の成瀬都香監督は、「プロレスが題材の作品を撮ったのですが、プロレスを観たことのない人や、いろいろな職種の人にも観てもらって、明日もちょっと頑張ろうと思ってもらえる作品を目指してきたので、劇場公開が迎えられて本当に嬉しいです」と目を輝かせた。「私は2年前からプロレスが大好きで、“どんなにやられてもやり返す”という姿がプロレスの醍醐味なのですが、それを初めて見た時に、こんな人たちが世の中にいるのかと衝撃を受けて、帰りの電車でぼろぼろに泣きながら帰りました。この熱量と人間の凄みみたいなものをいつか描きたいとおもい、それがプロレスだったら映画にもできるのではないかとおもった」と、本作を撮った経緯を明かした。現場での演出については「この人は今悲しいんですといった抽象的なことではなく、役者が演じる役の生活を連想しやすいよう状況の説明をきちんとするように気を付けた」と言い、「特に今回は、主人公が試合の前に髪を染めたのが、試合の1か月前だと誤って役者に伝えてしまい、その後、試合の3日前に染めたんだと訂正して伝えたら、俳優さんのお芝居が全然変わって、状況をちゃんと伝えるのは大事だなと実感しました」と、今回改めて演出について学んだという。

3作目『サボテンと海底』の藤本楓監督は、「私は普段は美術スタッフをしていて、美術スタッフとして入った現場で初めてスタンドインの仕事を見かけて、面白いなとおもってこの作品を作りました」と、スタンドインを生業にしている役者が主人公の作品を撮った理由を説明した。印象的なラストシーンについては「ラストシーンはずっと悩んでいたのですが、最終的にndjcに一番最初に送った初稿のラストシーンになりました」と明かした。演出方法について質問されると「例え話はよくしました。例えば、何メートル走ってきたテンションとか、脚本をもらったときは恋をするように、恋人からのメールみたいにウキウキしてくださいとか、そういった例え話をけっこう使いました」と話し、主人公がオーデイションで自由に演技するシーンについてどんな演出をしたのか聞かれると「あのシーンは、脚本上には『恐竜に襲われる人』とか『なんちゃってで能をする』とか抽象的なト書きを何行か書いていて、あとは主演の宮田さんにお任せでアドリブで演じてもらいました」と撮影の裏話を明かし、他の監督からはその演出方法に驚きの声が漏れていた。

4作目『デブリーズ』の牧大我監督は、「自主映画を制作していた時は5千円くらいの予算で作品を作っていたのですが、今回、自主映画とは比べ物にならないくらいのお金を使って作品を作れるということなので、せっかくならこれまで作れなかったような映画を撮ろうということで、それは何だろうと考えたときにSFだ!とおもって、美術や衣装もやりたくてこんなストーリーになりました」と、今回SF映画に挑戦した理由を明かした。撮影中の演出方法や癖について聞かれると、「楽しそうにしてる、ニヤニヤしてるとは現場でよく言われます。俳優さんに顔をすごい見られている感じがあって、僕のニヤニヤをヒントに向こうも答えを手繰り寄せている感じがあって、そうやって感情を表に出すことは共有する一つの手段なのかなと今はおもっています」と答え、「本当にいい演技のときは『フッ』という、笑ってしまった音がきっと入ってしまっているとおもいます(笑)」というエピソードでは場内にも笑いを撒き散らした。

そして最後に4監督より会場にいたお客様への感謝のお辞儀で締めくくられ、会場からの温かい拍手で舞台挨拶は幕を閉じた。

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公開情報

1週間限定の公開だが、東京での初日舞台挨拶に続き、名古屋では3月11日(土)に映画パーソナリティの松岡ひとみさんと、大阪では3月18日(土)に映画パーソナリティの津田なおみさんと、ndjc2022監督4人とのトークセッションが開催される。

詳しい情報は公式HPをご確認いただきたい。

2/17(金)より、角川シネマ有楽町を皮切りに、名古屋(3/10〜)、大阪(3/17〜)にて劇場公開

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©VIPO

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