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映画『とんび』公開御礼舞台挨拶

幾度途切れても必ず繋がってゆく親子の絆を描く、重松 清による不朽の名作小説「とんび」。今この時代にこそ届けたいと、初映画化 が実現。
主人公の、破天荒ながら愛すべき父・ヤス役には、『テルマエ・ロマエ』「下町ロケット」などの大ヒット作で、圧巻の表現力と存在感 を放つ阿部 寛。
ヤスの息子・アキラ役には、若手実力派の中でも突出した才能を発揮する『君の膵臓をたべたい』『東京リベンジャーズ』 の北村匠海。
さらに、多くの深遠な物語をエンターテイメントとして昇華させてきた監督・瀬々敬久の元に、薬師丸ひろ子、杏、安田 顕、大島優子、麻生久美子、他豪華キャストが集結。
これは、古き良き時代の物語にとどまらない、新たな時代への希望を予感させる、今、そして未来へ繋がる家族の絆の物語。映画『とんび』は、4月8日(金)に全国公開した。

この度、4月15日(金)に、公開御礼舞台挨拶が開催され、主演の阿部寛、安田 顕、そして本作で監督をつとめた瀬々敬久が登壇した。
『とんび』阿部寛、安田顕登壇公開御礼舞台挨拶
映画『とんび』公開御礼舞台挨拶
日時:4月15日(金)
場所:TOHOシネマズ六本木ヒルズ
登壇:阿部 寛、安田顕、瀬々敬久監督

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阿部 寛、安田顕、瀬々敬久監督登壇

公開を迎えて1週間、再び本作を鑑賞した方の前に立てた気持ちを聞かれた主演の阿部は「この作品で色んな人との出会いがありました。ここにいる安田さんや監督もそうですけど、(ロケ地の)岡山の人たちもスタッフもキャストも、皆本当に温かい人たちでした。それがこの映画のスクリーンに出ていると思います。本当に楽しい撮影でした。」と撮影時のようすを感慨深げに振り返った。『とんび』阿部寛、安田顕登壇公開御礼舞台挨拶
ヤスの幼馴染でアキラを我が子のように接する住職・照雲を演じた安田は「本当にこの映画を今日選んで頂いてありがとうございます。」と、『とんび』阿部寛、安田顕登壇公開御礼舞台挨拶監督をつとめた瀬々は「お若い方がたくさん来て頂いてほっとしています。今日は楽しんで帰ってください」と、それぞれが感謝の意を述べた。

本作以外にも共演が多いという阿部と安田。共演歴について聞かれると、「5回目ですね。いつも阿部さんとご一緒できるというのが私のモチベーションですので、2年に1回は呼んでほしいなと思っています」と安田。さらに、二人が共演していた「下町ロケット」でのエピソードを阿部が安田に話し続け、途中で「あれ、お前も出てたよな。ごめんごめん、忘れてた。」と、忘れられないエピソードを告白。阿部は「定期的に共演してるのですが、それぞれキャラクターが違うので、今回はどういう役で来てくれるのか毎回すごく楽しみです。」とコメント。年齢には少し離れているが同年代の役が多いという二人。「僕は特に違和感を感じていないんですけど、最近少し(安田さんが)若く見えてきて、少し僕から離れていったなという感じがありますね」と阿部が話すと、「本当ですか?若くなりました?嬉しいですね。でも、阿部さんが若々しいので、助かっています」と喜びの表情を魅せる安田。さらに、瀬々からは「最近安田さんが若いのは、木村さんと共演してるからじゃないですか?」と冗談交じりの突っ込みも入った。さらに監督は「安田さんは、指揮者のように現場を回している感じがします。」と、撮影の裏側のようすを述べた。
また、次に二人が共演をするならどのような関係を演じたいか聞かれると、阿部は「親友はもうやりましたし、教師も、刑事と犯人というのもやりました。あと何がありますかね」と安田に聞くと、「僕は阿部さんとご一緒できるなら何でもいいです。最終的には阿部さんのご自宅の傍に住もうと思ってますから」と、二人の仲の良さが垣間見えるトークを展開。続けて、「勝手に見てみたい阿部さんの役があるのですが、“良寛”をやってほしいです。」と安田が話すと、「実は、僕の“寛”という名前は良寛からとったとお爺さんから聞いたことがあるんです。なのでびっくりしました。」と、偶然の繋がりに驚きを魅せる阿部。安田も「そうなんですね!知らなかったです。僕の中での阿部さんのイメージが良寛さんだったんですけど、僕は出るとしたらハエだろうなと。」冗談交じりに続けた。阿部は安田について「科学者みたいな役

があってると思うんですよ。僕はフランケンシュタインが好きなので是非実写でやってみたいなと思います。」とコメント。安田は「フランケンシュタインは、無骨な人間が中々伝えられない真実の愛を伝える物語なので面白そうだと思います。」とフォローを交えて答えた。

そして、会場に来た客席の方から、直接キャスト監督陣への質問をするコーナーでは、様々な質問がぶつけられた。
映画を観て涙がとまらなかったという女性からは、3人へ最近自身が泣いたエピソードを聞かれると、安田は「先週ここで行われた舞台挨拶ですかね。その時の瀬々敬久監督の一言にもらい泣きをしてしまいました。監督は現場で誰よりも集中力を持ってらっしゃって、涙のイメージが全くない方なんです。しかし、原作の重松清さんがこの映画を観た後に監督に駆け寄ってきて、「ここにヤスがいた」と言ってもらったというお話をされながら、涙でコメントが詰まってしまう瀬々さんに、思わず男としてぐっと感動しました。」と告白。その後、監督にそれを伝えると、「いやあ、演技ですよ」と監督は照れながらに答えた。阿部は「クランクアップを迎えて挨拶をするときに、みんなが来てくれたりするんです。撮影中は緊張感が詰まった中過ごしているので、クランクアップを迎えた瞬間は一番来ますね。」とコメント。しかし、本作のクランクアップでは泣かなかったという阿部。理由を聞かれると、「物凄い突風が吹いていて挨拶がスタッフに届かない状態だったんです。自分でも聞こえないくらいの状況でした。」と、まさかのエピソードを告白した。監督は、「青山真治監督が無くなったことですね。40歳の頃、一緒に映画美学校で講師を一緒にやっていたこともあって…」と涙交じりに答えた。

次に質問をしたのは、最近子供を授かったという20代のお父さん。どのようにすれば父の威厳を保ち尊敬されるか聞くと、阿部は「自分も(親として)右も左もわからない状態がありました。色々と間違うこともあるんですよね。そういう時に、自分を許すことは大事だなと思います。誰もが親としては一年生なので、一生懸命愛情をもって育てていればそれがきっと伝わると思うので頑張ってほしいです。」と、安田は「私は、自分の子供に教えたことなんかないような気がします。教えられることはあるんですけど。こういう人にはなりたくないという反面教師として、育ったんじゃないかなと思います。(笑)阿部さんがおっしゃったように一生懸命やるというか、その日その日を必死にやっていくうちに大きくなっていくと思います。一生懸命やってても、反抗期はあるでしょうし、肩ひじ張らなくていいんじゃないかなと思います。」と父親の先輩として、それぞれが愛のあるアドバイスを送った。さらに監督は「監督という立場では、一番注意しているのは正直であろうとしてます。ごまかさないで正直に付き合おうと思っています。」と、自身の目線から答えた。
『とんび』阿部寛、安田顕登壇公開御礼舞台挨拶
最後に質問をしたのは、今気になる男性がいるという女性。濃い顔が好みとのことで、阿部や安田に系統が似ているそうなのだが、どうやったら振り向いてもらえるか聞かれると、阿部は「顔の濃い人って同類を好むんですけど…だからメイクを濃い目にとか(笑)同じ種族だとホッとするんです。以前外国の方を演じた時には、皆で傷口をなめ合いました。(笑)」と、まさかの視点でアドバイス。安田は「好きな方と会うときは、少し濃い目のメイクで行こう。そうすると安心します。」と、阿部のアドバイスをまとめつつコメントをすると、本日一番の笑い声で会場が包まれた。

さらに、阿部と安田からも会場にいる若者への質問を聞かれると、阿部は「風邪を引いた時に親が出してくれた食べ物はなんですか。僕の時代は、必ず桃の缶詰を親が買ってきてくれて、嬉しかった思い出があります。」と質問。会場に来ていた親子が回答。小さい頃はゼリーとサイダーとフルーチェをもらったとコメント。隣に座るお母さんに理由を聞くと、小さい頃に自身が母にもらったものだという。阿部は、「やっぱり、受け継がれていくんですね。」とコメントした。
続いて安田は、「最近、生活の中でよく見る媒体って何ですか?」と質問すると、会場にいる女性は、手元に残しておきたい雑誌や新聞などは、購入してスクラップにしていると告白。安田は「そういったアナログなものの楽しみ方があるのはホッとしますね」と、嬉しそうに答えた。

最後に会場に駆け付けた観客に向けて、瀬々監督は「人間はどうして生まれてどうして死んでいくのかということを考えて作りました。
人が人に何かを伝えようとして人生を全うするというような映画となっております。是非またこの映画を思い出してくれたら嬉しいです。」と熱い思いをピーアール。安田は、「先程媒体というお話をさせて頂きました。色んな楽しみ方があると思うのですが、その中のひとつに映画館があると思います。映画館の素晴らしい所は、早送りできないし、途中で止めれないというのがいいなと思うんです。自分で選んで入ったら、最後まで見たいし見ざるを得ないという空間の中で、決して会話をすることはなくても、同じものを同じ時間で、同じ空間で共有することが出来る。そして作品さえ面白ければ、残るものになる。これが映画館で映画を観ることの素晴らしさだと思います。そういった行動を今日とってくださりありがとうございます。」と、本作への思い、そして映画館への思いを熱く述べた。主演の阿部は、「今安田さんが言ったように、今まで映画館で観た作品、その席とか雰囲気とか、全部覚えているんですね。こうやって今日来ていただいて、今日の日を覚えてくれていると嬉しいです。やはり、人が助け合って生きていくというのは普遍的であって、人間の美しいところだと思います。そういう部分は、ネット社会になってもアナログで残っていくと思います。この映画の中にはまさしくそういう世界が広がっているので、もし感動して頂けたら、この映画を応援して頂きたいと思います。」と強い想いを伝え、温かな雰囲気の中、イベントは終了した。

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映画『とんび』

@tonbi/
昭和37年、瀬戸内海に面した備後市。運送業者で働くヤス(阿部 寛)は、今日も元気にオート三輪を暴走させていた。愛妻・美佐子(麻生久美子)の妊娠に嬉しさを隠せず、姉貴分のたえ子(薬師丸ひろ子)や幼馴染の照雲(安田 顕)に茶化される日々。幼い頃に両親と離別したヤスにとって家庭を築けるということはこの上ない幸せだった。遂に息子・アキラ(北村匠海)が誕生し「とんびが鷹を生んだ」と皆口々に騒ぎ立てた。しかしようやく手に入れた幸せは、妻の事故死で無残にも打ち砕かれてしまう。こうして、父子二人きりの生活が始まる。母の死を理解できないアキラに、自分を責めるヤス。和尚の海雲(麿 赤兒)は、アキラに皆が母親代わりなってやると説き、雪が降っても黙って呑み込む広い海のようにアキラに悲しみを降り積もらすな―「お前は海になれ」と、ヤスに叱咤激励するのであった。親の愛を知らずして父になったヤスは、仲間達に助けられながら、我が子の幸せだけを願い、不器用にも愛し育て続けた。そんなある日、誰も語ろうとしない母の死の真相を知りたがるアキラに、ヤスは大きな嘘をついた─。
角川文庫「とんび」映画ビジュアルカバー

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阿部 寛
北村匠海 杏 安田 顕 大島優子
濱田 岳 宇梶剛士 尾美としのり 吉岡睦雄 宇野祥平 木竜麻生 井之脇海 田辺桃子
田中哲司 豊原功補 嶋田久作 村上 淳
麿 赤兒 麻生久美子 / 薬師丸ひろ子
原作:重松 清「とんび」(角川文庫刊)
監督:瀬々敬久
脚本:港 岳彦  音楽:村松崇継
主題歌:ゆず「風信子」
配給:KADOKAWA イオンエンターテイメント
©2022 『とんび』 製作委員会
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