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東京国際映画祭では、昨年までは「Japan Now」部門として現在の日本を代表する邦画作品を紹介してきましたが、今年から「Nippon Cinema Now」部門と名称を改め、より多様性に富んだ邦画作品を世界に向けて紹介していきます。
本年特集するのは、『ヒメアノ〜ル』、『愛しのアイリーン』、『BLUE/ブルー』、そして最新作の『空白』と、いずれの作品も上質なエンターテイメントでありながら観る人の心を強く揺さぶる衝撃作を発表し続ける、吉田恵輔監督。 10月5日に東京国際映画祭での上映に先駆け、日本外国特派員協会(FCCJ)にて記者会見を行いました。 東京国際映画祭記者会見@日本外国特派員協会(FCCJ)開催:10月5日(火)16:30~ |
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【吉田恵輔監督 コメント】僕は、塚本晋也監督の照明スタッフとして数十年間働いてきました。天才を身近にして、海外から評価されているところを間近で見てきて、ずっとあこがれを持っていたんです。あまりにも身近に天才がいると自分は選ばれる側の人間ではないのかなと思ってきたんですが、今回、東京国際映画祭の特集に選んでいただいたのをきっかけに僕の作品を海外の人にも知ってもらい、憧れの塚本監督には及ばないとは思いますが、少しでも近づいていけたらいいなと思っています。 【東京国際映画祭チェアマン 安藤裕康 コメント】新型コロナウイルスがまだまだ厳しい状況だが、昨年同様に感染症対策をしっかりした上でリアルに実施していく。今年、17年ぶりに会場を六本木から日比谷・有楽町・銀座地区へ移転します。伝統ある映画の街であり、地の利もよいので、より広いお客様に親しんで頂きたい。映画祭の最重要課題は素晴らしい作品をそろえること。その為、17年ぶりにプログラミング・ディレクターを市山氏へ交代し、部内の改編や粒ぞろいの作品を集めてもらうことに努めてもらった。さらに、TIFFの国際色を一層豊かにするため、是枝監督からの強い要望もあり、日本と外国の映画人との交流強化を目的に、昨年からスタートした「アジア交流ラウンジ」を今年も実施します。しかしコロナの状況により、初期に予定していた海外からのお客さんをあまり呼べず、限定的な数となってしまった。フルスケールでの実施は来年に持ち越し、これを来年に向けての布石としていきたい。我々は、映画祭を通して様々な現代社会が直面している課題と向き合っていきたい。ジェンダーやSDGsの問題。今後の映画界にとっての課題である配信とどう向き合うかという問題。そして、コロナの影響もあり、人と人との断絶が起こってしまっている状況を、観客の皆さまと一緒に考えていける機会にしたい。 【東京国際映画祭プログラミング・ディレクター 市山尚三 コメント】東京国際映画祭は日本映画を多く上映する場、そして海外の作品も招聘し、日本映画を海外へアピールする場として貢献をしてきたと思う。「Nippon Cinema Now」という部門は、今年つくられた作品の中で素晴らしいと思うものを紹介する部門です。この東京国際映画祭を起点として、海外の人たちに発見してもらうために作品選びを致しました。その枠の中で監督を特集しようとなり、今年は是非、吉田恵輔監督を取り上げようということになった。これまでもクオリティの高い素晴らしい作品を作り続けているのに、これまで特集などをされてこなかったことが理由です。そして、『空白』という作品が今年公開した日本映画を代表する大傑作であることがあげられます。来年以降、この特集をきっかけに吉田監督の作品が海外でもどんどん注目を集め、特集などでも取り上げてもらえれる様になればと思っています。 |
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【吉田監督へのマスコミからの質疑応答】Q.塚本監督のどこが素晴らしいのでしょうか?A. 誤解がない様にいうのですが、二十歳くらいの頃に、日本映画ってダサいなってとがっていたんです。そのころ塚本監督の『鉄男』という作品と出会って、こんなにカッコいい作品があるんだ、すごいなと思ったんです。誰が監督か知らずに観ても、映画を塚本監督作品だとわかるオリジナリティがあるところに憧れます。 Q.今年東京国際映画祭で特集され、これをきっかけに国際的に注目を浴びることになると思うが、今年の東京国際映画祭に何を期待しますか?A.個人的には自分の作品を好きだと言ってくれる人はいたのですが、こういった特集に選ばれたことがなかったので、口だけなのかなと疑っていました。でもこうして1回選ばれると、選ばれていい人だと思ってくれるのでそう認識されたら嬉しいです。東京国際映画祭に関しましては、コロナの状況もあるとは思いますが、映画を通して未来に開けていけばいいと思うし、お客さんにも沢山来てほしい。映画を目指す若者にも沢山見てほしいなと思います。 【市山プログラミング・ディレクター、安藤チェアマンへのマスコミからの質疑応答】Q. 東京フィルメックスと東京国際映画祭が連携することで、映画祭のカラーがごちゃ混ぜになってしまう可能性はないのか?A. 市山プログラミング・ディレクター A.安藤チェアマン |
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<第34回東京国際映画祭 開催概要>開催期間: 2021 年 10 月 30 日(土)~11 月 8 日(月) <TIFFCOM2021 開催概要>開催期間: 2021年11月1日(月)~3日(水・祝) |
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