9人の監督による9つの短編作品からなるオムニバス映画『MIRRORLIAR FILMS Season1』。本作のうちの一編をそれぞれ手がけた、西遼太郎監督、針生悠伺監督、藤原知之監督が“映画を語る”配信番組「活弁シネマ倶楽部」に初登場した。文筆家の折田侑駿がMCを担当し、個々の作品の魅力にまつわるトークを展開している。 本作『MIRRORLIAR FILMS Season1』は、俳優の山田孝之らが発起人となって、クリエイターの発掘・育成を目的に、映画製作のきっかけや魅力を届けるために生まれた短編映画制作プロジェクト・“MIRRORLIAR FILMS”によるオムニバス映画の第1弾。“変化”をテーマとした36名の監督による短編映画を4シーズンに渡って公開していくもので、今作『Season1』には西監督、針生監督、藤原監督のほか、安藤政信監督や武正晴監督、山下敦弘監督らが名を連ねている。 今回、当番組に登場した三名の監督には、“一般公募で選ばれた”という共通点があるが、作風もテーマも、作品の成り立ちもまったく異なる。充電がないと生きられない「充電人」になってしまった青年の奮闘を描いた西監督による『充電人』の企画のはじまりについて折田が質問すると、「この『充電人』は、“MIRRORLIAR FILMS”のために作った作品です。テーマが“変化”ということなので、どんなものを作ろうかと考えているときにスマホのメモ帳を見たんです。僕は普段から気になった言葉をメモるようにしていて、その中に『充電人』というものを見つけました。『何だこれ? でも面白そうだな』と思い、タイトルから物語を膨らませていきました」と西監督は語っている。観客を選ばない、ユニークでハートウォーミングな作品だ。 公共物の急襲から逃げるスケーターの姿を捉えた針生監督作『B級文化遺産』。折田が「完全にアイデア勝ちだと思います。すごく面白かった」と感想を述べると、「これは2014年に製作した作品です。作ろうと思ったきっかけは、それまで務めていた映像制作会社を辞める際に、“自分が企画から立ち上げた自分の作品”というものを、一本も手がけたことがないのに気がついたんです。それならばこのタイミングで、いままでやってきたことのすべてを詰め込もうと。そこで、アクション作品をやりたいと思ったのですが、カーチェイスは難しい。でもスケボーだったらできるなと……。当時の僕もスケボーをしていたんです。そこで、主人公がスケートボードを扱うなら、最大の敵は、こちらが傷つけてしまう公共物なのではないかと考えました」と、物語の着想の原点について監督は語る。スケーターを追いかける撮影や、“トランスフォーム”する公共物など、本作に詰め込んだこだわりについて語っている。 1時間に及ぶこの収録回では、監督同士によるそれぞれの作品に対するトークも盛んに繰り広げられている。どのようにして映画を作るのか。何を思って映画を作るのか。作り手それぞれの映画に対する考え方や、方法論が垣間見られるものとなっている。 |
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■『MIRRORLIAR FILMS Season1』■■『充電人』■監督:西遼太郎 ■『B級文化遺産』■監督:針生悠伺 ■『無題』■監督:藤原知之 |