映画情報どっとこむ ralph 『ぼんとリンちゃん』 (2014))、『逆光の頃』(2017)、『殺さない彼と死なない彼女』(2019)と、一貫して思春期の少年少女たちの心の機微を静溢な映像美と共にすくい上げてきた名手・小林啓一監督。

そんな監督の原点である2011年のデビュー作『ももいろそらを』が[カラー版]となり、2021年6月18日(金)渋谷シネクイント ほか全国順次公開となりました。
『ももいろそらを カラー版』
オリジナル版の『ももいろそらを』は、“未来からみた今”をコンセプトに、移ろいやすい高校生の日常を淡いモノクロ映像で描いた異色の青春映画。第50回ヒホン国際映画祭 グランプリ受賞、第24回(2011年)東京国際映画祭 日本映画・ある視点部門 作品賞受賞、サンダンス映画祭2012ワールドシネマ・ドラマティック・コンペティション部門正式出品、第41回ロッテルダム国際映画祭ブライトフーチャー部門 正式出品など、世界14カ国、20に及ぶ映画祭で絶賛。

この度、6月18日(金)、主演の池田愛さん、小林啓一監督が初日舞台挨拶を行いました。池田さんは、オリジナルモノクロ版で鮮烈なデビューを果たすも、しばらく学業に専念するため惜しまれながら女優業を休止。2011年の公開時には活動を休止していたため、今回舞台挨拶が初めてとなる池田の貴重な舞台挨拶登壇となりました。
『ももいろそらを カラー版』初日舞台挨拶
日程: 2021年6月18日(金)
場所:渋谷シネクイント
登壇:池田 愛(川島いづみ役)・小林啓一(本作監督)

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10年越しの舞台挨拶が実現

初日舞台挨拶に主演の池田愛、小林啓一監督が登壇した。池田は、2011年の公開時には活動を休止していたため、10年越しの舞台挨拶が実現。

オリジナル版製作のきっかけについて、
小林監督は「それまでテレビ業界の仕事をしていましたが、映画を撮りたいという憧れがあった。ただ誰からも声がかからず、『なら自分で撮ろう!』と一念発起したんです。主人公のいづみには、映画界に対する反骨心や不満だらけの当時の自分の立場を投影していました」とコメント。続けて、いづみを含め監督作に通底する一風変わった主人公像については「(『ももいろそらを』に関しては)公開時、女子高生が元気でズケズケとものを言う時代でした。それ以降も、何かしらの形で自分というものを表現する“勢いのある人”に惹かれるのかもしれない」と自己分析した。『ももいろそらを カラー版』初日舞台挨拶

撮影時は、カラーで撮影されていたが、“未来からみた今”をコンセプトにするため、監督はあえてモノクロ映像に変換。
主演の池田は「完成版の試写を見たらモノクロ映像になっていて、これは壮大なドッキリなのか?と思いました(笑)」と当時の戸惑いを吐露。そして今回のカラー版公開については「映画の中に生きているいづみちゃんは、モノクロの時より活き活きとしていた。映画を観ながら、無我夢中で頑張っていた10年前の自分を思い出しましたし、映っているのは全て“等身大の私”。今、『同じお芝居をやってください』と言われてもできないと思う。奇跡の瞬間がたくさん詰まった映画です」と笑顔で語った。『ももいろそらを カラー版』初日舞台挨拶

池田にとっては、映画初出演にして初主演となった本作。
監督は主役抜擢の理由について「プロフィール写真で、無表情で変なポーズを取っていたんです。『なんでこの写真にしたの?』と聞くと、『やれと言われたのでやりました』とあっけらかんと答えていて、ネガティブなのかポジティブなのかわからない(笑)。大人に媚びる感じも一切なかったので、いいなと思った」とコメント。一方、池田は「撮影の終盤は完全に身体も心もいづみちゃんに乗っ取られていた。だから役が抜けきった時には『私って誰だっけ?』という感覚に陥りました」と役と共に生きた時間を述懐。
『ももいろそらを カラー版』初日舞台挨拶
鮮烈なデビューを果たすも、池田はしばらく学業に専念するため、活動を休止。
その理由について聞かれると「サンダンス映画祭に行った時に、英語で伝えられないもどかしさや世間知らずな自分を痛感した。だから、いろいろな経験を通して、自分探しをしたかったんです。休業期間は、自分が『ももいろそらを』で評価されたことをもう一度受け入れるために必要な時間でした。あの時間がなかったら、今ここに立っていないかもしれない」としみじみ。2011年の公開時には活動を休止していたため、今回舞台挨拶が初めてとなる池田に、監督は「10年経ってこうしてお客様の前に立つのは感慨深いものがあるね」と声をかける。
『ももいろそらを カラー版』
そして監督は「昨年クランクインする予定だった映画がコロナ禍で延期になり、空いた時間でカラー版を観直したら『意外といいかも』と思って今に至る。僕自身、この作品に呼ばれたような感覚もあるし、改めて観て“挑戦する気持ち”を思い出しました」とコメント。一方、2021年の初めから「17LIVE」の配信を始めたという池田は「コロナの影響もあり、自分を知ってもらうきっかけを作りたかった。まさに変わろうと思っていた時期に、こうして『ももいろそらを』がカラーになって蘇るのは、私自身もこの作品に導かれているのかなと思う」と締め括った。

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『ももいろそらをカラー版』公開記念・小林啓一監督特集上映

なお、渋谷シネクイント では、「小林啓一監督特集上映」と題して『ももいろそらを』オリジナルモノクロ版、『ぼんとリンちゃん』『逆光の頃』『殺さない彼と死なない彼女』の上映も3週間限定で開催中。
【開催概要】
■ タイトル:『ももいろそらをカラー版』公開記念・小林啓一監督特集上映
■ 会期: 2021年6月18日(金)~ 2021年7月8日(木)
■ 鑑賞料金:1,200円均一※『ももいろそらをカラー版』は通常料金となります。
■ 会場:シネクイントCINE QUINTO 東京都渋谷区宇田川町20-11 渋谷三葉ビル
■ スクリーン:2スクリーン(162席・115席)
■ 主催:パルコエンタテインメント事業部映画事業
■ 公式HP:
cinequinto.com/shibuya/
※新型コロナウィルスの感染拡大状況により、急遽企画自体が中止、作品が一部変更となる可能性がございます。上映日程などは劇場までお問合せ下さい。

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『ももいろそらを カラー版』

2021年6月18日(金)より渋谷シネクイント ほか全国順次公開

公式:https://pinksky-color.com

STORY
ある日、川島いづみは大金の入った財布を拾う。中に入っていた学生証をたよりに、その財布の持ち主に返すはずが…。いづみ、友達の蓮実と薫、そして財布の持ち主・佐藤。財布の中に入っていたはずのお金を介して、彼らのいつもの日常に小さな変化が訪れた――。
ももいろそらを

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監督・脚本・撮影:小林啓一
出演:池田愛 小篠恵奈 藤原令子 高山翼 / 桃月庵白酒
制作担当:松嶋 翔  録音:日高成幸  
制作協力:フルモテルモ 製作:マイケルギオン
2020年製作/113分/2chステレオ/ビスタサイズ
©2020 michaelgion inc. All Rights Reserved
宣伝:平井万里子
配給:フルモテルモ 
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