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『クラッシュ』が今観ても危険な映画である理由とは?

デヴィッド・クローネンバーグ監督『クラッシュ 4K無修正版』が1月29日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開となりました。そして本日2月6日(土)柳下毅一郎(原作「クラッシュ」翻訳/映画評論家)と高橋ヨシキ(映画評論家/デザイナー)によるトークショーがシネマート新宿で行われました。
『クラッシュ 4K無修正版』公開記念トークショー
映画『クラッシュ 4K無修正版』トークショー
日時:2月6日(土)
場所:シネマート新宿
登壇:
柳下毅一郎さん(原作「クラッシュ」翻訳/映画評論家)
高橋ヨシキさん(映画評論家/デザイナー)

映画情報どっとこむ ralph 上映終了後、拍手に迎えられて柳下毅一郎さん、高橋ヨシキさんが登壇し、トークショーがスタート。まず話題は二人の『クラッシュ』との出会いにいて。高橋さんは「付き合っていた恋人と別れた日に、大通りで目にした『クラッシュ』の文字に惹かれて観賞し、大いに感銘を受けて心の傷が癒された」と公開当時を振り返り会場の笑いを誘った。

一方の柳下さんは「生涯の一冊だと思っていて翻訳も担当した小説を、大好きな監督であるクローネンバーグが映画化するなんて、こんな最強の組み合わせなら自分が観るしかないと、カンヌまで行った」と運命的な出会いを明かした。続いて、本作の危険性についての話に。柳下さんは「『クラッシュ』が狂っていて非倫理的な映画であるにも関わらず素晴らしく、映画として成立しているのは、あくまでも社会的な問題ではなく個人の妄執を描いているから」だと分析。

高橋さんは、以前にクローネンバーグが「この映画がバイオレントであるとしたら、マインドファックするからだ」と語っていたことを挙げ、「人々の常識や倫理に対する暴力性が際立っている」と本作の真の危険性を主張した。最後に柳下さんが「この映画を観てマネをするとかではなく、人間として普通に生きるよりもっと別の事があるという事を強烈に突き付けてくる。それが良い悪いという話ではなくあまりに魅力的に描かれていることでいいことのように思えてくるから、今観ても危険な映画だ」とまとめ、大盛況の中イベントを締めくくった。

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映画『クラッシュ 4K無修正版』

シネマート新宿ほか全国順次公開中!

※上映には4K DCPを使用しますが再生環境により2K等にコンバートされた上映となります。

ストーリー
ある日、映画プロデューサーのジェームズは車で正面衝突事故を起こす。相手のドライバーは死亡、助手席に乗っていたドライバーの妻ヘレンはジェームズとともに病院へ搬送される。院内を歩き回れるほど回復したジェームズは夫の死になぜか平然としているヘレンと彼女に付き添う不思議な男ヴォーンと顔を合わし、事故の写真を見せられる。退院後、ジェームズとヘレンはそれぞれ事故の衝撃を通して思わぬ性的興奮を感じていた……。再会した2人はセックスに及び、事故の体験により新たなエクスタシーを開拓するグループ=カー・クラッシュ・マニアの会の存在を知り、その世界にのめり込んでいく。

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監督・製作・脚本:デヴィッド・クローネンバーグ
原作:J・G・バラード
撮影:ピーター・サシツキー
音楽:ハワード・ショア
出演:ジェームズ・スペイダー、ホリー・ハンター、イライアス・コティーズ、デボラ・カーラ・アンガー、ロザンナ・アークエット
原題:CRASH/1996年/カナダ/音声:英語5.1chサラウンド/日本語字幕/16:9ビスタサイズ/DCP/100分/R18+
提供:TCエンタテインメント、是空、ザジフィルムズ
配給・宣伝:アンプラグド
© 1996 ALLIANCE COMMUNICATIONS CORPORATION, IN TRUST
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