映画情報どっとこむ ralph 『哀愁しんでれら』で商業映画デビューの渡部亮平監督が、“映画を語る”配信番組「活弁シネマ倶楽部」に初登場。

今回の聞き手は映画ライターのSYO。企画のはじまりや、パンチの強い物語の着想、本作のオファーを3回断ったという主演・土屋の魅力についてなど大いに語り合っています。

『哀愁しんでれら』は、どん底に落ちた一人の平凡な女性の前に王子様のような存在が現れ、彼女が幸せを掴んでいく物語……かと思いきや違う。シンデレラ・ストーリーの“その後”を描いた作品だ。その真っ当さゆえに狂気に絡め取られる26歳の女性・小春を土屋が演じ、ときおり歪みを見せる“王子様”・⼤悟を田中が演じている。そして、このシンデレラ・ストーリーにヒビを入れる少女・ヒカリ役を、本作がスクリーンデビュー作となるCOCOが好演。そのほか、小春の妹に山田杏奈、父に石橋凌、そして大悟の母には銀粉蝶と、魅力的な布陣が渡部監督の商業デビュー作を支えている。

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渡部亮平監督「土屋太鳳さんしか考えられなかった」

2012年に自主制作映画『かしこい狗は、吠えずに笑う』がPFF(ぴあフィルムフェスティバル)に入選し、エンタテインメント賞と映画ファン賞を受賞した渡部監督。その後は『3月のライオン 前/後編』などの作品に、脚本家の一人として携わってきた。そんな経験を経て手がけられた『哀愁しんでれら』は、元々はPFFが製作から劇場公開までをトータルプロデュースする“PFFスカラシップ”のために執筆されたものらしい。映画化が実現しなかった企画はそのまま眠り、2016年に、前途有望な若手クリエイターを発掘する“TSUTATA CREATORS’ PROGRAM FILM”で見事グランプリを受賞。とはいえ、公開されるのはこの2021年。時間がかかったようだ。
渡部亮平監督『哀愁しんでれら』活弁シネマ倶楽部
「2016年か2017年内には撮影を終え、2018年中には公開できると想定していました。こんなに時間がかかるとは思ってもみなかったです」と渡部監督。これにSYOは「どうしてこれほど時間がかかったのでしょうか?」と誰もが知りたい素朴な疑問をぶつける。「まず、『この脚本のままで本当に大丈夫か?』ということがあり、どこの配給会社と組むべきなのかという問題もありました」と渡部監督は返答し、「配給会社の要望に合わせて脚本を調整するのですが、そうすると、本来持っていたであろう面白さが損なわれていくような気がしたんです。これが商業デビュー作だからこそこだわりたかった部分でもありますし、これまでの脚本家としての活動もあったので、できるだけこの脚本通りに映画化したいという思いがありました。そうしていたら、あっという間に時間が過ぎましたね」と続ける。
SYO『哀愁しんでれら』活弁シネマ倶楽部
SYOは、本作の“攻め具合い”にも言及。「とある学校で保護者が起こした事件をニュースで見て、この物語は生まれたのですかね?」と聞くと、「出発点は、シンデレラ・ストーリーの方でした。ここに、いまの時代性を取り入れたかったんです。そう考えていたときに、そのニュースを目にしましたね」と返答する渡部監督。監督の前作も観ているSYOが「渡部監督は人間の暗部に惹かれているフシがありますか?」と問うと、「誰もが抱えているはずの気持ちだけを書いているつもりです。日常に溢れているものを書いた結果、こうなってしまうという(笑)」と渡部監督。

主演の土屋については、「土屋さんしか考えられなかったんです。だから半年くらいかけてオファーを続けました。きっかけはSiaのMVを観たことです。この作品での土屋さんは本当に素晴らしいですね。こんなにも表現力の高い人なのだと驚きました。それにこの表現力の高さは、自分勝手なものじゃない。作品に寄りそったものです。このパワーを映画で引き出したいと思いました」と渡部監督は語っている。SYOは「見たかった土屋さんに会えた」と感想を述べている。

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■『哀愁しんでれら』■

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は絶賛上映中!!

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#哀愁しんでれら

児童相談所に勤める平凡な女性が、一晩で怒涛の不幸にあい、すべてを失ってしまう。人生を諦めようとしていた彼女だったが、8歳の娘を男手ひとつで育てる開業医と出会い、優しく、裕福で、王子様のような彼に惹かれていく。彼の娘とも仲良くなり、プロポーズを受け入れ、不幸のどん底から一気に幸せの頂点へ駆け上がる!まさにシンデレラとなった彼女は、夫と娘と共に幸せな家庭を築いていこうと決意し、新婚生活を始めるのだが、その先には想像もできない毎日が待っていた・・・。
ポスター哀愁しんでれら

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脚本・監督: 渡部亮平 
出演:土屋太鳳 田中圭
COCO 山田杏奈 ティーチャ 安藤輪子 金澤美穂 中村靖日 正名僕蔵 銀粉蝶 / 石橋凌 他 
TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2016 グランプリ受賞作品
映画クレジット:©️2021 『哀愁しんでれら』製作委員会

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