水城せとなの傑作コミック「窮鼠はチーズの夢を見る」「俎上の鯉は二度跳ねる」を映画化した忘れられない恋の物語-。TOHOシネマズ 日比谷ほかにて9月11日から公開される映画『窮鼠はチーズの夢を見る』の夏休み限定イベントの第四夜が27日、東京のスペースFS汐留で行われ、原作者である水城せとな、監督の行定勲が参加した。 日時:8月27日(木) 会場:スペースFS汐留 登壇:水城せとな、行定勲 監督 |
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はじめに、原作コミックを読んだ感想を聞かれた監督は「いやあ、困ったなという。基本的に漫画を映画化することに未だに懐疑的なところがあって、やはり確立されたものを映画化するのは容易じゃないし、漫画という、すべてが1人の作家から生みだされるものが、映画という全く違うものになるという違和感を払拭しなければならないというのは非常にプレッシャーだった」と正直な胸の内を語り、「しかも原作が素晴らしい名言だらけで、洪水に飲み込まれるような圧を感じた。これをどう描くべきかというのを考え、観客が能動的になるように演出、脚本作りをするのに2年かかった。それがもっとも困難であり、恋愛ってこんなに深いものなんだなと思わされた」と原作を称え、映画化にあたっての苦労を明かした。 一方、映画化の話を受けたときの感想を聞かれた水城は、「わたしが普段漫画を描くときは、頭で考えるのではなくて、映像のようにその人たちがそこにいて、それをわたしが紙に描き落としていくというようなやり方でやっているので、最初は映画を観ているようなものなんですよね」と作品作りの工程を踏まえ、「昨今ありがたいことに映像化のお話をいただくことがありますが、なるべくわたしが見ていたものに近い空気感の企画だけを選ぶようにしていて。今回の「窮鼠はチーズの夢を見る」は、フランス映画のような、ああ言えばこう言うような強い言葉の応酬という映像のイメージだったんですが、行定監督からいただいた最初の企画書と仮のシナリオにはちゃんと共通する空気感がそこにあったので、これは動かしてもらっていいんじゃないかと思い、進めていただいて大丈夫です、とお返事をしました」と原作のイメージと映画化への運びについて語った。 さらに、実際に大倉、成田が演じた恭一と今ヶ瀬というキャラクターについての感想を尋ねられると、水城は、「初号試写の際に、わたしの前に成田さんが座ってらっしゃったんですが、上映中に成田さんの頭がぐいんぐいんとあっちにこっちに動くんですよ。どうしたのかなと思って後で尋ねたら、恥ずかしくってもぞもぞしてたんですって。他の作品で成田さんのもっと濃厚なラブシーンはいっぱい観ているし、そういうのは慣れていて冷静に観られるものなのかなと思っていたので、意外というかすごく可愛いなと思いました。映画の中の今ヶ瀬も可愛いですが、素の成田さんも可愛すぎる!」と知られざるエピソードを明かした。 原作について監督は「僕は漫画に疎くって、水城さんには本当に申し訳ないんですが、原作がこんなに伝説の、傑作漫画と言われていることを知らずに作ったんですよ。僕の周りのスタッフにすごく原作のファンが多くて、やたら「映画化するんですか!」とか言われるんですけど、全く気付かなくて(笑)でも知らなかったからよかったこともあるというか。知っていたら、ファンを気にしてキャスティングについてまでもっとあれこれ聞いちゃっていたと思うんですよね」と、作品を撮り終えてからその期待度の高さに驚いたという。それを受けて、水城は「やはり漫画を読みながら読者さんそれぞれの脳内でイメージが出来上がるので、それと全く同じものは絶対に作れないんですよね。逆に、どんな映画、メディアミックスが作られても、読者さんの中にある世界は全く否定されるわけじゃないので、たとえそれが自分のそれとはまったく違ってもいわゆる多様性として、こういう世界も出来たんだなあと思って楽しんでもらうのがいいんじゃないかなと思います」と語った。 |
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『窮鼠はチーズの夢を見る』
公式サイト: Twitter:
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原作:水城せとな「窮鼠はチーズの夢を見る」「俎上の鯉は二度跳ねる」(小学館「フラワーコミックスα」刊)
監督:行定勲 脚本:堀泉杏 音楽:半野喜弘
出演:大倉忠義 成田凌 吉田志織 さとうほなみ 咲妃みゆ 小原徳子
配給:ファントム・フィルム
©水城せとな・小学館/映画「窮鼠はチーズの夢を見る」製作委員会
映倫区分:R15