現在、順次全国で公開中の映画『一度も撃ってません』。 8月9日(日)、広島・福山駅前シネマモードにて、阪本順治監督による、リモート舞台挨拶が行われました。 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、4月に予定していた東京での公開日が7月3日にずれこみ、本劇場での公開も7月31日からとなった。県をまたいでの移動が難しいお盆休みとなった今年。7月以降、リモートにてイベントを数回実施してきたというシネマモードだが、阪本監督は、昨年2月公開の『半世界』で直接劇場での舞台挨拶をした以来の登壇となった。 劇場には、本作の公開を待っていた広島の映画ファンの方々、阪本映画のファンであるお客様が来場し、作品上映後の阪本監督の30分間に及ぶ舞台挨拶を楽しみました。 日付:8月9日(日) |
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阪本監督:「本来なら、直接伺ってご挨拶をしたかったのですが、今回はオンラインでの舞台挨拶となります。実は、今日は本作の主演石橋蓮司さんの誕生日なんです。御年79歳。ご覧になっていただいた通り、非常に元気です。広島と石橋蓮司さんのご縁という意味では、蓮司さんが13歳の時、蓮司さんのデビュー作である東映児童映画『ふろたき大将』という作品で主演をやっていた事ですね。そこで、広島の戦災孤児の役をやっていらした。石橋蓮司さんとは、約10年ほど前から、準主役や脇役の形でご出演をしていただいていて、5年ほど前から、蓮司さんを主演に映画を撮りたい、という希望がありました。メインキャストとなる石橋さん、大楠道代さん、岸部一徳さん、桃井かおりさんは日頃からの仲間である4人なんですが、今回は、仲間内でもたれあっていても、決して良い映画にならない、という自覚もきちんと持たれていて、撮影の時の待ち時間もガヤガヤする感じもなく、映画全体の事を皆さん考えていらっしゃる様子でしたね。当然、僕は彼らより10歳以上若いわけですが、この4人に引っ張られないよう、かつ、甘えさせて頂きながらやっていた感じでした。いまの日本の映画界で、このような年長の方を主演にする企画は通りにくい。そういう事もあって、主演だと蓮司さんにお伝えした時には「本当に成立するのかよ」とおっしゃっていました。いざ主演になるという事は、「座長」という役目を担う訳ですから、撮影時は自分の出ていないシーンの事も気にかけ、僕と同じように、映画の全体を考えていらっしゃる感じでした。(他豪華キャストの方々の出演に対して)みなさん、石橋蓮司主演の映画に出る、という事への責任を感じ、自分が出る場面への甘えがあってはいけない、という感覚でやって頂いたので、それがとても良かった。蓮司さんは過去あらゆる映画やドラマに出られていて、その芝居心や人となりをほとんどの俳優さんは知っています。だからこそ、もう一度対面で芝居を一緒にやってみたい、蓮司さんの主演映画なんだから、甘えをもってはいけないし、ゲストのような感覚で挑んではいけない、仲間同士で作った作品ではあれど、そこのお互いの厳しさを感じた現場でもありました。本当は、今日、UberEatsの配達のフリして、劇場に行っても良かったなんて思っていました(笑)。さすがに自転車で広島までは行けませんでしたね。Withコロナの時代で気が憂鬱になるような事も多い中、まだまだこの作品を沢山の人に楽しんでもらいたいと思っています。」 |
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『一度も撃ってません』
は、全国にて絶賛順次公開中。 |
出演 石橋蓮司 大楠道代 岸部一徳 桃井かおり
佐藤浩市 豊川悦司 江口洋介 妻夫木聡 新崎人生 井上真央
柄本明 寛 一 郎 前田亜季 渋川清彦 小野武彦 柄本佑 濱田マリ 堀部圭亮 原田麻由
監督 阪本順治(『半世界』『エルネスト もう一人のゲバラ』『団地』『大鹿村騒動記』ほか)
脚本 丸山昇一(『行きずりの街』ドラマ「探偵物語」「あぶない刑事」シリーズほか)
製作:木下グループ
配給:キノフィルムズ
©︎2019「一度も撃ってません」フィルムパートナーズ