映画情報どっとこむ ralph ルシール・アザリロヴィック監督最新作、映画『エヴォリューション』が2016年11月の公開に先駆けて、6月24日より開催中の「フランス映画祭2016」にて上映回が行われました。

美しくも妖しい少女の世界を描いたガールズムービーの金字塔である前作『エコール』の35㎜フィルム上映と併せてマスタークラスが行われ、ルシール・アザリロヴィック監督と『野火』の塚本晋也監督との対談が行われました。

エヴォリューション_ルシール監督&塚本晋也監督

日時:6月26日(日)14:00~
会場:アンスティチュ・フランセ東京
登壇:ルシール・アザリロヴィック、塚本晋也(『野火』)
司会:市山尚三(東京フィルメックス プログラムディレクター)

映画情報どっとこむ ralph MC:ルシール監督と塚本監督2人の出会いは?

ルシール監督:アヴォリアッツ映画際で初めて会いました。その時は自分の映画ではなく、パートナであるギャスパー・ノエの『カノン』の手伝いで一緒に行ったんですが、そこで初めて『鉄男』を観たんです。ギャスパーと二人で”すごい映画だね!日本人の監督が撮っているんだって、絶対会いにいかなきゃ!”とすぐに飛び着きました。私たちが二人で迫っていったので、塚本監督は怖かったんじゃないのかな(笑)。当時、私は英語が話せなかったんですが、お互いに分かり合えたと思います。

塚本監督:アボリアッツ映画祭は『鉄男2』で初めて招待された海外の映画祭で、そこで最初にあったのがギャスパー・ノエで、一緒にいたのがルシールさんだったんです。こんなに長くお付き合いが続くとはとってもびっくりです。その時ギャスパーの家に泊まったんです。そこでルシールの、『ミミ』(’96)の前に作られた短編集『First Death of NONO』をみせてもらい、”ダークビューティフル”と言ったら、そのフレーズをとても喜んでくれていました。

MC:お互いの作品について!

ルシール監督:塚本さんの作品はほとんど観ています。もちろん新作『野火』も。彼の撮る映画にとても興味がある。というのは、新しいものを発明するような実験的な作品が多くて、そこに面白さも感動もあり、非常に自由に作られてれいるから。更に、塚本監督本人が監督、俳優、撮影、照明、編集、制作もすべて行っている。ギャスパーもそう言っているんですが、彼はまさに”オーケトラマン”。しかも『野火』に至っては配給までも行っていて、それをすべて見事にやりとげるのは信じられないな事だと思っています。

塚本監督:僕も彼女の作品はほとんど観ています。今日上映した『エコール』についてはルシールがそのまま映画になったよう。彼女は本当に少女みたいな人なんです。一緒にカラオケ行っても小さな声で歌うんです。その少女のような感じがそのまま映画になっている。この映画はまさにルシールそのもの。普段は少女のようなルシールだけど、映画作りについてはかなり厳格に映画を作っていて、僕自身励まされます。

ルシール監督:この『エコール』については少女の視線で捉えた世界を描きたかった。外部の大人の目でみたというのではない。そして10歳くらいの子供たちにこの作品を観せたかった。実際子供たちにこの作品を観せると「普通だよ。僕たちのいまみている世界だよ」と答えるんです。一方大人に見せると「変な世界ね」といったように捉えるのがおもしろい。私は映画の中のシーンのように棺に入ったことはないけど、この作品は自伝的なもを含めた映画です。

エヴォリューション_ルシール監督&塚本晋也監督トーク

映画情報どっとこむ ralph 映画の作り方・撮影について

ルシール監督:映画を作る際に自分なりのルールがあります。ストーリーボードは作らないし、カメラは固定で長回し。だから塚本さんのような動く映像に憧れます。作品を作る時はいろいろなものをそぎ落として映画を作っていく。そしてミニマルな映画ができていきます。

塚本監督:新作の『エヴォリューション』を一足先に見させていただきましたが、最初に観た時、あまりに映像が綺麗なのに驚いて「最初の海のシーン、あれどうやって撮ったの?」と開口一番に聞いたんだよね(笑)。

ルシール監督:そうやって言ってくれたのとっても嬉しかったです!

塚本監督:映像のことばっかり言ってると思われるかもしれませんが、映像の持つ力は大きくて、映像が語る。映像が物語を生み出すんだと思います。

「フランス映画祭2016」は6月27日まで、有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ日劇で開催。

ルシール監督の新作『エヴォリューション』は6月27日に有楽町朝日ホールで上映となります。

映画『エヴォリューション

2016年6月27日(月)14:00開映
会場:有楽町朝日ホール
登壇:ルシール・アザリロヴィック監督

詳細・チケット情報:
http://unifrance.jp/festival/2016/

映画情報どっとこむ ralph 映画『エヴォリューション』(2015年/81分)

2016年11月 渋谷アップリンク、新宿シネマカリテほか全国順次公開

監督:ルシール・アザリロヴィック
出演:マックス・ブラバン、ロクサーヌ・デュラン、ジュリー=マリー・パルマンティエ ほか

『エコール』の監督が贈る、最も美しい“悪夢”。

エヴォリューション_ティーザー_s少年と女性しかいない、人里離れた島に母親と暮らす10歳の二コラ。その島ではすべての少年が奇妙な医療行為の対象となっている。
「なにかがおかしい」と異変に気付き始めた二コラは、夜半に出かける母親の後をつける。
そこで母親がほかの女性たちと海辺でする「ある行為」を目撃し、秘密を探ろうとしたのが悪夢の始まりだった。“エヴォリューション(進化)”とは何なのか…?

ギャスパー・ノエの公私にわたるパートナーであり、森で暮らす少女たちを描いた『エコール』のルシール・アザリロヴィック監督が贈る、最も美しい“悪夢”。

映画祭で上映されるや否や「初期クローネンバーグを思わせる!」「ルイス・キャロル、グリム兄弟、アンデルセンの死体を掘り起こした」等大きな反響を巻き起こした。

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監督:ルシール・アザリロヴィック
出演:マックス・ブラバン、ロクサーヌ・デュラン、ジュリー=マリー・パルマンティエ
2015年/フランス、スペイン、ベルギー/フランス語/81分/DCP/2.35/5.1ch
配給:アップリンク
© LES FILMS DU WORSO • NOODLES PRODUCTION • VOLCANO FILMS • EVO FILMS A.I.E. • SCOPE PICTURES • LEFT FIELD VENTURES / DEPOT LEGAL 2015

2015年 トロント国際映画祭 正式出品
2015年 サン・セバスチャン国際映画祭 審査員特別賞・最優秀撮影賞受賞
2015年 ストックホルム国際映画祭 最優秀撮影賞
2015年 ナント・ユートピア国際SF映画祭 最優秀撮影賞

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