映画情報どっとこむ ralph 6年の制作期間をかけて、半世紀以上続く「捕鯨論争」に新たな光をあてるドキュメンタリー映画。

9月9日(土)よりユーロスペースにて全国順次公開の『おクジラさま ふたつの正義の物語』(原題:A WHALE OF A TALE)として。

本作は、2010 年公開、東京で 25 週間のロングランヒットを記録したドキュメンタリー映画『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人』の佐々木芽生監督による、最新ドキュメンタリー!

日本記者クラブにて佐々木芽生監督と、上映を観終わったマスコミによるトークイベントが行われました。

映画『おクジラさま ふたつの正義の物語』 トークイベント
日時:8月4日(金)
場所:日本記者クラブ
登壇:佐々木芽生監督

映画情報どっとこむ ralph 上映を観終わったマスコミに温かい拍手で迎えられながら、佐々木監督が登壇。
佐々木監督:この映画の撮影を始めたのは 2010 年からです。捕鯨問題が報道される度、日本を否定する反捕鯨だけのメッセージがアメリカの マスコミから流れてくるのに疑問を持っていました。「ザ・コーヴ」という映画が発表された時、これは一体どうなってしまうんだろう、と。何故日本側の 意見や、捕鯨をすることの意味や情報がアメリカまで届かないのかと。その後、「ザ・コーヴ」がアカデミー賞を獲りますが、このときに一番衝撃だった のが、日本から何の反応もなかったこと。日本から何の反論もなかったことにある意味背中を押され、このままいくと日本の声は全く届かず、一方 的な反捕鯨の声だけが世界に広がるんじゃないかと。その状況を伝えることができるのは日本人でもあり、海外に住んでいる、私なのだと思い、こ の映画をつくることに決めました。

と本作の製作の経緯を語りイベントがスタート。

続けて・・・

佐々木監督:捕鯨や、イルカ漁の問題についてのテーマにしようと決めていましたが、リサーチしていくと、捕鯨というのはあくまでも入口であり、先にはもっ と大きなテーマがある、そう感じました。それは日本側からの発信の問題。今のインターネットなどは、すぐに発信される状況の中、日本からアメリカ への発信はすごくおそい。他には、゛欧米の価値観 VS 日本の価値観の対立“というよりも、グローバリズムの恩恵を受けて世界の流れにどんどん ついていっている人たちの価値観と、地方にいて、従来の古い文化や価値観を尊重していきたい人たち、双方の隔たりは徐々に広がっているんじ ゃないかなと思いました。色んな価値観の衝突は太地町の物語でみえてくるんじゃないかと思います。

と説明した。

映画情報どっとこむ ralph また、映画をつくる中で一番苦労したことは主人公だと話す佐々木監督。

佐々木監督:色んな人が色んな意見を持っている中で、ジェイ・アラバスタ―というアメリカ人ジャーナリストに目をつけました。日本人でありながら、海外に長く住んでいる私とは反対で、彼は、アメリカ人でありながら日本に長く住んでいる。逆だからこそ、彼とは意見がすごく合いました。彼が言っていることは、私がいいたいことであり、日本人の私が言うよりも、アメリカ人の彼が 言うほうがより説得力があるのかなと思いました。

と説明した。

また先日、ニューヨークの映画祭でも公開された本作ですが

佐々木監督:アメリカの人たちがかなりびっくりされていて..。「シーシェパードに変わって 日本の人に謝りたい」という人や、動物愛護の方たちから「科学的なデータが少なすぎるんじゃないか」などの厳しいご意見があったり。でもそういっ た形で賛成や反対だけではなく、色んな考え方がある。まずはそれを分かってもらうことが一歩かな、と思います。

と佐々木監督は語る。

映画情報どっとこむ ralph またマスコミより、「取材の際、現地の人たちとの信頼関係を築くにあたっての苦労や、エピソードなどはありますか」 この問いかけに対して、

佐々木監督:2010 年に太地町に言った時は、まず町長さんや、漁師さんに挨拶し説明するところから始まりました。その時は「ザ・コーヴ」が発表されて、みなさん言いたいけれど言えないようなもどかしさがあったようで、すんなりと受け入れてくださいました。2014 年、再度訪れた時 は太地町いさな組合のトップの方が変わった関係で完全に取材が NG になりました。ですが、゛何か発信しないと、シーシェパードたち活動家の発言だけが世界にメッセージとして伝わってしまう。これは、マズイんじゃないか“とお話しし、何とか撮影を再開させていただきました。

とトークイベントは終了しました。

映画『おクジラさま ふたつの正義の物語』

原題:A WHALE OF A TALE
公式HP:okujirasama.com

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2017年 / 日本・アメリカ / 96分 / HD / 16:9
制作:FINE LINE MEDIA JAPAN 制作協力:ジェンコ、ミュート、朝日新聞社 協賛:アバンティ、オデッセイコミュニケーションズ、 配給:エレファントハウス

© 「おクジラさま」プロジェクトチーム
書籍版 『おクジラさま』 も、集英社より同時に刊行予定!佐々木芽生監督が書き下ろした渾身のノンフィクション!

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