カンヌ国際映画祭で 2 度のパルムドール大賞巨匠ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督。
異例の 7 作品連続カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品となった彼らの最新作『午後8時の訪問者』が 4月8日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開となります。 本作は、“名もなき少女”に何が起こったのかを探るミステリー。「もしあの時、こうしていれば…」とちょっとした判断の違いで、人生は思わぬ方向に転がりだす。 日時:2月23日(木) ティーチイン |
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◎主演女優、アデル・エネルとの出会い 28歳にしてフランスのアカデミー賞といわれる、セザール賞を二度も受賞しているアデル・エネル。今、フランスで最も勢いのある女優のひとりです。彼女を起用した理由について A:偶然の出会いがあったんです。そのときの彼女の、噓をつかない、信頼できて純真無垢な様子がとても気に入りました。彼女が演じるジェニーに会えば、この物語の登場人物たちも隠していたことも話してしまうような気がしました とアデルの起用理由を明かしました。 ◎本作のテーマについて Q:なぜ医者を主人公にしたのでしょうか? A:医者は、人を死から遠ざけるもの。扉を開ける側の人間です。しかし、その逆をやってみたらどうなるのかと思ったのです。扉を開けなかったために、人が亡くなってしまったら…? そして被害者なるのは黒人のアフリカ人で、誰も名前さえわからない。まるで地中海を渡りながらもヨーロッパに辿り着けずに、海で亡くなってしまう難民・移民の人たちとどこか重ね合わせられます。流血のある政治をしている国から逃げてきたのに、ヨーロッパの国境が閉ざされているために死んでしまう人がいる。それを題材にしようと思ったのです。 Q:ダルデンヌ兄弟作品の大きな特徴、「音楽が使われない」理由とは…? A:いつも音楽があまり使わないのは何故でしょうか?と聞かれますが僕らの映画には音楽が入る隙間がないんだ。私たちの映画は、長回しやワンシーンワンショットを多く使っていて、現実の“ある特定の時間を切り取って“います。そこには、動き、沈黙、音がある。その中に音楽を入れると音楽が映画を包み込んでしまって、観客と登場人物たちに距離を感じてしまい、生々しい感覚が飛んでしまうんです。 と、長年の映画作りのこだわりを吐露。巨匠からの納得の回答に思わず客席からは感嘆の声も。 今回は映画音楽はないけれども、劇中で歌われる「Bye Bye Doctor ジェニー」という曲の作詞はジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌのクレジットですね。とMCに振られると A:ここで歌おうか? と茶目っ気たっぷりに答えるジャン=ピエール。 A:いや、さすがに皆さんの前ではやめましょう。 と少し期待した観客からは笑いが漏れました。 観客の質問に、一つ一つ丁寧に答えるダルデンヌ兄弟。彼らの映画作りに関してなどの貴重な話が多数。最後には彼らの日本初公開作である『イゴールの約束』のワンシーンンのようにひとつのマイクで「アリガトウ!」と観客にメッセージを贈り幕を閉じました。 |
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あの時、ドアを開けていれば…
映画『午後8時の訪問者』 原題:La Fille Inconnue 物語・・・ 主役のジェニーを演じるのは『水の中のつぼみ』(07)『メゾン ある娼館の記憶』(11)でセザール賞有望若手女優賞にノミネートされ、 |
監督・脚本:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
出演:アデル・エネル、オリヴィエ・ボノー、 ジェレミー・レニエ、ルカ・ミネラ、オリヴィエ・グルメ、
(c)LES FILMS DU FLEUVE – ARCHIPEL 35 – SAVAGE FILM – FRANCE 2 CINÉMA – VOO et Be tv – RTBF (Télévision belge)
2016年/ベルギー=フランス/106 分/
提供:ビターズ・エンド、KADOKAWA、WOWOW
© LES FILMS DU FLEUVE – ARCHIPEL 35 – SAVAGE FILM – FRANCE 2 CINÉMA – VOO et Be tv – RTBF (Télévision belge)