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ティーチイン試写会

 
主演:丸山隆平、共演に真木よう子、寺尾聰を迎えた感動のヒューマンサスペンス『金子差入店』。アジア最大規模を誇る第29回釜山国際映画祭のコンペティション部門<NEW CURRENTS(ニューカレンツ)>への正式出品を果たした本作が5月16日(金)にTOHOシネマズ 日比谷他、全国ロードショーとなります。
 
公開が今月16日と目前に迫った『金子差入店』。8日夜に監督登壇によるティーチインイベントが開催されました。
金子差入店』監督登壇
 
ティーチイン試写会
実施日程:2025年5月8日(木) 
場所:神楽座
登壇:古川豪監督
MC:奥浜レイラ

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古川豪監督登壇

 
古川監督は「いかがだったでしょうか?」と、観客の反応を伺いながら登場。
オリジナル脚本である本作。着想を聞かれると、「僕は助監督出身でして、撮影の最中に、ある拘置所の実景を撮りに行った際、その向かいにこの作品で描いた差入代行業者があったので、何かな?と思って、ただそれをちょっと記憶に留めていたという感じなんです。『おくりびと』という作品で助監督として帯同していたこともあり、何か特殊な職業に出会ったならば、面白い作品が作れるんじゃないかという思いもありました」と、脚本開発に至るまでの経緯を明かす。そこから脚本完成までには多くの時間を費やしたという古川監督。
金子差入店』監督登壇
「見ていただいたらお分かりの通り、なかなか手強い職業と言いますか、一筋縄ではなかなか書けないような職業であるということは、調べれば調べるほど感じられました。書けども筆が止まってしまうと言いますか、ひょっとしたらお客様の中に似たような境遇、職業の方がいらっしゃるかもわからない。そうなった時にどういう風に見られてしまうだろうかと。どちらかの側に加担してしまうのも違うので、僕自身も差入代行業者になった気持ちで、バランスをどうするのかを納得いくまで考えました」と執筆当時の苦悩を振り返り、完成までの長い道のりを感じさせた。
 
キャスティングについて話が及ぶ。SUPER EIGHTの丸山隆平を主演に迎え、夫婦役として真木よう子を据えた。「元々丸山さんとはプライベートで、たまたま飲み屋さんで出会いました。丸山さんもベロベロだったんですけど、芝居を見てくれと言われて、そこら辺のお客さんに声をかけてちょっとエチュードしましょう!とエチュードの説明をひたすらし始めて。その場で設定を用意して30分(即興劇が)止まらないんです。トイレに立って戻ってきてもずっと続けていて。本当にお芝居が好きなんだなと、僕としては全くそんなイメージがなかったもので。お芝居されてることも存じ上げてはいたんですけど、お話するまではどちらかと言えばコメディアイドルのような印象でしたので、こんな意思表示をされるとも思っておらず、この方と一緒にお仕事ができるようになったならば、是非正面衝突して必死になってやりたいなって思っていました」と、丸山との印象的な出会いを明かし、「真木さんに関しては、この作品で唯一面識がなかった方でしたが、言わずと知れたあの年代のトップ女優さんですから。プロデューサーから提案があった時点で断る理由は全くなかったです」と二人の起用に関して話す。そして特に丸山には「予想をはるかに超えて…というか、予想を超えるとか超えないとかそういう言葉とはちょっと違う。予想だにしない、わけのわからないところからボールが飛んできたみたいな。そんな印象でした」と、本作が役者・丸山隆平の凄みを捉えた作品であることが監督のコメントからも伺える。
金子差入店』監督登壇
当日は観客からの質問に答えるティーチインも行われた。ずっと緊張感を持って観ていたという男性は「重たいエピソードがいくつもある中で北村匠海さんのエピソードが見るに絶えない程に刺さった」と感想も添えながら、北村が演じる小島高史が犯す殺人事件について、【この犯罪でなければならなかった理由と、狙った効果は?】と質問。「僕自身の中でテーマにおいていたのが、犯罪する側もされる側も過去に遡っていけば同じだったんじゃないのかと。誰かが誰かを育てて誰かが見捨てたことによって金子と小島の生きていく線が分かれていった。戻れる道があったのに戻せない今があるということを、今回の作品で訴えています」と、本作におけるテーマに言及。
金子差入店』監督登壇
「今誰かが見放したこと、今誰かが手差し伸べていれば違った未来があったかもわからないのに、誰にも手を差し伸べてもらえなかったのが小島(北村)という人物。今のこの現在は変えられませんが、未来は変えられるように。見終わった後何かアクションを起こすなんて大それたことじゃないんです。50 年後 100 年後こういうことがないように、みんなの意識だけでもちょっと違えば次の世代には変わるんじゃないかなと」と作品に込めた熱い想いに触れ、「アクリルボードの手前と奥にどれだけの差があるのか。自分自身も6歳と3歳の子供がいますが、20 年後犯罪者になるかどうかなんて分からないわけです。でもその(前述の)願いを持って今必死に育てています。僕自身のこの極論を見せること、辛い凄惨なシーンを撮りましたが、このエピソードはそれを訴えるために必要だったピースです」と自身の願いを込めて返していた。

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『金子差入店』

 
5月16日(金)TOHOシネマズ 日比谷他全国ロードショー
 
物語・・・
金子真司は妻の美和子と差入店を営んでいる。伯父の星田から引き継いだ住居兼店舗で、引退した星田と10歳になる息子の和真と一緒に暮らしていた。
ある日、和真の幼馴染の花梨が何の関係もない男に殺害される。一家が花梨の死から立ち直れないでいた時、犯人の小島の母親から差入の代行と手紙の代読を依頼される。金子は差入屋としての仕事を淡々とこなそうとするが、常軌を逸した小島の応対に感情を激しく揺さぶられる。さらに、小島の母親から息子には話し相手が必要だと思うと再度の差入を頼まれた金子は、小島と話せば話すほど「なぜ、何のために殺したのか」という疑問と怒りに身を焼かれる。
そんな時、毎日のように拘置所を訪れる女子高生と出会う金子。彼女はなぜか自分の母親を殺した男との面会を強く求めていた。2つの事件と向き合ううちに、金子の過去が周囲に露となり、家族の絆を揺るがしていく──。
金子差入店
 

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丸山隆平
真木よう子 / 三浦綺羅 川口真奈
北村匠海 村川絵梨 甲本雅裕 根岸季衣
岸谷五朗 名取裕子
寺尾聰
監督・脚本:古川豪 音楽:Benjamin Bedoussac 
主題歌:SUPER BEAVER「まなざし」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
製作:英田理志 小山洋平 中村浩子 鶴丸智康 プロデューサー:稲葉尚人 成瀬保則 平岡祐子 共同プロデューサー:石田雄治 企画協力:川口真五
撮影:江﨑朋生(JSC) 照明:三善章誉 録音:原川慎平
美術:金勝浩一 装飾:鈴村髙正 スタイリスト:前田勇弥 ヘアメイク:須田理恵 
特殊メイク:松岡象一郎 音響効果:大塚智子 編集:小西智香 
VFXプロデューサー::長井由実 アクション・コーディネーター:諸鍛冶裕太
助監督:小波津靖 制作担当:澤井克一 ラインプロデューサー:石渡宏樹 音楽プロデューサー:仲安貴彦 
製作:REMOW 博報堂DYミュージック&ピクチャーズ ストームレーベルズ ハピネット・メディアマーケティング 制作プロダクション:KADOKAWA 配給:ショウゲート
©2025「金子差入店」製作委員会

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