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公開記念舞台挨拶

 
1989 年にイギリス最高の文学賞であるブッカー賞、2017 年にノーベル文学賞を受賞し、二つの世紀を代表する小説家となったカズオ・イシグロの鮮烈な長編デビュー作「遠い山なみの光」を、『ある男』(22)で第46回日本アカデミー賞最優秀作品賞含む最多8部門受賞を果たした石川慶監督が映画化した『遠い山なみの光』は9月5日(金)にTOHOシネマズ日比谷 他 全国ロードショーいたしました
 
この度、本作の公開を祝し、9月6日(土)に公開記念舞台挨拶を実施!
『遠い山なみの光』
 
『遠い山なみの光』公開記念舞台挨拶
日時:9月6日(土)  
場所:TOHOシネマズ 六本木ヒルズ
出演:広瀬すず、二階堂ふみ、吉田羊、鈴木碧桜、石川慶監督

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キャスト&石川慶監督が登壇

 
本作は、5月の第78回カンヌ国際映画祭、6月の第27回上海国際映画祭、9月の第50回トロント国際映画祭、10月の第69回ロンドン映画祭と、各国の主要国際映画祭への出品で、世界から注目を集めていることについて広瀬は「カンヌから始まり、海外の方に見ていただく機会が多かったので、日本で公開して、日本の物語をたくさんの方に知っていただくことに、“やっとだ!”みたいな気持ちもありつつ、世界で日本のことを知っていただくきっかけになる作品になったらうれしいなと思います。すごく光栄に思います」と声を弾ませた。
広瀬のもとには反響も届いているそうで「人によってそれぞれ答えが違ったり、解釈が違ったりして、見終わったあとにどんな風に伝わるのかなと思っていたんですけど、『スクリーンを見たからこそ聞こえなかった声が聞こえてくるような感覚になった』という言葉をいただいたときは、すごくズシッときたというか、なるほどと思ってうれしかったですね」と吐露した。
 
改めて、本作が公開された心境を聞かれた二階堂は「今年もすごく暑いんですけど、撮影のときもとても暑くて、スタッフの方々もキャストもみんな大変でした。でも、丁寧に妥協なく一つひとつのシーンを作っていく現場でしたので、完成したものを見たときはすべてスクリーンの中に映っているなと感じて、それを今日みなさんに見ていただけてうれしいです」とにっこり。
 
広瀬と初共演した感想や印象について二階堂は「とても頼もしくて、現場で常にずっしりといてくださったので、スタッフの各部署の方々も我々も安心して現場に臨むことができて、本当に頼りになる座長でした」と称賛し、これに照れ笑いを浮かべた広瀬は、二階堂との共演について「この物語を自分で咀嚼していく中で、自分の中にある違和感みたいなものが佐知子さんといると解けるような、ヒモが解けていく感覚があって、この役は二階堂さんしかできないだろうなって思う説得力と、圧倒的存在感を目の前で見させていただいて、すごく刺激的な時間でした」と目を輝かせた。
 
そんな2人の共演について、石川監督は「初共演だと思えないくらい、押すところ引くところあうんの呼吸で2人の息がピタッと合って、見ていても心地よかったですし、編集していても音楽を聴いているみたいな心地良いセッションだったと思います」と舌を巻いた。
 
一方、先日本作の舞台挨拶で長崎にも行ったと、イギリスパートの悦子を演じた吉田は「すずちゃんと監督と一緒に平和祈念像にも献花させていただいて、舞台挨拶でも長崎のみなさまが私たちの言葉にじっと耳を傾けていらっしゃって、全国に先駆けて長崎で本作を公開できたということは、すごく意味のあることだったなと思います」としみじみと語り、「長崎の街って本当に美しくて、異国情緒あふれ、貿易で栄えた街ならではの活気もあって、かと思えば、ちょっと街を歩けば焦げついた建物が残っていたりして、歴史と記憶が混在した街なんだなと、行ってみて改めて感じました。映画を通して長崎について、そして原爆について、日本だけではなく世界の人がもう一度考えるきっかけになったらいいなと思います」と期待を寄せた。
 
本作をどのような思いで紡ぎあげていったのか聞かれた石川監督は「カズオ・イシグロさんが遠い長崎を思いながら書いたものを、我々がバトンを受け取って映画化していったんですけど、長崎の街を歩きながら不思議とカズオ・イシグロさんの頭の中に飛び込んでいくような錯覚に陥りました」と明かし、「みなさんぜひ長崎を訪れる機会があったら、街を歩いていただけると悦子・佐知子がいるような街並みを歩けるんじゃないかなと思います」とおすすめした。
 
また、印象的なシーンを聞かれると、広瀬は悦子が子どもを叱るシーンを挙げ「最近、取材をしていただいたり、監督の答えを聞いている中で『想像以上に強かった』って言われて、(演じ方を)“間違えた?”と思って不安になっていて…(笑)」と吐露し、「現場でも言語化するのが難しくて、監督ともニュアンスで1回お芝居をやって『そっちのニュアンスがいいと思います』みたいなやり取りをしていたんですけど、時間が経って冷静に作品を見て、やっぱ違ったのかなっていまだに不安で…。でも公開しちゃったなって(笑)」とちゃめっ気たっぷりに笑った。
 
同シーンについて、石川監督は「“なんかすごく強く叱ったな”と思ったんですけど(笑)、それを佐知子さんが後ろで見ている図を見て“そういうことか”って逆にこっちが思って、この物語の大きなターニングポイントなので、広瀬すずはそこまで見えているんだと思いながら見ていました」と感嘆し、同シーンで共演した二階堂も「あの強さに引っ張ってもらったというか、監督のおっしゃっている通り、展望台で2人で言葉を通わせるところは心も通うシーンでもあったので、すずちゃんが演じた悦子さんの強さみたいなものがすごく大事な鍵になっていたと思います」とコメントし、広瀬は胸をなで下ろした。
 
一方、1950年代の映画が好きだという二階堂は、佐知子を演じる上で意識した作品や役者はいるかと尋ねられると「名だたる名優の方々が作られてきた映画を参考にしたものはあったんですけれども、どちらかというとドキュメンタリーとか、当時の方々がどういう暮らしをしていたのかとか、どういう社会の中で生きていたのかということを大切にしたいなと思っていたので、資料とかを拝見することが多かったです」と告白。そんな二階堂の演技について石川監督は「二階堂さんは本読みのときから“これが佐知子だ”って説得力のあるものを準備されてきていて、この2人を見ていて全然違う音色の楽器がきたなという気がしたんですけど、展望台では不思議なハーモニーというか、2人が近づいていく様子を見ているだけでも自分もドキュメンタリーを撮っているような気分になりながら、役者さんに恵まれたなと思いながら撮っていました」と語った。
 
そして撮影前に1か月間、イギリスでホームステイをしたという吉田は「向こうって水が硬水なので、毎日シャワーを浴びて髪がバサバサになり、パン食なので肌も乾燥しますし、日本のスタッフさんとは違う現地のスタッフさんで、ヘアメイクさんもそうだったので、『この状態を全部活かしてヘアメイクをしてください』とリクエストしました」とエピソードを明かし、「お料理のレシピをイラスト付きで手書きで書かせていただいて、それを台所の棚に貼ってます。もちろん監督に許可を取って(笑)」と裏話も披露した。
 
さらに、本作の内容にちなみ、“忘れられない記憶”について聞かれると、広瀬は「4・5歳に頃に家族でお寿司屋さんにお昼ご飯を買いに行ったときに、先に車に戻って乗っていたんですけど、みんなが来ないからお店に戻ったんですね。そうしたら反対側から家族が車に戻ってきていたみたいで、そのまま車が発車してお店に置いていかれて、私は泣きながらそれを追いかけて、『おしん』みたいな感じになったのをいまだに覚えています(笑)」と回顧し、「車が全然止まってくれなくて、夢にも出てくるくらい(笑)、フラッシュバックするくらい記憶に残っています」と告白。その後、父親がバックミラーに写る広瀬に気づいてくれて事なきを得たという。
 
二階堂は、高校生の修学旅行先が長崎だったことを明かし「自由時間にそれぞれ好きなところに行けるので、長崎の街を歩いたんですけど、そこに住んでいる方々の生活と歴史をすごく感じる街並みで、それが忘れられない思い出ですね」と懐かしみ、「あのとき、私は友だちはいっぱいいたんですけど、1人でお散歩してみようかなと思ってのことだったので、この作品のご縁があそこから始まっていたのかなと思います」と感慨深げに語った。
 
吉田は、イギリスでホームステイをしていたときに、アンティークショップですてきなデキャンタを見つけたそうで「割れないようにプチプチでぐるぐる巻きにして、大事に持ってきたんですけど、1か月経って撮影隊が用意してくださったアパートに移ったときに、せっかくだからあれに花を挿して、花を眺めながら過ごそうと思って、中を洗って乾かして置いてんですけど、別室で用事を済ませていたら、後ろで“ゴロゴロゴロ、ガシャン!”って聞こえて、行ってみたら粉々に割れていました」と苦笑し、「まさか割れるなんて思っていないから写真を1枚も撮っていなくて、割れた写真を撮りました(笑)。でも、その頃私は撮影に対する不安が大きかったんですけど、それを見た瞬間にパッと楽になったんです。あの子が私の不安を全部持っていってくれたんだなと思いました。でもとってもすてきだったので悲しいです」と残念そうな表情を浮かべた。
 
舞台挨拶の終盤では、二階堂演じる佐知子の娘役を演じた鈴木碧桜(みお)か登場して、4人に花束を贈呈する一幕も。
『遠い山なみの光』『遠い山なみの光』『遠い山なみの光』
広瀬と共演した感想を求められると「本当に演技がお上手で、撮影で一緒に共演したときは、早く広瀬さんみたいに演技が上手くならないかなってずっと思っていました」と胸の内を明かし、広瀬は「また共演できたらうれしいですね」と優しく声をかけた。
 
続けて、鈴木との思い出について二階堂は「こういう(緊張している)一面もあるんですけど、現場では頼りになるところがたくさんあって、監督の言葉一つひとつに丁寧に向き合っていて、碧桜ちゃんを見ていると“確かにこのシーンはこうなのかな”ってこっちが気付かされる瞬間がたくさんあって、子どもの姿をして、実は中に大人が入っているんじゃないかなってドキッとさせられる瞬間もあったりしました。でも今日は久しぶりに等身大の碧桜ちゃんに会うことができて、とてもうれしいです」と目を細め、鈴木は「(二階堂に)どうやったら演技が上手くなるか教えてもらったんですけど、『とにかく練習をすることが大事だよ』って言われたので、いろんなオーディションを受けるときは毎回頑張って練習をやっています」と力強く語った。
 
最後に、締めのコメントを求められた石川監督は「カズオさんから言われて印象に残っているのは、『この物語は歴史の語り直しの話なんだ。だからあなたの言葉で、あなたの解釈で語り直してください』って言われて、こういう映画を作って、今日みなさんに見てもらって、みなさんの解釈で語り直していただけたら、この物語にとって1番幸せなのかなと思います」と語り、「いろいろな解釈ができる映画ですが、記憶の物語なのでどれが正解とかではなくて、みなさんがどう捉えたのかというのが正解なのかなと思っているので、ぜひみなさんの言葉で語っていっていただけたらなと思います」とお願いした。『遠い山なみの光』
 
広瀬は「長崎の歴史や当時を生き抜いた女性たちは、正直、このお仕事をするまでは自分とは近い存在ではなかったんですけど、役を通して、作品を通して、自分ごとのように感じられる作品でした。それが自分だけじゃなくて、この作品を見てくださった多くの方にも知ってもらえるようなきっかけになったらいいなと、誰かの希望になる作品になったらいいなと思っていますので、余白のある作品ですがみなさん心と言葉で埋めてもらえたらうれしく思います」とメッセージを残した。
『遠い山なみの光』
 

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『遠い山なみの光』

 
大ヒット上映中
 
カンヌ国際映画祭、上海国際映画祭に続き、トロント国際映画祭への出品も決定し、海外でも益々評価を高める本作が満を持して日本で公開となりました。
メインキャストの広瀬すず・二階堂ふみ・吉田羊と石川慶監督が登壇!
花束ゲストとして、広瀬&二階堂もその演技を絶賛の子役・鈴木碧桜(みお)が登場!
 
イベントには、1950年代 長崎時代の悦子を演じた広瀬すず、悦子が長崎で出会った不思議な女性 佐知子役を演じた二階堂ふみ、1980年代のイギリスで暮らす悦子を演じた吉田羊、石川慶監督が登壇します。5月のカンヌ国際映画祭への出品に引き続き、6月の上海国際映画祭、9月にはトロント国際映画祭への出品も決定した本作。海外からの評価も益々高まる中、イベントでは映画の撮影秘話を語るほか、一緒のシーンが多かった広瀬、二階堂が口を揃えて「お芝居が素晴らしかった」と称える佐知子の娘 万里子役を演じた子役の鈴木碧桜(みお)がお祝いに駆けつけ、広瀬、二階堂、吉田、石川監督に花束を贈りました。
 
戦後80 周年となる 2025 年の夏にスクリーンに描かれるこの物語は、終戦間もない長崎という、まだ過去にしきれない「傷跡」と、未来を夢見る圧倒的な「生」のパワーが渦巻いていた時代を生き抜いた女性たちの姿を鮮明に描き出す。先の見えない時代を生きる私たちに前へ進む勇気をくれる、感動のヒューマンミステリー。
 
物語・・・
日本人の母とイギリス人の父を持ち、大学を中退して作家を目指すニキ。彼女は、戦後長崎から渡英してきた母悦子の半生を作品にしたいと考える。娘に乞われ、口を閉ざしてきた過去の記憶を語り始める悦子。それは、戦後復興期の活気溢れる長崎で出会った、佐知子という女性とその幼い娘と過ごしたひと夏の思い出だった。初めて聞く母の話に心揺さぶられるニキ。だが、何かがおかしい。彼女は悦子の語る物語に秘められた<嘘>に気付き始め、やがて思いがけない真実にたどり着く──。
 
遠い山なみの光

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原作:カズオ・イシグロ/小野寺健訳「遠い山なみの光」(ハヤカワ文庫)
監督・脚本・編集:石川慶 『ある男』 
出演:広瀬すず 二階堂ふみ 吉田羊 カミラ・アイコ 柴田理恵 渡辺大知 鈴木碧桜 松下洸平 / 三浦友和
製作幹事:U-NEXT
制作プロダクション:分福/ザフール
共同制作:Number 9 Films、Lava Films
配給:ギャガ 助成:JLOX+ ⽂化庁 PFI 上映時間123分
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