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公開記念トークイベント坂本龍一の最後のピアノ・ソロ演奏を記録した、長編コンサート映画『Ryuichi Sakamoto | Opus』が5月10日(金)に全国公開いたしました。全国公開を記念して、坂本龍一と親交のあった音楽家の大友良英氏と思考家/批評家/文筆家の佐々木敦氏を迎えトークイベントが行われました。 公開記念トークイベント日付:5月10日(金) |
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大友良英、佐々木敦登壇上映後、盛大な拍手に迎えられて登壇した大友と佐々木。2人とも坂本とは親交がある仲で、その出会いについて大友は「2010年の坂本さんのラジオ番組で即興演奏をしたことがきっかけです」と、NHK‐FMで坂本が毎年正月にDJを務めていたラジオ番組「坂本龍一 ニューイヤー・スペシャル」での即興演奏から交流が始まったことを告白。 監督に話を伺う機会があったという佐々木は、「もう人前でコンサートをすることができないため、自分の演奏を1本の映画として遺しておきたいという坂本さんの自らの想いで始まったプロジェクト」と本作が作られたきっかけについて語った。坂本本人が自ら選曲した楽曲について「有名な曲から敢えて演奏したかったのではと思わせるようなものもあってとても幅広い。歴代のアルバムから選曲されているので自分が聞いていた時の思い出が蘇ってくるはず」と分析。大友は「音も映像も素晴らしく、音楽を聴くために映像が作られていると感じました。最初から最後までパーフェクトな音楽映画でした」と大絶賛。演出方法について大友は、「途中で坂本さんが“もう一回やろうか”というシーンがありますよね。坂本さんが生きていたらもしかしたら使われなかったかもしれませんが、とてもリアルで即興性が宿っており、大切なシーンだと思います」、佐々木は「最初の演奏の時に坂本さんに近づいているような撮り方が観客をコンサートの世界に引き込んでいる」とそれぞれ印象的な場面を振り返った。また本作が「SAION」「Dolby Atmos」「Odessa」といった劇場の“音”にこだわったスクリーンで上映されることにも言及し2人とも揃って「音が本当に良い作品なので、色んな音響環境で聴き比べて欲しい」と太鼓判を押した。改めて本作について、大友は「年老いていく音楽家のかっこいい振舞い方を見せてくれたような気がします。この映画を今観ることができて本当に良かったです」、佐々木は「坂本さんのラストメッセージであり遺書のような映画だと思います。この作品を通じて音楽家、坂本龍一とまた出会いなおしていきたい」と最後は坂本に想いを馳せるようにしみじみと振り返った。 2人が旧知の仲ということもあり話が尽きず、会場も熱心に耳を傾けながらも終始和やかなムードでトークイベントは幕を閉じた。 |
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『Ryuichi Sakamoto | Opus』109シネマズプレミアム新宿ほか全国公開中 公式HP: X(旧Twitter) 坂本龍一自身が選曲した20曲で構成 『Ryuichi Sakamoto | Opus』 セットリスト・Lack of Love
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配給:ビターズ・エンド
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