映画情報どっとこむ ralph 舞台挨拶付き上映会

『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』(通称・デデデデ)の前章が3/22(金)より全国劇場公開となります。
デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション
 この度、本作が東京アニメアワードフェスティバル2024招待作品に選ばれたことを記念し、 3月19日(月)に舞台挨拶付き上映会を実施。イベントには本作のアニメーションディレクター・黒川智之とアニメーションプロデューサー・本多史典が登壇し、足掛け7年にも及ぶ本作の製作秘話や豪華キャスティングの裏話などをたっぷりと語りつくした!
デデデデ
『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』前章舞台挨拶付き上映会
日程:3月9日(土)
会場:グランドシネマサンシャイン 池袋
登壇:黒川智之アニメーションディレクター、本多史典アニメーションプロデューサー

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黒川智之、本多史典登壇

この日の朝、「ちびまる子ちゃん」の主人公・まる子役で知られ、本作でも劇中に登場する漫画のキャラクターであるデベ子役の声を担当している声優のTARAKOさんの逝去が発表された。訃報に接し本多さんは「すぐに黒川さんや他の方からも連絡をいただいたのですが、言葉がなかったです」と悲痛な思いを吐露。黒川さんも「まだショックが明けない感じではあるんですが…。この作品の(TARAKOさんのパートの)収録は去年の5月頃で、その頃は元気なお姿で、気合いを入れて臨んでくださって、テストの時にものすごいハイテンションで演じて下さり『そこまでやらなくていいです』とちょっと抑えてもらったりしたくらい、本当にエネルギッシュでパワフルな素晴らしいお芝居をしていただいたのが昨日のことのように思い出されます」と在りし日を偲んだ。

トークでは、企画からアニメーション化にいたるまでのプロセスについて詳細に語られた。企画立ち上がったのは、単行本の11巻が出た頃。最終的に全12巻となった原作を2本の映画の脚本にまとめる必要があったが、本多さんはこのシナリオ化のプロセスを「本当に大変でした」と述懐。「最初のほうで、黒川さんが『この作品にとって一番大切なことは何ですか?」と浅野先生に聞いて、そこで『おんたん(凰蘭)と門出の話なんです。そこが絶対なんです』とおっしゃられて、そこを中心に据えて、組み立てていきました」と明かす。

脚本を担当した吉田玲子さんを交えて脚本会議が行なわれたが、黒川さんは「とてもじゃないけど、全部は入りきらないので、吉田さんと『どこを活かしてどこを切るのか?』という部分について時間をかけて話しました。原作の後ろのエピソードを前に持ってきたり、大胆なアレンジを加えていますが、吉田さんが百戦錬磨で、構成もエピソードの抽出も、原作をじっくりと読み込み、分析して、率先してシナリオで活かすエピソードを選んでくださいました」とふり返る。

一方で、絵コンテの制作は予想以上に大変だったよう。黒川さんは「この作品は特に、浅野先生の画の魅力がものすごいので、原作のコマで使えるところは使っていき、それを映像として成立させるためにまとめていくという作業でした。最初は『原作の画を使えるんだから楽かな?』と思っていたんですが、そうではなく、漫画と映像でいろんな約束事が全然違う。コマをそのまま並べても絵コンテにはならず大変でした」とふり返る。

門出やおんたんたちの会話が本作の大きな魅力のひとつ。門出の声をシンガーソングライター幾田りらが担当し、おんたんの声を声優初挑戦となるあのが担当している。

あのさんは、オーディションを経てキャスティングされたが、黒川さんは「(オーディションの場に)浅野先生もいらしたんですが、画も何もないところでお芝居を聴いただけで、全員がしびれる感じで『あ、凰蘭だ…』というのがありました」と明かす。

門出役の幾田さんに関して、黒川さんは「あのさんの凰蘭に対し、門出は誰にお願いするのがふさわしいかというのは非常に悩みましたが、チームのひとりから幾田さんという案が上がり、浅野先生を含め『幾田さんしかいない』ということになりお願いさせていただきました」と明かし、改めて2人による凰蘭&門出について「初回のアフレコで門出と凰蘭そのものという感じで、(収録中に)芝居に対して『もうちょっとこうして』というのがほとんどなかったです。2人の役の解釈とそこから出てくるお芝居が的確過ぎて、アフレコは順調でした」と語った。

本多さんも「本当に素晴らしかったです」と2人の演技を絶賛。特に幾田さんとあのさんが一緒にアフレコに臨んだ小学生時代の門出と凰蘭の掛け合いのシーンは「毎回、観るたびに泣いちゃうんですよ」と語るほど。

このシーンは、2人が一緒にアフレコに臨んだが、黒川さんは「テストを聴かせていただいたら、すごい迫力で『これは何度も録るもんじゃないな』と思いました。1~2回で出たものを受け取るしかないという感じでした」と惜しみない称賛を送る。また、このシーンの作画に関しても「アニメーターさんもすごく大事なシーンということで『アフレコに合わせて作画します』とおっしゃってくださりました。日本のアニメではなかなかできないやり方でした」と説明し、その出来栄えへの自信と手応えを口にした。

本作は制作スタッフにもトップクラスのスタッフが集結! キャラクターデザインと作画総監督を務めた伊東伸高さんに関して、本多さんは「『ジョバンニの島』でもご一緒した伸高さんにお願いしました」と語り、黒川さんは「伸高さんにやっていただける段階で、ほぼ『お任せします』という感じで、言うことはありませんでした」と全幅の信頼を寄せる。

もうひとつ「すごく大変だった」(本多さん)というのが背景美術。西村美香さんが美術監督を務めているが、浅野先生の漫画が実際の風景をベースにした背景が大きな魅力となっており、本多さんは「(漫画で使用した)写真を浅野先生にいただいたんですが、「これはどこから撮ったんだろう?』というところから始まって、特定班を作ってグーグルマップのストリートビューで調べて…というのをずっとやって、それをアニメの画に落とし込むのに苦心しました」と述懐。

黒川さんも「浅野先生の作品を読むと、ちゃんとカメラやレンズ、光があって映画的な切り口で描かれているんですね。頭の中にちゃんと映画的なカメラがあるので、どこから遠くは省略したら自然に見えるかというのはテストを重ねました」と緻密な制作のプロセスを明かしてくれた。

トークの最後に、黒川さんは「映画はお客さんの手に届いて、初めて完成するものと思っているので、これだけたくさんの方に観ていただけるのが嬉しいです」と感謝の思いを口にし、温かい拍手の中でトークイベントは幕を閉じた。

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『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』

3月22日(金)より公開。

映画公式X:
@dedededeanime

公式HP:
https://dededede.jp
デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション

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■キャスト
幾田りら  あの  
種﨑敦美 島袋美由利 大木咲絵子 和氣あず未 白石涼子
入野自由 内山昂輝 坂 泰斗 諏訪部順一 津田健次郎

■スタッフ
アニメーションディレクター:黒川智之 シリーズ構成・脚本:吉田玲子 世界設定:鈴木貴昭 
キャラクターデザイン・総作画監督:伊東伸高 色彩設計:竹澤聡 美術監督:西村美香
CGディレクター:稲見叡 撮影監督:師岡拓磨 編集:黒澤雅之
音響監督:高寺たけし 音楽:梅林太郎 アニメーション制作:Production +h.

原作:浅野いにお「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」(小学館「ビッグスピリッツコミックス」刊)
アニメーション制作:Production +h.
製作:DeDeDeDe Committee
配給:ギャガ
©浅野いにお/小学館/DeDeDeDe Committee
主題歌:前章「絶絶絶絶対聖域(よみ:ぜぜぜぜったいせいいき)」 ano feat. 幾田りら|後章:「青春謳歌(よみ:せいしゅんおうか)」 幾田りら feat. ano

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