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永遠の時を駆けろ長倉洋海の一人称で、切れ良く語り進めてゆくハードボイルド作品 「写真家は過去にさかのぼり未来を見通すシャーマン。」写真家・長倉洋海は、鋭いカメラアイで世界を見つめ、愛をこめて人間を写してきた。運命的な出会いにも恵まれた。“文明の十字路”アフガニスタンでソ連軍と戦った抵抗運動の指導者・マスードと仲間たち。ドキュメンタリー『鉛筆と銃 長倉洋海の眸(め)』は、2001年に48歳の若さで自爆テロに倒れたマスードの教育への思いを共有すべく今も支援を続ける北部パンシール渓谷の山の学校の記録。歴史は、とぎれることなく流れつづける大河である。長倉はその岸辺に立ち、森羅万象にレンズを向け、人類の業を見たのか、希望を見つけたのか? 長倉のマスードの戦いや山の学校の子どもたちを捉えた作品群は、第十二回土門拳賞、講談社出版文化賞などを受賞。2017年にNHK ETV特集「アフガニスタン・山の学校 マスードと長倉洋海の夢」を製作した河邑厚徳監督は、コロナ禍以前からアフガニスタンを取材し、長倉に密着して本作を制作。この間、アフガニスタンでは大きな変容もあり、一時はカメラマンなどの現地スタッフや映像データの所在も危ぶまれたが、無事2023年7月に完成。9月12日(火)より東京都写真美術館ホールほか全国順次公開されることが決まっている。 東京都写真美術館ホール9/12(火)〜9/24(日) <トークイベント ゲスト一覧>9/13(水)18:50〜の回 稲垣えみ子(元新聞記者) この度、公開を前に、予告編、追加場面写真、柳田邦男(ノンフィクション作家)、稲垣えみ子(元新聞記者)、サヘル・ローズ(俳優・タレント)の推薦コメントが到着しましたのでご紹介。 |
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予告編
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追加場面写真 |
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推薦コメント<柳田邦男(ノンフィクション作家)>魂のカメラアイ 長倉洋海さんのカメラアイは、魂のコミュニケーションだと、かねて感じてきた。見る者の心を無条件に惹き付けてやまない紛争地や文明の最果ての地のこどもたちの屈託のない笑顔たち。そして、この映画で最も感銘を受けたのは、アフガニスタンの真の民族的独立を目指していたゲリラのリーダー・マスードの濁りなき少年のような笑顔。品格のある笑顔だ。そして、貧しき建屋の中でも、斜面の草むらの中でも、静かに読書する姿。彼が希求したアフガンの未来とは何だったのか。彼亡き後、長倉さんたち日本の支援団体の基金で建てられた学校でひたむきに学ぶこどもたちの表情を丁寧に追うことで、マスードのスピリッツの存在証明を描き出したのだと、私は受け止めた。 <稲垣えみ子(元新聞記者)>この映画は、数々の賞を受賞した著名な写真家の輝ける経歴を描いた作品ではない。かつて、決定的瞬間をモノにして世界に打って出んという「わかりやすい野心」に取り憑かれていた普通の若者が、もがき、挫折し、しかしそこから一歩ずつ這い上がって、今も「自分が本当に求めているもの」を、人々との出会いの中で追いかけ続けている、いわば70代の青春映画である。 <サヘル・ローズ(俳優・タレント)>銃で奪われた命鉛筆がもたらした人権鉛筆で残せた歴史銃が潤した世界写真が語りだしコトバが響き渡る可哀想不運で、片づけられていく不条理な世界その、一瞬一瞬をシャッターで包んでいく写真に写る少年少女街並み、人々が今もこの世界で生きていてほしい生き延びていくために銃を握りしめる人々生き延びるために鉛筆を握りしめる人々どちらに未来が根づくのか映画を通してアナタの答えを見つけてほしい。 |
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『鉛筆と銃 長倉洋海の眸(め)』9月12日(火)〜9月24日(日)東京都写真美術館ホールほかにて公開 公式サイト: 公式X: 公式Facebook: 大学で探検部に属していた長倉洋海は、ベトナム戦争の報道写真に憧れ報道カメラマンを目指す。「目の前で現代史が動きその1ページがめくられていく。自分自身がその現場に立ち感動したい」と通信社に入社したが、希望が叶わず、1980年、3年で退社しフリーに。 1982年、中南米エルサルバドルで当時3歳の少女・ヘスースと出会い、「出来事を取材するニュース写真ではなく、現場に何年も通い一人の人間を見続ける」という長倉のスタイルが生まれる。 1983年、侵攻したソ連軍に抵抗する戦いが続いていたアフガニスタンで、若き司令官マスードの撮影を決意。100日間イスラム戦士(ムジャヒディン)と共に行動し、二人は強い信頼関係をつくりあげていく。 2001年9月9日マスードはアメリカ同時多発テロの2日前にイスラム過激派により暗殺される。マスードの1周忌に初めてパンシール渓谷の山の学校を訪れた長倉は、マスードが資材を提供し、村をあげて小さな学校を守り続けていると聞き、心を動かされる。長倉は、マスードの教育への想いを受け継ぎたいとNGO「アフガニスタン山の学校支援の会」を設立して支援を決意。まず手元にあった寄付金を生かし、机や椅子などを提供する。その後も長倉は、このイスラムでは珍しい小さな男女共学の学校へ毎年のように通い、子供たちの成長を撮り続ける。 |
監督・撮影 河邑厚徳
製作・著作 アフガニスタン山の学校支援の会
ルミエール・プラス
配給宣伝 アルミード
©2023 アフガニスタン山の学校支援の会 ルミエール・プラス