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『宇宙の彼方より』2023年6月3日(土)より下北沢トリウッドほかで全国順次公開を迎える映画『宇宙の彼方より』を手掛けたフアン・ヴ監督のオフィシャルインタビューを公開。第2弾応援コメントも到着。 |
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オフィシャルインタビューこのたび、映画『宇宙の彼方より』を手掛けたフアン・ヴ監督のオフィシャルインタビューが到着しましたので、ご紹介。 Q.『宇宙の彼方より』がどのようにして制作されたのか教えて下さい。 フアン・ヴ 監督(以下、フアン):プロデューサーであるヤン・ロスとの出会いがきっかけです。 Q.原作小説に記された「色」を映像化するにあたり、どのような苦労がありましたか。 フアン:本作に登場する「色」という抽象的な恐怖対象を、視覚効果によってどこまで印象的なものを作れるかが課題でした。 まず頭に浮かんだのは、アニメ映画『ヘヴィメタル』(1981)に登場した、泡のような緑色の球体です。 この映画を10代の頃に観て、緑色の球体を何か邪悪なイメージとして思い出しました。ラヴクラフトの著述した「色」にも近い印象を受けました。 私たちが頭で考えていた通りのものが描けなかったので、この15年で我々が身につけたノウハウと最新のテクノロジーを駆使して、新しく作り変えたいと今でも悩むことがあります。 Q.本作の視覚効果を演出したヤンさんは現在どのような仕事をされていますか。 フアン:ヤンは現在もVFXの分野で活躍していて、シュトゥットガルトにあるRISE visual effects studiosで働いています。シュトゥットガルトにはアニメーションやVFXの制作スタジオが多く存在し、才能のある人々が集まっていますが、ヤンが勤めるスタジオは映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)、『エターナルズ』(2021)、ドラマ「ホークアイ」(2021)など、多くの大作映画に携わっています。視覚効果部門でアカデミー賞を受賞するなど大成功を収め、ヤンは今も超大作のプロダクションに関わっていますが、機密保持によって明かすことができません。 Q.世界初の劇場公開を日本で行うにあたり、どのような心境ですか。 フアン:この映画を完成させた当初、私は「日本でも多くの方に観てもらいたい」と考えていました。しかし言語の壁だけでなく、海外配給のパートナーを探すのにも難航し、完成から多くの月日が経過した中で「古い映画」となってしまったことから、次第に日本での劇場公開は諦めてしまいました。ですが今回、日本での劇場公開、それも“世界初”の劇場公開がついに実現できた。これ以上の嬉しいニュースはありませんし、10年以上も前に作られたこの映画が今、新たな観客の元に届けられるチャンスを得られたことは、本当に素晴らしいと感じています。 |
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応援コメントさらに主演映画『PLASTIC』の公開を控える小川あんをはじめとした応援コメントが到着しました。 SF映画として身構えていたら、遥かに超えてきました。クライムサスペンスのようなオープニングに目が離せなくなり、退廃的な空間を彷徨うカメラワークと物語の美しい構造に魅了される。そして現れる、紫の光。それこそがSFという名を被せた解明できない、フアン・ヴのセンスの塊。観客は確実にその光に取り込まれる。 まもなく水底に沈む寒村に古井戸、さらにその底に潜む何か。 容赦なく襲いかかる静かで不可思議な恐れと絶望… 白黒の世界の中、襲ってくる静かな恐怖…この作品はただのSF映画では無い。 |
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『宇宙の彼方より』公式HP: 公式Twitter: 『宇宙の彼方より』は、クトゥルー神話の生みの親として知られるH•P•ラヴクラフトが1927年に発表した小説『宇宙の彼方の色(原題:The Color Out of Space)』を原作としたドイツ映画。 「映画史上、最もラヴクラフト=“原典”の魅力を忠実に描いた作品」という呼び声も高い本作は、ベトナム系ドイツ人のフアン・ヴ監督が“原典”を崇拝しつつも、ラヴクラフトが唱えた“宇宙的恐怖”をより拡大すべく、フアン監督の両親が移民を決意したベトナム戦争下の1975年のアメリカと第二次世界大戦下のドイツを新たに作品の舞台にするなど、独自の解釈を盛り込んだ野心作だ。 製作から10年経った今なお、ヨーロッパの数多くの映画祭に入選。2022年11月に開催された28年の歴史を持つフランスの映画祭、レトランジュ・フェスティバル・パリでも上映されるなど、今も世界各地を魅了し続けている本作が、原作小説発表から95周年の現在、ついに日本の劇場へと辿り着いた。 STORY |
原作:H・P・ラヴクラフト
制作総指揮:ペーター・ティリッシュ
制作:ヤン・ロス
制作・監督・脚本・編集:フアン・ヴ
撮影監督:マルティン・コルベルト 音楽:ティルマン・シージ
出演:マルコ・ライプニッツ、ミヒャエル・コルシュ、エリック・ラスタッター、インゴ・ハイセ、ラルフ・リヒテンベルク
2010年/ドイツ/ドイツ語・英語/セレクトカラー/シネスコ/DCP/89分/原題Die Farbe
字幕監修:森瀬繚/タイトル協力:グループSNE/配給協力:滝澤令央、モクカ(阪神地域)、todoiF/発売元:アシスト、オデッサ・エンタテインメント
配給:Cinemago
©︎SPÄRENTOR, Studio / Produzent / Cinemago