小田小豆役/織田ひまりインタビュー
Q.映画初出演にして初主演が決まった時の心境を教えてください。
A.「オーディションに合格しました!」とマネージャーさんから報告をもらって、びっくりしたけれどすごくうれしかったです。少し時間が経ってから、だんだん実感してきて…。演技の経験もほとんどないし、何が正解かも分からないので「私で大丈夫かな」と不安や心配を感じるようになりました。
Q.不安や心配をどのように解消していったのでしょうか?
A.演技の先生をつけていただき、台本を一緒に読みながら「このシーンでの小豆ちゃんの気持ちは?」「どうして小豆ちゃんはこの言葉を発したのか?」など、小豆という役をしっかり理解するところから始めました。小豆を理解できるようになると、少しずつですが不安は安心に変わっていきました。
Q.小豆はどのようなキャラクターですか?
A.「THE 思春期の女の子!」です(笑)。狭い家にも家族のことにも不満だらけなんです。押し入れに引きこもり、誰にも見えないところで大好きな音楽を聴いたり、ダンスが好きという一面もあって…。自分が好きなものをちゃんと持っている子だと思いました。
Q.織田さん自身は家族と仲良しなので、お父さんやお母さんが嫌だという小豆ちゃんの気持ちが分からないというコメントも。気持ちを理解するのにどのようなアプローチをしたのでしょうか?
A.自分が思っていることを素直に全部は言えない気持ちは、分かるような気がしました。共通点をきかっけに徐々に理解していけたので、自分と似ているところを探していきました。小豆だけを理解するのではなく、お父さんやお母さんとの関係性も理解することが大切だと演技指導の先生にアドバイスしていただいたので、登場人物を紙に書き出して、相関図を作りそれぞれの気持ちを考えることを心がけていました。
Q.撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?
A.スタッフさんがとにかく温かかったです。映画の現場はみんな忙しくて緊張感が漂っているイメージでしたが、ハードなスケジュールが続いても、みなさんすごく優しく接してくださって。役者が第一という優しい空気の中で過ごさせていただきました。共演者の方たちも「一緒に台本を合わせよう」と声をかけてくださり、アドバイスもたくさんいただきました。撮影中は家族よりもスタッフさんや共演者のみなさんと一緒にいる時間のほうが長かったので、現場が安心できる場所でよかったです。
Q.共演者の方と芝居について話す機会も多かったのでしょうか?
A.台本に「涙を流す」と書いてあり「泣くってどうやるんだろう?」と思い、お母さん役の田中美里さんに「いつもどうしているんですか?」と伺ったところ、それまでに小豆が経験したこと、感じたことなどを思い出すようにとアドバイスしていただきました。演じているのは今のシーンでの「泣く小豆」だけど、ストーリーは全部つながっているからと。何度か撮り直しはしましたが、アドバイス通りに演じることで涙も自然に流れました。これからはもっと感情を自由に動かせるようになりたいと思った瞬間でした。田中さんのアドバイスにはすごく感謝しています。
Q.ストーリーにはどんな印象を持ちましたか?
A.すごくリアルだと思いました。実際にいそうな家族の関係性が描かれていたので、イメージしやすかったです。ただ、想像できてもそれをすぐに演技に反映させるには、まだまだお芝居の経験が足りないのですごく難しかったです。泥人形とか魔女とか現実味のない言葉も出てきたけれど、幼なじみと楽しく過ごしたり、学生っぽい描写もあったので、映像でどんな風に表現されるのか、台本の段階からすごく楽しみでした。
Q.出来上がった映像を観た感想は?
A.最初は画面に映る自分に「これは誰?」って(笑)。普段、自分を客観的に観る機会はほとんどないので、とても不思議な気持ちになりました。でも、撮影当時15歳の自分ができるすべては出し切ったつもりです。「もっと上手にできたかも」と思う部分がないわけじゃないけれど「まだまだ“のびしろ”がある!」と見方を変えて、もっと頑張っていこうと思いました。
Q.大阪、神戸、京都での撮影で印象に残っていることはありますか?
A.スタッフさんの中に関西の方もいて、関西弁出まくりのおしゃべりでリラックスもでき、本当に心強かったです。自然が大好きなので、山の中など自然がいっぱいの場所での撮影はすごく楽しかったです。猫ちゃんがたくさんいる場所では癒されながら撮影ができました。主演なので香盤表はみっちり。当然出演シーンも多くて忙しくかったけれど、大変というより楽しくて充実した時間を過ごせたという印象が強いです。
Q.第 9 回日本制服アワードグランプリ受賞の織田さんの制服姿も見どころではないでしょうか。
A.制服のシーン、たくさん出てきます。制服でのダンスシーンの撮影はいい思い出になりました。ダンス部のみなさんのダンスはキレッキレで美しく揃っていて、すごくかっこいいです。私も必死についていきました。最後はみんなで写真を撮ったりして、青春を味わったような感覚です。
Q.映画を楽しみにしている方にメッセージを!
A.小豆が成長していく姿を見て元気になってもらいたいし、「自分もちょっと頑張ってみよう」という気持ちになってもらえたらうれしいです。ぜひ、劇場でご覧ください。
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