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公開記念トークイベント

1990年代、細眉、リップライナー、光と影を駆使して立体感を出す「コントゥアリング」などその⾰新的なモードメイクによって世界を席巻したケヴィン・オークインの生涯を追ったドキュメンタリー『メイクアップ・アーティスト:ケヴィン・オークイン・ストーリー』の公開を記念して、リップだけで100 本以上も持っているというゆうたろう(俳優/モデル)がトークイベントに登壇し、本作やご自身について語りました!
ゆうたろう_トーク中
公開記念トークイベント
日時: 10月10日(月・祝)
場所:ホワイトシネクイント
登壇:ゆうたろう(俳優/モデル)

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ゆうたろうトークイベント

“ジェンダーレス男子”とも呼ばれるゆうたろうはメイクとの出会いについて、「15 歳位のとき、まだ自分の中でもメイクは女性がするものという認識でした。姉が二人いて、(メイクする)二人を見ているのが楽しな、面白いなというのが最初の出会いです。地元・広島のファッションショーに初めて出させてもらった時に、お姉ちゃんにメイクしてもらって、『自分がこんなに良く見えるんだ』と衝撃で、そこから姉のコスメを借りたり、薬局にコスメを買いに行ったりしました。『自分はどういうメイクが似合うんだろう』と考える時間が楽しかったです。服に合わせてポイントメイクを足したり、毎日色んな自分に変身できるのが服とメイクで、10 代の時はそれが楽しかったです」と話した。ゆうたろう_トーク中
ゆうたろうは、マスクをつけないと家に出られない位ご自分の顔が嫌いだったとのこと。「メイクはマイナスをプラスにするものではなくて、マイナスをゼロ、フラットにするものだと思っているんです。まだまだ自信があるとは言えないです。メイクは、もともとあった自分の変身願望を叶えてくれるものです。ヘアスタイルもそうですけれど、メンズライクのときもあればスカートやワンピースを着たりレディースっぽく着る時もあるので、毎日新鮮な自分を楽しめるという感覚に近いです」と語った。
本作の劇中、ケヴィン・オークインは妹をメイクの実験台にしていたことが紹介されている。ゆうたろうは、「最初はメイクをしてもらっていた側なんですけれど、好きなのに似合わない色を発見してちょっとした絶望を味わって、姉なら似合うのかもしれない、とメイクのし合いっこを休日にしています。『女の子だったら、つけたかったリップだな』だとか、自分自身が男だというのを認識した瞬間でもありました」とのこと。
ゆうたろう_トーク中
ゆうたろうは、「俳優としてのお仕事の時は、ゆうたろうではなく役のメイクなのでメイクさんに任せするんですけれど、”ゆうたろう”としての仕事は、基本的に自分でメイクをします。一度雑誌のメイクの特集があって、アイラインやマスカラなど普段自分ではしないメイクをがっつりやってもらった時は、初めての自分に出会えました。メイクを始めて 6~7 年だったけれど、『こんな自分がまだいたんだ!』という位、新しい自分に出会えました。それは、他人にメイクしてもらったからこそ味わえる自分との出会いで、衝撃的でした」とエピソードを語った。

注目しているメイクアップ・アーティストとして、小田切ヒロを挙げた。「ご自身のことを”アンドロジナス”とおっしゃっていて、男性的な主観もあれば、女性的な主観もあって、人に合わせていらっしゃる。一つ一つの言葉に納得させられます」とオススメした。
ゆうたろうは、本作でケヴィン・オークインのことを知ったという。ケヴィンが流行らせたメイクについては、「当時のヴォーグなどのファッション誌とかのメイクを見て、もうすぐハロウィーンもあるし、普段したいけれどできないような激しいメイクも、今だったらできるかもしれない、参考にしたいと思った」と話した。
本作を観て、メイクアップ・アーティスト以外の部分のケヴィンについては、「やりたいことをずっとやってきて、それを周りが必死でサポートしてきたというのがわかりました。弱音を吐く映像を見た時に、当たり前だけど天才と言われた人もこんなに自分を追い詰めている、こんな映像も撮っているんだとびっくりしました。天才だからこそ悩むこともあるだろうし、いろんな人に迷惑をかけてると本人も言っていたし、天才だからこその苦労を見れたことは興味深かったです。」と語った。
ゆうたろう_トーク中
ケヴィンは子供時代、学校の先生にまでいじめに遭った話も出てくる。
ゆうたろうは「今ではメンズがメイクすることは少しずつ理解されていますし、ブランドの中でもメンズの人がスカートを履くこともありますけど、僕が広島に住んでいた 10 年前ぐらいはそれすらなかったです。スカートを試着したら店員さんに『え?』って顔をされたりしました。プラスに変えて会話してくれる人もいました。メディアに出始めた時は、いい意味でも悪い意味でも“新人類”という見られ方をしていました。『自分は普通じゃないんだ』とか、『自分が好きなことを突き詰めてたら気分を害する人もいるんだ』と気づいて受け止めつつも、自分のスタイルは変えずにやっていったら、“ジェンダーレス”や“ノー・ジェンダー”とか
“ボーダーレス”という言葉が溢れる世の中になってくれたので、少しずつ受け止めてくれる人が増えたのかなと思います。諦めなくてよかったと思います。普通という言葉に翻弄されずによかったなと今となっては思います」と嬉しそうに話した。

コスメを買うのに抵抗はなかったかという質問には、「デパートに買いに行くのは最初は緊張したけれど、店員さんが当たり前のように優しく接してくれたから、『僕もここにいていいんだ』という気持ちになれた」と感謝の意を示した。
“ジェンダーレス男子”と一言で定義されることについては、「日本は“●●系”だとか、ジャンルにすることが多いと思います。わかりやすくていいなとは思いますけれど、その中でも一人ひとりメイクにこだわりがあって、スカートを履く人がいれば、履かない人もいるし、髪の毛を伸ばす人もいれば伸ばさない人もいるし、絶対的にそれぞれのスタイルがあるので、一括りにされるのは悔しい部分もあります。」と本音を語った。

劇中、ケヴィンがブルック・シールズらに男装させる性差をも超えるメイクで、美の固定観念に挑戦していた姿も紹介されている。ゆうたろうは、「女性を男性的なメイクにしたりだとか、同じ人とは思えないほどガラッと変えていた。それを当時からやってるケヴィンをすごいなと思いました。もし生きていればいつかメイクして欲しかった」と残念そうに話した。
他に劇中で注目してほしい部分に関しては、「周りの人や友人やマネージャーにインタビューしているので、ファッションスタイルなど当時の映像とのギャップを感じてもらえればと思いますし、本人の口からは語られなかったコメントを、今周りの方が口にされる瞬間はグッときました」と話した。
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最後に、「僕も作品を通じていろんなメッセージをもらい、言葉や技術は刺激になりました。ケヴィンの生き様に背中を押してもらえるような映画になっています。知らなかったからこそこの作品を見てケヴィンのファンになりました。ぜひ色んな見方をしてほしいです。」とメッセージを送った。

映画情報どっとこむ ralph 『メイクアップ・アーティスト:ケヴィン・オークイン・ストーリー』
原題:Larger Than Life: The Kevyn Aucoin Story
2022/09/16 19:09 メイクアップ・アーティスト:ケヴィン・オークイン・ストーリー
公式サイト:
@aucoin/ 

1990年代、細眉、リップライナーが流行、そして光と影を駆使して立体感を出す「コントゥアリング」が爆発的に広まった。その革新的なモードメイクによって世界を席巻したのは、21才の若さでレブロンのULTIMAのクリエイティブ・ディレクターとして起用され、資生堂ブランドINOUIの全盛期のクリエイターだったことでも知られる天才メイクアップ・アーティスト――ケヴィン・オークイン。しかし、頂点を極めた彼は、頭痛と共に精神的苦痛に長年悩まされ、鎮痛剤の中毒で2002年に40際の若さで突然の死を遂げる。

本作では、時代を作ってきたケヴィンが、飾りすぎることを認めない風潮だった時代につけまつげを使ったり、極細眉を流行らせたり、全世界で2000万枚を売り上げたジャネット・ジャクソンのアルバム「Janet.」のジャケットの撮影をした際の裏話を紹介するほか、ケヴィンが多様性を意識し、”典型的な若い美人”とは違ったライザ・ミネリのメイクや、ブルック・シールズらに男装させる性差をも超えるメイクで、美の固定観念に挑戦していた姿も紹介。

CFDAファッションアワードのベスト・メイクアップ・アーティスト賞を史上初めて受賞したほか、著書がベストセラーになったり、「セックス・アンド・ザ・シティ」に本人役で出演するなど輝かしい功績を残した一方、保守的なルイジアナで同性愛差別に遭ったり、末端肥大症による鎮痛剤中毒で苦しんでいた影の部分にも迫る。2022/09/16 19:09 メイクアップ・アーティスト:ケヴィン・オークイン・ストーリー

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監督:ティファニー・バルトーク
出演:ケイト・モス、リンダ・エヴァンジェリスタ、ナオミ・キャンベル、シェール、イザベラ・ロッセリーニ、ブルック・シールズ、ほか
アメリカ/2017年/102分/英語/字幕翻訳:額賀深雪
©2017 Mr. Valentine LLC

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