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『アウシュヴィッツのチャンピオン』トークショー

新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開中の映画『アウシュヴィッツのチャンピオン』。
アウシュヴィッツのチャンピオン
映画の公開を記念して日本大学文理学部教授でドイツ映画研究者である渋谷哲也氏をお招きしたトークショーを開催いたしました。アウシュヴィッツを生き抜いたボクサーを描いたナチス映画の系譜や、収容所内で許可された娯楽についてなど、たっぷり解説しました。
アウシュヴィッツのチャンピオン_舞台挨拶
映画 『アウシュヴィッツのチャンピオン』トークショー
日時:7月23日(土)
登壇者:渋谷哲也
(日本大学文理学部教授/ドイツ映画研究)

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渋谷哲也教授登壇

上映終了後、たった今鑑賞を終えた観客の盛大な拍手に迎えられ、渋谷哲也教授が登場し、トークショーがスタート。

まずは、本作の舞台になったアウシュヴィッツ収容所でガス室が設けられるまでの経緯や、主人公のテディがユダヤ人としてではなく、ポーランド人の政治犯として捕らえられたことなどの背景を解き明かした。

本作の中でナチスを必ずしも極悪人として描写しない点やユダヤ人の存在を強調していない点をあげ、現在のポーランドの情勢を交えて述べた。現在のポーランドでは右傾化が進んでいることから、ナチス・ドイツに協力したポーランド人がいたことについて言及することが禁止されていることに触れ、その反面ナチスの過剰な悪魔化が避けられているとして「残酷ではあるけれど、どこか人間味がある。新たな魅せ方をするホロコースト映画だ」と、従来のナチス映画と一線を画した作品だと評価した。

また、本作のモデルとなったテディの他にも、強制収容所を生き抜いたボクサーは少なからずいたことを明かし、「収容所の娯楽は、サッカーに続いてボクシングが人気だったが、“囚人へのいじめ”もスポーツとして実践されていた」など収容所内での娯楽についても詳しく解説。

「子どもでも老人でも容赦なく、意味もなく殺される強制収容所内の様々な理不尽な出来事をコンパクトかつ、大衆映画に落とし込んでいるよくできた映画だ」として何度観ても発見のある映画だと述べた。
最後に本作について、これまでたくさん扱われてきたナチス・ドイツを近代的なポーランドの規制の中で描き、ラストシーンではスポーツにおけるジェンダーの平等についても踏み込んでおり、21世紀の観点も投影した新しいホロコースト映画だ」と本作の魅力を熱く語り、大盛況の中トークを終えました。

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『アウシュヴィッツのチャンピオン』

英題:The Champion of Auschwitz

新宿武蔵野館、HTC渋谷ほか全国順次公開中

公式HP:
https://unpfilm.com/COA

STORY
第2次世界大戦最中の1940年。アウシュヴィッツ強制収容所に移送される人々の中に、戦前のワルシャワで“テディ”の愛称で親しまれたボクシングチャンピオン、タデウシュ・ピエトシコフスキがいた。彼には「77番」という“名”が与えられ、左腕には囚人番号の入れ墨が刻まれた。十分な寝床や食事を与えられることなく過酷な労働に従事させられていたある日、司令官たちの娯楽としてリングに立たされることに―。
アウシュヴィッツのチャンピオン

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2020年/ポーランド/91分/カラー/5.1ch
監督・脚本:マチェイ・バルチェフスキ 撮影:ヴィトルド・プウォチェンニク 音楽:バルトシュ・ハイデツキ
出演:ピョートル・グウォヴァツキ、グジェゴシュ・マウェツキ、マルチン・ボサック、ピョートル・ヴィトコフスキ、ヤン・シドウォフスキ
日本語字幕:渡邉一治
配給・宣伝:アンプラグド
© Iron Films sp. z o.o,TVP S.A,Cavatina GW sp.z o.o, Hardkop sp.z o.o,Moovi sp.z o.o 

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