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池袋シネマ・ロサで凱旋劇場公開

2月19日(土)より渋谷イメージフォーラムで上映スタートし、下北沢K2ほか全国38館以上の劇場で順次公開中の『リング・ワンダリング』(監督:金子雅和)が、台湾で一般劇場公開が始まるなど世界各国に広まっていることを記念し、7月23日(土)より池袋シネマ・ロサでの凱旋上映が決定しました。同時に金子雅和監督の過去作特集も開催されます。

『リング・ワンダリング』は、漫画家を目指す草介が、不思議な娘・ミドリと出会い「命の重み」を知る、過去と現在が織り交ざる、切なく幻想的な物語。監督を務めるのは、初長編『アルビノの木』(16)が海外映画祭で20の賞を獲得し注目された金子雅和。美術監督は『Shallweダンス?』(周防正行監督/96)で日本アカデミー賞最優秀美術賞受賞の部谷京子、劇中漫画は水で描き、そこに墨を落とす技法が特徴で、『花筐/HANAGATAMI』(大林宜彦監督/17)の宣伝ビジュアル画を担当した森泉岳土が務め、現実と幻想が入り交ざる世界観を作り上げた。主人公・草介を演じる笠松将は日本テレビ系「君と世界が終わる日に」やNHK大河ドラマ「青天を衝け」、マイケル・マンがエグゼクティヴ・プロデューサーと第1話を手掛けるWOWOWのドラマシリーズ「TOKYOVICE」など話題作への出演が続き、注目を集める若手俳優。ミドリと梢の二役を演じる阿部純子は海外作品にも多数出演する国際派。ほか、主演映画が相次ぐ安田顕、金子監督の初長編『アルビノの木』でも存在感を放った長谷川初範、日本映画界に欠かせない片岡礼子らが脇を固める。

本作は第37回ワルシャワ国際映画祭(ポーランド・ワルシャワ)でワールドプレミア上映&エキュメニカル賞スペシャルメンションを授与されたことを皮切りに、第52回インド国際映画祭(インド・ゴア)で金孔雀賞(最高賞)を受賞、第22回東京フィルメックスで国内初上映。今年5月には世界最大規模の日本映画祭である第22回ニッポン・コネクション(ドイツ・フランクフルト)NIPPONVISIONS部門で上映されチケットがソールドアウトするなど、世界的な評価と人気が高まっている。7月8日からは台湾の台北・台南・桃園など複数都市の映画館で一般劇場公開がスタート。7月7日から開幕のアジア最大規模のファンタスティック系映画祭・第26回富川国際ファンタスティック映画祭(韓国・富川)での招待上映、7月21日から開幕のアフリカ最古の映画祭・第43回ダーバン国際映画祭(南アフリカ・ダーバン)コンペティション部門ノミネート上映も決定。その後も世界的に注目度の高い映画祭での上映予定がある。

そんな海外での広がりを記念した凱旋上映として、7月23日(土)から池袋シネマ・ロサで都内3回目の劇場公開が決定。

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金子雅和監督過去作特集

金子雅和監督の過去作特集も同時開催の2週間となる。圧倒的なロケ地の迫力が鮮烈な初長編『アルビノの木』、既に幻想譚の兆しが濃厚にある初期16mmフィルム作品『ショウタロウの涙』をはじめ、「水と動物」「木と石と幻獣」といったモチーフがちりばめられた長・短編9作を制作年順に一挙上映。また、金子監督の最新長編企画である『水虎』のパイロット版も上映される。
『リング・ワンダリング』シネマロサ
上映作品
Aプログラム初期作品 7/26(火)上映
『AURA』(1998年/11分)、『ショウタロウの涙』(2000年/30分)、『すみれ人形』(2007年/63分)
Bプログラム水と動物 7/25(月)27(水)上映
『失はれる物語』(2009年/34分)、『ItEndsSlowlyinSummer』(2010年/4分)、『水の足跡』(2013年/30分)、
『逢瀬』(2013年/36分)
Cプログラム木と石と幻獣 7/24(日)28(木)上映
『アルビノの木』(2016年/86分)、『水虎』パイロット版(2021年/14分)
Dプログラム円環 7/23(土)29(金)~8/5(金)上映
『リング・ワンダリング』(2021年/103分) 

『リング・ワンダリング』をひとつの集大成として、一貫した幻想美と独自の物語世界を体験できるプログラムとなっている。

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著名人からコメント

さらに今回の池袋シネマ・ロサ公開用に発行されたフライヤーは二つ折り仕様で、中面にはこれまで本作に寄せられた著名人コメントから抜粋した17コメントが掲載。『リング・ワンダリング』シネマロサ『とんび』など映画監督の瀬々敬久、金子監督の前作『アルビノの木』や『ドライブ・マイ・カー』サウンドトラックを手掛けた音楽家の石橋英子、『LOVELIFE』の公開が待望される映画監督の深田晃司、社会学者/映画批評家の宮台真司などから絶賛の声が集まっている。

抜粋COMMENT ※順不同、敬称略

三つの時間、時空を超えた恋愛、戦争への反対声明。
静かな語り口だが描かれるのは大きな物語だ。それでいて間違いなく今を撃っている。
金子雅和の現在進行形の到達点であり、そして何より阿部純子の永遠性が素晴らしい。
瀬々敬久(映画監督)

間違いなく膨大な時間と労力をかけ見つけ出され、それと同等のエネルギーをもって切り取られたであろうロケーションのひとつひとつが眼福でした。
最高の景色を探そうとする金子監督はニホンオオカミを求め歩く登場人物と同じ目をしていたに違いない。
深田晃司(映画監督)

金子監督の映画の中の自然は映像に包まれて眠りたいと思えるほど、実際に見る自然よりも美しいと思っていたのですが、
今回は東京の街並みも、またそこにいる人間もまた実際よりも遥かに美しかったです。
絶滅した生き物、叶わぬ夢が支える美しさ。
リングワンダリング状態に陥った私たちにこれからも新しい地図を与えて頂きたいと思います。
石橋英子(音楽家)

妖しく美しい怪異譚!
猟師が獲物を狙い撃つ様は、カメラマンが被写体にレンズを向けてシャッターを切る様を想像させる。
それは自然界から芸術を切り抜こうとする監督自身の姿なのかもしれない。
乙一(作家)

この映画では、複雑で多面的な日本の苦悩に満ちた過去の傷の物語が、演出と演技によって非常に繊細に描かれ、心躍るような体験となっている。戦時中の記憶を蘇らせようとしているが、本作は戦争映画ではない。
むしろ人間同士の関係を軸としながら、理解出来る限界を超えたものへの思索を、我々に促しているのだ。
ラフシャーン・バニー・エッテマード(映画監督/イラン)、シーロ・ゲーラ(映画監督/コロンビア)ほか、第52回インド国際映画祭審査委員一同

映画を観て感動し、泣き笑いする時、私たちは映画の素晴らしさを感じます。
また、映画を観ていると、私たちはある種の魔法の目撃者となることがあります。
映画の魔法。それは素晴らしい、しかし稀にしかできない体験です。
そして『リング・ワンダリング』には、その全てが備わっているのです。
ステファン・ラウディン(ワルシャワ国際映画祭フェスティバルディレクター)

この映画は、冒頭から崇高なラストショットまで、我々に魔法をかける。
それは感動的な詩情とマジックリアリズムの感覚を持ち、シンプルな作りは古典的風格だ。
そして俳優たちの演技には、物語を実現するための確かな技術と繊細さがある。
ベンジャミン・イリォス(カンヌ国際映画祭監督週間)

まっさらな紙に引かれる線や、地層に野生の痕跡を探すまなざしが、静かであればあるほどに、死者のほほえみは瑞々しく、カミの息は温かい。今を生きる鑑賞者もまた、優しい霊たちに抱かれているのかもしれない。
深津さくら(怪談師)

映画は超越的感受性が失われたと嘆く。
それをニホンオオカミの絶滅に重ねる。
時空を超えて出会ったミドリもそうだ。
ミドリ演じる阿部純子の芝居が絶品だ。
未規定性を享楽する笠松将も凄く良い。
宮台真司(社会学者/映画批評家)

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『リング・ワンダリング』

6月3日(金)よりシモキタエキマエシネマK2(東京)、6月17日(金)よりディノスシネマズ苫小牧・旭川・室蘭(北海道)、6月25日(土)よりシネ・ウィンド(新潟)、7月2日(土)より前橋シネマハウス(群馬)、7月23日(土)より池袋シネマ・ロサ(東京)、ほか、全国順次公開中。

公式サイト:https://ringwandering.com

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笠松将
阿部純子  片岡礼子  品川徹  田中要次
安田顕 | 長谷川初範
監督: 金子雅和 脚本:金子雅和 吉村元希 劇中漫画:森泉岳土 音楽:富山優子
撮影:古屋幸一 照明:吉川慎太郎 美術:部谷京子 録音:岩間翼 音響:黄永昌 VFX:高橋昂也
スタイリスト:チバヤスヒロ メイク:知野香那子 イメージボード:金子美由紀 助監督:土屋圭 制作主任:名倉愛 スチール:坂本貴光
アソシエイトプロデューサー:松井晶子 ラインプロデューサー:武石宏登
キャスティング:大松高 エグゼクティヴ・プロデューサー:松本光司 プロデューサー:塩月隆史 鴻池和彦 製作協力:中山豊 中田直美
製作:リング・ワンダリング製作委員会(Monkey Syndicate、ラフター、プロジェクト ドーン、cinepos、kinone)
2021年/日本/103分/カラー 
配給宣伝:ムービー・アクト・プロジェクト
配給協力:ミカタ・エンタテインメント
Ⓒ2021 リング・ワンダリング製作委員会
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