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『明日になれば』公開記念舞台挨拶

ヴェネチア国際映画祭に正式出品された、アフガニスタンの3人の女性の試練を描く『明日になれば〜アフガニスタン、女たちの決断〜』はアップリンク吉祥寺にて公開中。
5月21日(土)より名古屋シネマテーク、5月27日(金)よりシネ・リーブル梅田及びアップリンク京都にて公開されるほか、青森松竹アムゼ、広島の横川シネマでの公開も決まっている。

5月7日の公開記念舞台挨拶には、ローマよりZOOMでサハラ・カリミ監督が登壇。「宇宙戦隊キュウレンジャー」鳳ツルギ役やNHK高校講座「地理総合」出演の俳優・南圭介がアップリンク吉祥寺で司会を務め、本作に込めた想い、昨年カブールがタリバンに制圧された際にウクライナに助けてもらった話、日本人に期待することをお聞きしました。
「明日になれば」-公開記念舞台挨拶
日時: 5月7日(土)
場所:アップリンク吉祥寺
登壇:サハラ・カリミ監督(ZOOM出演)、南圭介(MC@劇場)

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サハラ・カリミ監督がZOOMで参加

冒頭、現在ローマにいるカリミ監督が「本日は来ていただいて本当にありがとうございます。このように私の映画が日本で上映する機会ができたことを本当に幸せに思います。過去20年間、日本人や日本政府がアフガニスタンの発展のサポートをしてくださり、アフガニスタンと日本は良い関係がありました。現在アフガニスタンではタリバンが権力を掌握してしまったことで状況は悪くなっているんですが、日本の皆さんには、無視せずに、今まで達成してきた様々なものを見捨てないで、アフガン女性に手を差し伸ばしていただくという意味でも、私の映画が上映されることは大変重要なこと、喜ばしいことだと思っています」と挨拶。
「明日になれば」-公開記念舞台挨拶
「現在アフガニスタンで大きな闘いとなっているのが女性の権利問題です。制限に関して、宗教団体のリーダーたちが女性の権利管理の新しい、さらに厳しい制限を検討している最中だそうです。日本の人々にこの映画を見ていただいて、アフガニスタンの状況を考えていただいて、声をあげていただければと思います。」と想いを語った。

本作を作った理由を聞かれた監督は、「私はどんな国であってもどんな人であっても物語を語るということは大事なことだと思います。アフガニスタンに関する映画というのは、ステレオタイプが多いんですけれど、もちろんその中に真実もある程度含まれています。けれども、母性や妊娠や堕胎についてのテーマに関してはまだ語られていませんでした。私はアフガニスタン出身ですけれど、幸い物語を語るという機会に恵まれたので、アフガニスタンの女性のストーリーを語るというのは自分の義務だと思いました。今まであったステレオタイプではない別の視点を提供するのが私にとって重要だったのです。アフガニスタン国内で作られた映画はとても少ないんですけれど、幸い私がアフガニスタンにいた際にこの映画を撮ることができました。本作は全てアフガニスタン国内で撮影されています。出ていただいた役者さんたちも全員アフガニスタン人です。新しいストーリーを世界にお届けできると思いました。」と回答。

本作の日本での上映での収益の一部は人道支援、復興支援のためにウクライナ大使館に寄付される。監督は、「本作がウクライナに少しでも助けられることは大変嬉しいことです。というのも、カブールにタリバンが入ってきて、アフガニスタンから逃げなくてはいけなくなった時に私の脱出を手伝ってくれたのは、ウクライナ政府の飛行機だったからです。そのため、感謝の気持ちも込めて、少しでも恩返しができればと思います。アフガニスタンではタリバンと直接的な闘いとなっているわけではないのですが、そういうことが起きている国で女性や子供が生き延びるのは大変なことです。ですので、女性や子供達をはじめとした人々が生きながらえるよう手助けをしていただければと思います。私たちのペルシャ語では、『少しの水が一滴ずつ集まると海になる』というようなことわざがあります。少しかもしれないですけれど、手助けをしていただければと思います。誰かの人生を変えることができるかもしれないですし、自分の周りの方にも手伝おうと語りかけることで、小さな力も大きな力に変わることがあります。アフガニスタンやウクライナなど苦労している人たちには必要なことです。」と熱いメッセージを送った。

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『明日になれば〜アフガニスタン、女たちの決断〜』

公式サイト:
https://afganwomenmovie.com 

公式Twitter:
@afganwomenmovie

Facebook:
@afganwomenmovie

2021年8月、イスラム原理主義組織タリバンによって制圧されたアフガニスタン。カブール掌握後初の記者会見で、タリバンの報道担当幹部は女性の権利は「シャリア(イスラム法)の枠組みの中」で尊重されると発表したが、その真意はまだ明かされない。世界が懸念する中、本作ではカブールで生きる、リアルな彼女たちの生活が映される…。

義父母の面倒を見ながら家事に追われる孤独な妊婦。7年間浮気し続けた夫と離婚を決意するも、妊娠が発覚した高学歴のニュースキャスター。妊娠したと同時に姿を消した恋人がいながら、いとこのプロポーズを受け入れた18歳の少女--年齢、生活環境、社会的背景が異なる3人のアフガニスタン女性が初めて直面する人生の試練をそれぞれ描いたオムニバス・ドラマ。

本作はアフガニスタン映画機構(Afghan Film)初の女性会長を務めた新鋭、サハラ・カリミの長編監督デビュー作にして、ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門出品となった。タリバン政権下になり、3月の女子中等教育再開当日に再び禁止され、女性のみで飛行機に乗ることも禁じられた今、世界が注目する、アフガニスタンを舞台にした女性たちのドラマ。

あらすじ
アフガニスタンの首都カブール。妊婦のハヴァは認知症を患う義母の世話をしながら、家事に追われる日々を送っている。身重の彼女を気遣うことなく、用事を言いつける義父と、連日のごとく友人を自宅に招き入れる夫。そんな彼女の唯一の喜びは、お腹の中にいる子どもと話すことだけだった。一方、ニュースキャスターのミリアムは結婚していた7年もの間、浮気三昧だった夫と離婚しようとしていたが、妊娠していることが発覚する。復縁を懇願する夫ファリードにうんざりしながらも、仕舞い込んでいたウエディングドレスを手にするミリアム。そして、結納の日を迎えたアイーシャには家族に言えない秘密があった。問題を解決するため、友人のマルジェに協力を仰ぐアイーシャだったが、そのためには多額のお金が必要だった。彼女たちが時同じくして向かった場所とは……。 

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監督:サハラ・カリミ
原題:Hava,Maryam,Ayesha
配給:NEGA2019年/アフガニスタン・イラン・フランス/カラー/16:9/83分/ペルシャ語、ダリ語

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