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『やがて海へと届く』トーク付き試写会

この度、主演に岸井ゆきのを迎えた、中川龍太郎監督最新作『やがて海へと届く』(4月1日(金)より全国公開)のトーク付き試写会が3月24日(木)、ニッショーホールで開催されました。

上映後には、中川龍太郎監督と、映画感想TikTokクリエイターとして活躍するしんのすけが登壇し、本作の魅力や演出意図をたっぷり語っていただきました。
映画『やがて海へと届く』トーク付き試写会
日付:3月24日(木)
場所:ニッショーホール
登壇:中川龍太郎監督、しんのすけ(映画感想TikTokクリエイター)

映画情報どっとこむ ralph 事前に映画を鑑賞したしんのすけは、自身のTwitterで「傑っっっっっっ作!」と絶賛。 “ここがすごい!”と彼を唸らせたポイントのひとつに「ビデオカメラの演出」を挙げた。
映画『やがて海へと届く』トーク付き試写会
これは原作にはなく、監督が映画化にあたり大きく脚色した箇所だ。「すみれの足跡を辿るツールとして写真ではなくビデオカメラを選んだ理由は?」としんのすけから聞かれると監督は「すみれがどういう世界を見ているのかということを考えたときに、写真だと彼女の世界の見え方が止まってしまうと思った。写真や映像を撮る理由は2つあると考えていて、ひとつは記録メディア、もうひとつは世界を発見するための道具。すみれは世界の見えていない別の側面を見ようとする人だと思っていて、写真だとそこがポエムになってしまう。ある種物理メディアでもある重みが手紙と近いので、ビデオカメラを選びました」とこだわりを明かした。しんのすけも、「自分もTikTokの映像を日々作っているが、スマホで撮影したものは物体としては存在しない。DVテープで収録する映像は、ちゃんとそこに存在している手触りを感じられる魅力がありますね。また最近はVログ(動画版のブログ)が流行っていますが、あれは誰かに発信する前提で撮影をしている。一方で、すみれが撮っている映像というはあくまで私的で日記なんです。誰に見せるわけでもない映像だからこそ、後半に彼女の秘密が明かされる展開のなかで、非常に効果的な作用をもたらせていると思った」と絶賛した。
映画『やがて海へと届く』トーク付き試写会
さらに、真奈役の岸井さん、すみれ役の浜辺さんをキャスティングした理由について中川監督は「学生のときに仲の良かった友人が亡くなってしまったんです。その友人に生前『龍太郎は絶対に死なないやつだよ』って言われたことが印象に残っていて。当時は少しネガティブな言葉として受け取りましたが、今は前向きに捉えています。真奈という人物は、どんなに憂鬱になっても、傷つけられても、良い意味で図太さとか図々しさを持っている。それは生きるのに必要なことだと感じて、自分みたいに図々しい人で選ぼうと思った。岸井さんが図々しいって訳ではないですよ(笑)!ただ、彼女にもそういう生命力やたくましさを感じるので、今回起用しました。浜辺さんは図太そうな真奈に対して、もっと遠いところを見ているという意味でキャスティングしました。足元に落ちているポーチに気づくのが真奈で、遠くにあるものに気づくのがすみれなんですよね。その対比を考えたときにこの2人が自分の中で思いついたんですよ」とキャスティングの意図を語った。しんのすけも二人の起用について、「岸井さんの存在感はもちろんのこと、今まで見たことのない浜辺さんが映っている。多忙な二人にも関わらず、その中でちゃんと役作りの準備をしているのが感じられて素晴らしいと思った。浜辺さんについては、ビデオカメラの操作も使い慣れてる感じが伝わってきて(笑)」と語ると、監督も「事前に彼女にはビデオカメラを渡して日常を撮影してもらったりしました。今思うと、あんなに忙しい方なのによく時間を作ってくれたなと……改めて、事務所の東宝芸能さんありがとうございます!」と返し、会場の笑いを誘った。
映画『やがて海へと届く』トーク付き試写会
最後に観客に向けてしんのすけは「素晴らしい映画です。感想を書くのが少し難しい作品だと思うのですが、自分が好きだった部分だけ書けばいいと思います。僕がビデオカメラを使ったシーンが好きだったように、自分が刺さった部分や好きだった部分を書くことで、この作品の良さが伝わると思います」とコメントし、監督は「少しでもこの作品が広がるように感想など、どんどん出していただけると嬉しいです」とメッセージを贈り、イベントは幕を閉じた。
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各界著名人から絶賛コメント到着!

※順不同
 
大切な人を亡くした時、ひとはそのことをどう受け止めればいいのか?
失われた時を求めて、ひとは今日も生きて行く。

スタジオジブリ 鈴木敏夫

 
中川監督作品を観るたびにまだ何者でもなかった自分を思い出す。
懐古的なその感情はきっと世界共通でやがて世界中の人々の心を繋げてくれるように思う。

EXILE HIRO

 
時間なんか進めてたまるかと足掻きながら、大きな何かに諦めたりもしている。
大事な人を思い出しながら、少し怖くなって、少しほっとした。

長濱ねる(女優・タレント)

 
失ったもの、失っていくもの
中川龍太郎監督の残した作品(眼差し)は
いつも 救われるであろう”具体的な”人達がいる

齊藤工(俳優/映画監督)

 
失った友人との時間をもう一度辿ることで見えてくる、人生に戸惑い、向き合い、立ち上がろうとする静かな力。
声高ではない、美しくしなやかな「あの日」をめぐる青春物語だ。

今日マチ子(漫画家)

 
美しくてチクチクとした映像体験だった。心のひだに何かが刺さる。
真奈・岸井ゆきのさん、すみれ・浜辺美波さんのことは、いつかふとしたときに思い出すと思う。

岡田惠和(脚本家)

美しい映像に心を委ね、気づけば深い喪失に寄り添っていた。
時間をかけて、世界と、誰かと、哀しみと、向き合おうとする人達を、物語は包んでくれる。

もっちゃん(YouTuber)

岸井ゆきの✕浜辺美波、この二人の化学反応がここまで美しく儚い物語と溶け合うなんて想像も出来なかった。
実写はもちろんアニメーションをも駆使した中川龍太郎監督が映像で語る世界は、誰しもの心に届くはずだ。

しんのすけ(映画感想TikTokクリエイター)

あの人を思い出しながらもう涙は流さないと決めたのに。また自分に裏切られた。
でも、これでよかった。
自分の気持ちを守るのは、自分を大切にすることと同じだと。
まっすぐな線みたいな気持ちを抱え生きるのは、美しいことだと伝えてくれた。
水平線に手を伸ばすように、何度でも触れ続けたい物語。

東紗友美(映画ソムリエ)

 
映画は、物理的制約を超えて、観客の心に届く記録である。だからこそ、繋がらないふたりの女性の心をビデオカメラの記録が接続する本作が、映画という形式で描かれたのは必然だ。

中井圭(映画解説者)

私たちは人生の中で“誰かの死”に直面するが、往々にしてその瞬間に立ち会うことは叶わない。
そんな「いつのまにかいなくなった」感じを、中川龍太郎監督は的確に映像化させている。

松崎健夫(映画評論家)

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『やがて海へと届く』

4月1日(金)より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー!

公式サイト:
@yagate/

親友がいなくなって5年。忘れたくない思い出と、知らなかった親友の秘密―
私は、本当の彼女を探す旅に出る。

引っ込み思案で自分をうまく出せない真奈は、自由奔放でミステリアスなすみれと出会い親友になる。しかし、すみれは一人旅に出たまま突然いなくなってしまう。

あれから5年―真奈はすみれの不在をいまだ受け入れられず、彼女を亡き者として扱う周囲に反発を感じていた。
ある日、真奈はすみれのかつての恋人・遠野から彼女が大切にしていたビデオカメラを受け取る。
そこには、真奈とすみれが過ごした時間と、知らなかった彼女の秘密が残されていた…。
真奈はもう一度すみれと向き合うために、彼女が最後に旅した地へと向かう。
やがて海へと届く

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岸井ゆきの 浜辺美波
杉野遥亮 中崎敏 
鶴田真由 中嶋朋子 新谷ゆづみ / 光石研

監督・脚本:中川龍太郎
原作:彩瀬まる「やがて海へと届く」(講談社文庫)
脚本:梅原英司 音楽:小瀬村晶 アニメーション挿入曲/エンディング曲:加藤久貴
エグゼクティブ・プロデューサー:和田丈嗣 小林智 プロデューサー:小川真司 伊藤整
製作:「やがて海へと届く」製作委員会 製作幹事:ひかりTV WIT STUDIO 制作プロダクション:Tokyo New Cinema
配給:ビターズ・エンド
2022年/日本/カラー/アメリカンビスタ/DCP/5.1ch/126分
©2022 映画「やがて海へと届く」製作委員会

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