ドミニク・モル監督「悪なき殺人」今年も東京国際映画祭開催が迫る中、32 回東京国際映画祭にて『動物だけが知っている(仮題)』(英題:Only The Animals)というタイトルで、観客賞と最優秀女優賞(ナディア・テレスキウィッツ)を受賞したドミニク・モル監督による驚愕のミステリーが、日本版タイトルを『悪なき殺人』とし、12月3日(金)より公開となります! 今回、本作でドミニク・モル監督が黒澤明の『羅生門』スタイルを採用していたことが明らかとなりました。 |
|
『羅生門』スタイルを採用ドミニク・モル監督、5 人の男女の視点から描かれる黒澤明監督の『羅生門』スタイルを採用 黒澤明監督の映画『羅生門』(1950)では、被害者、被害者の妻、加害者の盗賊が三者三様の証言をし、事件の捜査が行き詰まってしまうという、同じストーリーが 3 つの異なる視点で描かれています。 この手法をクエンティン・タランティーノ監督が“羅生門スタイル”と呼び、彼の作品『ジャッキー・ブラウン』(1997)にも採用されています。本作はこのスタイルを取り入れながらも、「5 つの視点は不揃いで絡み合っている。だが、必ずしもすべてを同じ時間を描いている訳ではない。あるチャプターでは時系列を遡る等、同じ時間を繰り返し描くというよりも、ストーリーに遊び心を持たせ、より洗練された作品に仕上げることができた」とドミニク監督は語っています。 3つの視点を5つの視点にした上、時間を遡るという新しい手法が加わり、真実に対して違った角度からスポットライトが当たっていきます。登場人物の視点が変わっても、基準点として<吹雪の夜に姿を消したエヴリーヌの失踪事件>という軸がどのチャプターにも共通に存在しています。すべての伏線は最終的に回収され、5 つの異なる視点が見事に集結する構成力は秀逸です。 『ジャッキー・ブラウン』に、時間を遡るデイヴィッド・フィンチャーの『ゴーン・ガール』の要素を彷彿とさせながら、小さなミステリーがやがて世界を跨ぐストーリーに発展していく様は、ハリウッド・レポーターに<『ファーゴ』と『バベル』を掛け合わせた作品>と評されている。 |
|
映画「悪なき殺人」原題: Seules les 12月3日(金)新宿武蔵野館ほか全国順次公開 |
監督:ドミニク・モル (「ハリー、見知らぬ友人」セザール賞受賞 「マンク 破戒僧」)
キャスト: ドゥニ・メノーシェ(「エンテベ空港の 7 日間」「ジュリアン」 )/ロール・カラミー (「女っ気なし」 )/ダミアン・ボナール (「ダンケルク」「レ・ミゼラブル」 )/ナディア・テレスキウィッツ/バスティアン・ブイヨン/ギイ・ロジェ・ “ビビーゼ ”・ンドゥリン/ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ
2019 年/116 分/カラー/シネスコ/5.1ch/R15+/フランス語、ヌシ語/フランス、ドイツ合作/
日本語字幕:高部義之
© 2019 Haut et Court – Razor Films Produktion – France 3 Cinema visa n° 150 076
配給:STAR CHANNEL MOVIES 公式サイト: akunaki-cinema.com