映画情報どっとこむ ralph 女性に“厳しくない”映画の制作現場とは?
ジェンダーギャップの壁を軽々と越える、
エメラルド・フェネル監督の素晴らしさとは一体。
そして本作を今、全人類が観るべき理由がここに!

『プロミシング・ヤング・ウーマン』メイキング写真を一挙解禁

本年度アカデミー賞®で脚本賞を受賞、作品賞含む5部門にノミネートを果たし、そのほか賞レースでも数々の主要賞を席巻した『プロミシング・ヤング・ウーマン』が満を持して7月16日(金)より公開となりました。公開後大反響の本作より、メイキング写真を新しく解禁。
『プロミシング・ヤング・ウーマン』メイキング© 2019 FOCUS FEATURES LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

『プロミシング・ヤング・ウーマン』メイキング© 2019 FOCUS FEATURES LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

『プロミシング・ヤング・ウーマン』メイキング© Focus Features

『プロミシング・ヤング・ウーマン』メイキング© Focus Features
ジェンダーギャップ問題を提起するエメラルド・フェネル監督にフォーカス。
そして今、日本人がなぜこの作品を見るべきなのか、深堀っていきます。

<アカデミー賞®︎脚本賞 受賞の話題作!>

甘いキャンディに包まれた猛毒が全身を駆け巡る、復讐エンターテインメント

 30歳を目前にしたキャシー(キャリー・マリガン)は、ある事件によって医大を中退し、今やカフェの店員として平凡な毎日を送っている。その一方、夜ごとバーやクラブにひとりで繰り出し、泥酔したフリをして、自らに課したミッションを遂行していた。

 ある日、大学時代のクラスメートで現在は小児科医となったライアン(ボー・バーナム)がカフェを訪れる。この偶然の再会こそが、キャシーに恋ごころを目覚めさせ、同時に地獄のような悪夢へと連れ戻す。そして、キャシーの親友の未来を奪った悲惨な事件に関わったすべての者への復讐心をも覚醒させることになる……。

映画情報どっとこむ ralph 2021年、93回を数える米・アカデミー賞®において、様々なメガ作品を抑え、脚本賞を受賞するなど大きな話題に!
 
 監督は、ロマンティック・コメディと復讐劇を融合させた独創的な自身の脚本で、長編デビューを飾ったエメラルド・フェネル。監督&脚本賞のダブルノミネートを果たし、脚本賞を見事に受賞した。主人公を演じたキャリー・マリガンは、批評家たちから「キャリア最高の演技」と絶賛を浴び、多くの賞を獲得している。
 ジャンルレスな本作は、多くの観客の共感を獲得しつつ、激しい論争を巻き起こしている。その理由は、女VS男という対立構造の中でどちらかを断罪して終わるのではなく、社会に蔓延るジェンダーバイアスを浮き彫りにしているから。彼女の落とし前の矛先は“ナイスガイ”だけに留まらず、“同調圧力オンナ&女だからとわきまえる女”へも向けられ、痛烈に批判する。好きか嫌いかを超えたその先に、私たちが何を見出すのか、まずは本作を目撃してほしい。明るい未来が約束された、これからを創り出す、すべてのひとたちに。

ポップでカラフルなルックとは裏腹に、社会問題に切り込んだ、本作からのメッセージとは?

 7月16日(金)より全国公開となった本作。公開するやいなや、映画ファンはもちろんのこと、多くの女性層からも支持されている。SNSなどでは「ポップな彩りの中でたぎる憎悪は見ていて苦しかった。でもみんなが観るべき。罪は消えない。犯した者も、それを容認した社会も」「世の中こういうことで溢れ返ってるんだろうなあと思うと胸が苦しい」「私はここまで犠牲を払わないと正義は貫けないのかと観終わった後少し悲しくなりました」といった、リアルで身近に起こりうる内容であるからこそ、現実を叩き付ける本作に感情移入している様子が伺える。また男性層からも「個人の意識の向上などでは全く不十分で、もっと根本的な何かを変えるための闘いが描かれている。」といった声が多く上がり、これはまさにエメラルド・フェネル監督がこの作品に込めた、<問題提起>という意図が日本にも広がっているといった状況である。

■男社会と言われる現場文化に“問題提起”

 本作で長編映画デビューとなったエメラルド・フェネル監督。彼女はこのようなヘビーなテーマを描きながらも話題になったのが、監督でありながら、妊婦でもあったこと。主演のキャリー・マリガンも「“スタッフに親切にすべき”と他の監督に教えたくなった。妊婦で親切な人にだって監督業は務まる」と笑顔で話す。リスペクト・トレーニングという言葉が広がりつつある業界の中で、まだまだパワハラ・セクハラといった言葉が飛び交う状況。この作品で描かれている通り、男性優位な構造は、映画業界も例外ではないのかも知れない。

■エメラルド・フェネル監督と素晴らしさ

 フェネルの素晴らしさをライアンを演じたボー・バーナムは、次のように語る。「1つの味わい方しかできない作品ではないのが彼女のすばらしさだと思う」彼女は観客の期待に応える映画を作るのではなく、解釈を委ねる芸術作品を作りだしたのだ。だからこそ見終わったあとの感想は様々、苦しくなったと呟く声もあれば、スッキリした!という声も聞こえてくる。彼は本作について、「見るたびに異なる感想を抱くはずだ」と語る。そして映画の力について「映画は今も、人々の議論を促す力がある」。日本人はどこか議論の衝突や、声を上げることを控えてしまっている気がするけれど、時代の転換点の今だからこそ、この衝撃作を観て(#全員ミテ)、賛否を語って欲しい。それが『プロミシング・ヤング・ウーマン』に関わった全ての者の強い願いだ。

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『プロミシング・ヤング・ウーマン』

大絶賛公開中
公式サイト:
pyw-movie.com
プロミシング・ヤング・ウーマン

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脚本・監督:エメラルド・フェネル「キリング・イヴ/Killing Eve(エグゼクティブ・プロデューサー)」 
編集:フレデリック・トラヴァル
出演:キャリー・マリガン、ボー・バーナム、アリソン・ブリー他 
2020年/アメリカ/英語/113分/シネスコ/ドルビーデジタル/
原題:PROMISING YOUNG WOMAN/日本語字幕:松浦美奈 
ユニバーサル映画
配給:パルコ 映倫:PG-12

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