都立西高校3年生親子特別授業『旅立つ息子へ』この度、映画『旅立つ息子へ』の3/26(金)の公開を記念し、この春卒業を迎える都立西高校の3年生と、その親御さんを対象に特別授業を行いました。 今回この2人をゲストに迎え、卒業式を迎えたばかりの都立西高校3年生とその親たち親子8組16名、生徒のみ参加1名、保護者のみ参加1名、計18名を対象に、高校生活最後の特別授業を実施。 自閉症という題材について、さらには本作が持つ普遍的なテーマ「親離れ・子離れ」について、映画制作者たちと語り合いました。また、コロナ禍で「人とのつながり方」が大きく変化し、家族の関係性も見直すことになった今。自分自身/子どもが新たなステージに進むことへの希望や不安、子どもの成長や自立を感じたこと、また子を送り出す親の心情について、映画を通じた特別な機会だからこそ話せる、それぞれの想いや考えを伝え合いました。概要は以下の通りです。 【『旅立つ息子へ』都立西高校3年生親子特別授業 概要】〜コロナ禍の今だからこそ考える、親子の絆、子離れ、自立成長〜 |
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【東京都立西高等学校】昭和12年に創立された府立第十中学校を母体とする創立83年の伝統校。「文武二道」「自主・自律」を教育理念として、国際社会で活躍できる器の大きな人間の育成を目指している。
3月9日に卒業式を迎えたばかりの高校3年生と保護者の皆さんが集まった教室で、特別授業のゲストである『旅立つ息子へ』脚本家ダナ・イディシス(以下「ダナ」)、ウリ役の俳優ノアム・インベル(以下「ノアム」)がスクリーンに登場!イスラエルとZOOMで繋がって会話する興奮を滲ませながら、本授業にあたり事前に映画を鑑賞した生徒たち・親たちによるゲストへのQ&Aがスタートしました。 保護者「親離れ、子離れの普遍的な気持ちが丁寧に描かれていました。私自身も2人子育てをしているので、アハロンの親としての色々な苦労が報われたような笑顔にはとても感動しました。なぜ本作は、母親との別離などがあった後の、ウリがある程度大人になってからのストーリーにしたのでしょう?」 生徒「卒業式の翌日に観たので、親元を離れていくウリの姿が自分と重なりました。ノアムさんは、役作りにおける歩き方や立ち居振る舞いの研究はどのように行ったのですか?」 保護者「父親の立場で観て、父と母で感じる時間軸が違うというのが印象的でした。質問ですが、オファーを受けた時と、実際演じてみた時で、予想外だったポイントはありますか?」 生徒「コロナ禍で家族との会話が増えた反面、それぞれが独立した個人だと実感しました。同じ屋根の下で暮らしていると、つい、似た価値観を持つと誤解して衝突してしまうことがありますね…。お二人はこの1年で家族関係に何か変化がありましたか?」 生徒「演じているご自身は、ウリをどのような性格だと考えていますか?」 ダナ「互いに耳を傾ける。親、子供、そして自分自身の声を聞くということが大切だと思います。弟から多くを学びます。弟は言葉で表現するのが苦手ですが、しっかりと見ていると、彼の言いたいことのエッセンスは分かるんです。」 授業終了後、生徒・保護者それぞれのグループに別れ感想共有と意見交換の時間へ。生徒「先ほどダナさんから、親子が”泡”に入ってしまっているという表現がありましたが、最後、2人は”泡”を破ったのではなく、”泡”自体が広がったんじゃないでしょうか。自立の象徴となるあるシーンも、行動のきっかけを作ったのが父で、一人でできるようになったのがウリだから。」といった意見が。 最後に、子から親へ、親から子へのメッセージで授業はしめくくられました。 コロナ禍で家族の繋がりや自立について改めて考えるきっかけになったいま、旅立ちや成長をテーマに、子供、親の視点で意見を交わしながら、こうした機会だからこそ伝えられる感謝、そして成長の思いを「最後の授業」となりました。 |
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【ダナ・イディシス プロフィール】1986年、ニューヨーク生まれ。イスラエルのテレビシリーズ「On the Spectrum」(18-)の企画・脚本を手がける。同作は、2018年トライベッカ映画祭にてお披露目されて以来、シリーズ・マニア・フェスティバルにてグランプリ受賞、モンテカルロ・テレビ祭にて最高賞に値するゴールデンニンフ賞を3部門受賞(最優秀テレビコメディ・シリーズ賞、コメディ部門女優賞、男優賞)、そして2019年ソウルドラマアワードにて大賞を受賞など、国際的な賞を多数受賞している。さらに、イスラエル・アカデミー賞(Ophir賞)では、最優秀テレビドラマ・シリーズ賞、監督賞、脚本賞を含む9部門を受賞。アマゾンスタジオにて、同作のアメリカリメイク版が配給された。 |
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映画『旅立つ息子へ』3月26日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国公開 |
監督:ニル・ベルグマン(『僕の心の奥の文法』
第23回東京国際映画祭グランプリ受賞)
脚本:ダナ・イディシス
出演:シャイ・アヴィヴィ、ノアム・インベル、スマダル・ヴォルフマン
©︎ 2020 Spiro Films LTD.
ダナ・イディシス写真コピーライト(c)Yanai Techiel
ノアム・インベル写真コピーライト(C)Yael Mesch