映画情報どっとこむ ralph 公開延期していた劇場オリジナルアニメーション『サイダーのように言葉が湧き上がる』の新公開日が2021年6月25日(金)に決定したことが、東京国際映画祭での上映後イシグロキョウヘイ監督のトークイベントで発表されました!

それに合わせて、新デザインのムビチケの販売を11月20日(金)より上映劇場にて再開。
なお、以前販売していたムビチケも変わらず使用可能です。

そしてさらに公開に向け、イシグロ監督がなんとYoutuberデビューすることも合わせて発表されました。東京国際映画祭でのイベントのレポートをお送りします。

映画情報どっとこむ ralph 藤津さんから企画の発端を聞かれたイシグロ監督は「2015年の9月くらいにフライングドッグ経由でオリジナルアニメのお話をいただきました。その時から音楽ものというのは変わっていないのですが、元々はSFだったんです。どうしてこうなったかね(笑)」と笑いを誘いながら明かした。

物語の舞台はショッピングモールだが「僕らの世代で言うところの町の駅前の盛場として、今の人たちの幼少期の記憶の根幹にはショッピングモールというのはある気がするんですね。小さな箱庭の中で物語を進めようというのが、脚本の佐藤大さんとのブレストの中から生まれたアイデアです。」

本作を形作る大きな要素として、ショッピングモール、そして音楽(レコード)と俳句があり、それが非常にうまく噛み合っている、この3大要素をどのように組み合わせていったのかという藤津さんの問いに対し、イシグロ監督は「インスピレーション元が音楽であるということが大きいんです。俳句っていうのも、初めて日本語ラップを始めたいとうせいこうさんと俳人の金子兜太さんの対談本の中で、俳句と日本語ラップの関係性が語られていて、例えばライミングと韻を踏むとか。佐藤大さんから出たアイデアなんですけども、俳句には音楽的ルーツがあるということで作品に落とし込んでいきました。」

音楽的ルーツというのは、実は本作の背景美術のスタイルにもつながっている。「山下達郎さんの『FOR YOU』というアルバムジャケット。鈴木英人さんという80年代のポップカルチャーのアイコンのような絵を描かれている人が担当されているのですが、まさにそこが元ネタですね。作品の要素として音楽的なルーツを求めていたので、作品の中の美術のテイストを決める時に、シルエットを重視したイラストが僕自身の趣味嗜好の中にもずっと刺さっていて。ここは僕からの提案で「ヤマタツ、『FOR YOU』、この見た目でいきましょう!」と。まさにここからきていますね」

藤津さんは「当時は都会的というかアメリカ西海岸の空気感を描いていた絵で今の日本の郊外を描くというのがミソなのかなと。」語ると、イシグロ監督は「そうですね。要素の組み合わせなんですよね。鈴木英人さん調の絵で美術を描くということだけではなく、今の子にとってショッピングモールというのが幼少期の記憶と紐づいていることとの組み合わせ。地方都市を選んだというのもそういう理由です。田んぼ、巨大なハコ、遠くには山の稜線。これって決して西海岸・東海岸のアメリカの要素はないんですが、インスピレーション元を辿っていって、今の時代にはめるとこうなる。僕は、若者に向かって作っているつもりなので」と語った。

また、声優はチェリーを市川染五郎、スマイルを杉咲花が務めているが、「声優は2人以外のキャスティングも提案させてもらうことが多いんです。チェリー役のキャスティングは難航しました。スマイルがチェリーの声を「かわいい」というシーンがあるのですが、「かわいいってどういう意味だ?」と自分で思ってしまって。変声期と大人の中間くらいのひっくり返ってしまうような声かなと思うんですが、そうなるとその年齢に近い人をキャスティングしないといけない。この作品の配給は松竹さんにお願いすることが決まっていたので、「松竹さんと言えば歌舞伎だよな」と。彼は当時まだ松本金太郎という名跡で中学1年生くらいだったかな。染五郎くんの歌舞伎のお芝居を見にいく機会があって、彼の声を聞いた時に「いたぞ!チェリーいたぞ!」となりました。杉崎さんは逆にシナリオ段階からイメージにあったんですが、僕は深夜アニメ上がりの監督だったので、現実味がなかったんですね。ただ染五郎くんがチェリーをやってくれることになって、彼女にアタックしました。思い通りのキャスティングができましたね」と語った。

映画情報どっとこむ ralph 観客とのQ&Aでは、「コロナ禍で、映画館ではなく配信となる作品もある。制作において配信は意識していますか?」という質問が。イシグロ監督は「映画の場合は、劇場に足を運んで見ていただくので、音楽も含め大きなスクリーンでいい音で見ていただけることを意識して作っています。配信の場合はスマホやT Vなど小さい画面、必ずしもいい音ではない環境だということを念頭において作っていますね」

また、本作の新たな公開日が6月25日に決定したことがイシグロ監督の口から発表されると、場内からは拍手が起こった。監督は「夏の映画なので、夏に見て欲しいんです」と嬉しそうに語った。

また、「フジヤマさんの掘り下げた裏設定などはあるのか?」と聞かれると、「作中の劇中歌を大貫妙子さんにお願いしたんですが、この歌を歌っているサクラさんが大貫さんとイコールになるんですね。フジヤマさんとサクラさんの関係性がないと書けないんです。なので、前日譚となるプロットを書いているんですが・・・実は僕、公開に向けてYoutuberデビューしまして。「サイコトちゃんねる」というのを立ち上げました。ゲストを呼ぶとかはこのコロナ禍なのでできないんですが、企画から撮影、MA、納品まで僕がやってるんですけど(笑)このプロットを朗読する回もあります。なので、皆さんが知りたい情報がアップされるかもしれません!」とYoutuberデビューも発表された。

<イシグロ監督がホストを務める『サイコトちゃんねる』>
https://youtube.com/channel/UCIhfdxWGaK9SDyzS_dLJogg

ただいま#0と#1が公開中!

以降、毎週火曜日18:00頃にアップされますのでお楽しみに!


<11月20日(金)より新デザインのムビチケ発売再開!>

2021年6月25日(金)公開日決定に伴い、11月20日(金)より新デザインのムビチケが上映劇場にて発売再開!なお、以前発売されていたムビチケも変わらず使用することができます。
【発売日】11月20日(金)
【価格】1,500円
【販売場所】上映劇場

映画情報どっとこむ ralph 『サイダーのように言葉が湧き上がる』

本作は、人とのコミュニケーションが苦手な俳句少年と、コンプレックスを隠すマスク少女。何の変哲もない郊外のショッピングモールを舞台に出逢ったふたりが、言葉と音楽で距離を縮めていく、ボーイ・ミーツ・ガールStory。

監督を務めたのは、「四月は君の嘘」、「クジラの子らは砂上に歌う」などを手掛け、繊細で叙情的な演出に定評のあるアニメーション監督・イシグロキョウヘイ。バンドで活動した経歴を持ち、音楽にも造詣が深い彼が、言葉×音楽をキーワードに、少年少女の「ひと夏の青春」を描いたオリジナルアニメとなっている。

主人公であるチェリー役には、初映画、初声優、初主演となる歌舞伎界の超新星・八代目 市川染五郎を起用!ヒロインのスマイル役は、若手随一の確かな表現力で高い評価を受ける杉咲花が担当。また、山寺宏一や藩めぐみ、花江夏樹、神谷浩史、坂本真綾ら旬な声優陣も勢揃いし、フレッシュな競演が「ひと夏のできごと」を輝かせる!

音楽制作を務めるのは、「マクロス」シリーズをはじめ、アニメーションの劇伴やアニソン制作において第一線を走り続ける音楽レーベルフライングドッグ。同社の10周年記念作品ともなる本作は、『映画 聲の形』などの劇伴制作で知られる牛尾憲輔が担当。タイトルと同名の主題歌をnever young beachが、劇中歌を大貫妙子が書き下ろすなど、注目を集めている。

公式HP:
cider-kotoba.jp 

公式Twitter:
@CiderKotoba 

【STORY】
17回目の夏、地方都市——。
コミュニケーションが苦手で、俳句以外では思ったことをなかなか口に出せないチェリーと、見た目のコンプレックスをどうしても克服できないスマイルが、ショッピングモールで出会い、やがてSNSを通じて少しずつ言葉を交わしていく。
ある日ふたりは、バイト先で出会った老人・フジヤマが失くしてしまった想い出のレコードを探しまわる理由にふれる。ふたりはそれを自分たちで見つけようと決意。フジヤマの願いを叶えるため一緒にレコードを探すうちに、チェリーとスマイルの距離は急速に縮まっていく。だが、ある出来事をきっかけに、ふたりの想いはすれ違って——。
物語のクライマックス、チェリーのまっすぐで爆発的なメッセージは心の奥深くまで届き、あざやかな閃光となってひと夏の想い出に記憶される。アニメ史に残る最もエモーショナルなラストシーンに、あなたの感情が湧き上がる!

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【CAST】
市川染五郎 杉咲 花
潘 めぐみ 花江夏樹 梅原裕一郎 中島 愛 諸星すみれ
神谷浩史 坂本真綾 山寺宏一

【STAFF】
原作:フライングドッグ 監督・脚本・演出:イシグロキョウヘイ 脚本:佐藤 大 キャラクターデザイン・総作画監督:愛敬由紀子 音楽:牛尾憲輔
演出:山城智恵 作画監督:金田尚美 エロール・セドリック 小澤 郁 渡部由紀子 辻 智子 洪 昌熙 小磯由佳 吉田 南 
原画:森川聡子
プロップデザイン:小磯由佳 愛敬由紀子 色彩設計:大塚眞純 美術設定・レイアウト監修:木村雅広 美術監督:中村千恵子 3DCG監督:塚本倫基
撮影監督:棚田耕平 関谷能弘 音響監督:明田川 仁 アニメーションプロデューサー:小川拓也
劇中歌:「YAMAZAKURA」大貫妙子
主題歌:「サイダーのように言葉が湧き上がる」never young beach
アニメーション制作:シグナル・エムディ×サブリメイション
製作:『サイダーのように言葉が湧き上がる』製作委員会 
配給:松竹
©2020フライングドッグ/サイダーのように言葉が湧き上がる製作委員会

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